紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

オルガン・トリオとのワンホーンです…ジョーズ~エディ・ロック・ジョウ・デイビス&シャーリー・スコット

2007-12-11 22:17:21 | ジャズ・テナー・サックス
とてもライトなブルース・フィーリングに満ち溢れた、「エディ・ロックジョウ・デイビス」のオルガン・トリオをバックに従えた、ワンホーン・アルバムを紹介しましょう。
曲目もスタンダードばかりで、聴き易い事受けあいです。

アルバムタイトル…ジョーズ

パーソネル…リーダー;エディ・ロックジョウ・デイビス(ts)
      リーダー;シャーリー・スコット(org)
      ジョージ・デュヴィヴィエ(b)
      アーサー・エッジヒル(ds)

曲目…1.アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハート、2.
アイル・ネヴァー・ビー・ザ・セイム、3.夢から醒めて、4.オールド・デヴィル・ムーン、5.トゥー・クロース・フォー・コンフォート、6.ボディ・アンド・ソウル、7.バット・ノット・フォー・ミー、8.タンジェリン

1958年9月12日録音

原盤…prestige 7154  発売…ビクターエンタテインメント
CD番号…VICJ-2180

演奏について…オープニング「アイ・レット~」…非常に馴染み易い、4ビートのリズムで、「ロックジョウ」が割と抑え目ながら、良いフレーズのアドリブを演ってくれて、「スコット」他、サイドのメンバーも手堅くまとめて、ブルース・ジャズの真髄(ちょっと大袈裟?)が見れますよ。
「スコット」は、とても軽やかで、ブルース臭さをあまり感じさせませんが、それが持ち味の一つでしょう。

2曲目「アイル・ネヴァー~」…この演奏は良いね!
「ロックジョウ」…ブルース・バラッド行けるねぇ。
男臭いが、ハード過ぎはしないで、女性が安心出来る「男臭さ」…つまり危険な香りでは無く、「釣り馬鹿」の「浜ちゃん」的なお人好しさが有るんです。
「スコット」がこの曲では、少し音質を、にごり系にして、ブルース・バラッドの重さを表現してくれます。
私的に、この演奏がこのアルバムでのベスト・トラックでは無いかと思います。

3曲目「夢から醒めて」…この曲では何と言っても中盤以降の「スコット」のごきげんなノリでのアドリブ演奏がぴか一で聴き物ですね。
しかし、それ以上に光るのが、実は「エッジヒル」のプレイでしょうか?
ブラッシュ・ワークとシンバルを活かしたドラミングなんですが、軽く敲いているにも拘らず、とてもドライヴィング力が有って、皆を引っ張ってくれます。
序盤の「ロックジョウ」のアドリブも好演です。

4曲目「オールド・デヴィル・ムーン」…非常に変則的な入りで、ラテン・リズムに乗せて、皆が演ってくれるのだが、とにかくとても面白い。
この曲にオルガンって楽器が正直合うのかなぁって思いますが、何か不思議系のサウンドで、合っているんだが、無いんだか?良く分からんけど、何でも有りならOKですよ。
個人的には「エッジヒル」の出来が素晴らしいと思うが、「スコット」の馬鹿ノリと、ガッツリ真面目に弾き続けるベースの「デュヴィヴィエ」も良い味を出しているね。

5曲目「トゥー・クロース~」安心して聴いていられる、ノリ良い4ビート・リズムに乗って「ロックジョウ」が、ぶいぶい言わせてくれますよ。
「スコット」も相変わらず、絶好調!
この人のオルガンって良く言えば、跳ねて踊る感じ…悪く言えばとてもライトで、軽いサウンドなんだよね。
特に「ジミー・スミス」なんかに比べると、音(音量・音質)が半分以下じゃないかと思うくらいです。
ライトに気兼ねなく聴きたい人には、goodなサウンドでしょう。

6曲目「ボディ・アンド・ソウル」…こいつはヘヴィな演奏に限る…って思っていたら、この重くない演奏も有りなんだよね。
かと言って「ロックジョウ」は、充分に重厚さも加味された、音質と音量で吹いてくれるんですけど。
但し、先ほど同様「スコット」の演奏が、かなりライトなんで、少し物足りないかも知れないなぁ。
でも「ロックジョウ」は全曲中、一番汗を額からたらしながら、熱演しているのは、間違い無いです。
ここでの「ロックジョウ」の演奏には痺れます。

7曲目「バット・ノット~」…この曲も有名曲なので、皆様が普通に?想像した演奏からすると、ちと違う感じがするかも…。。。
でも「ロックジョウ」は、この曲ぐらいまで来ると、テナー・マンとしての本性が全面的に出て来て、かなりシャウトをしてくれて…良い感じですよ。
「スコット」は、軽やかながら、アドリブ・メロディとイマジネーションの出来は、相当行けてます。
「デュヴィヴィエ」のバツーンと重々しいベースが、「スコット」の軽さを良くフォローした感じがします。

ラスト「タンジェリン」…こう言う、ライトな感じの曲は、このコンボにガッツリはまる気がします。
「ロックジョウ」と「スコット」の掛け合い、丁々発止が一番の聴き所でしょう。
やっぱり、この二人はお互いに触発されて、溌剌とした演奏をしてくれる仲間なんでしょうね。

全体的に少しライトな感じは否めませんが、ブルージー過ぎない、オルガン入りジャズ、(コンボ)を楽しむのには、お薦めの一枚です。