普段はいかにもグルーヴ感覚抜群で、ブラック・ミュージックを演る、オルガン・ジャズの旗手「ジミー・スミス」が、バラード中心に選曲して、演奏したのがこの異色アルバムです。
オルガン・トリオでのバラード演奏…渋い、かっこ良い、趣深い。。
アルバムタイトル…プレイズ・プリティ・ジャスト・フォー・ユー
パーソネル…リーダー;ジミー・スミス(org)
エディ・マクファーデン(g)
ドナルド・ベイリー(ds)
曲目…1.ニアネス・オブ・ユー、2.ジターバグ・ワルツ、3.イースト・オブ・ザ・サン、4.ニューヨークの秋、5.ペントハウス・セレナーデ、6.君を想いて、7.言い出しかねて、8.オールド・デヴィル・ムーン
1957年5月8日
原盤…BLUE NOTE 1563 発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-1563
演奏について…オープニング曲「ニアネス・オブ・ユー」…寛ぎと揺らぎに満ち溢れたスロー・バラッドから始まる。
「ベイリー」のブラッシュワークと「マクファーデン」のジャズ伴奏も、極めて控えめに、「スミス」のソロを飾り立てる。
中間で「マクファーデン」がアドリブを入れるが、これも慈愛に満ちた癒し系で、心がとても温まります。
「スミス」の演奏は終始ほのぼのとしたトーンでどこまでも優しく、とにかく優しく…このまま眠りにつきそうです。
2曲目「ザ・ジターバグ・ワルツ」…余りにも「エリック・ドルフィー」の名演が有名な曲ですが、この演奏は勿論、「ドルフィー」とは対極に有ります。
3拍子のリズムに乗って、「スミス」が緩やかにスウィングして、「ベイリー」は優しくリズムを刻む…。
まるで極上のBGMの様な天国的なワルツ演奏に、つい居眠りして、そして素晴らしい夢を見れそうです。
3曲目「イースト・オブ~」…1、2曲目で揺らぎ演奏に終始していたトリオがジョギング程度だが、ミドル・テンポの4ビートで走り始める。
「スミス」もいつもの自分をチラリと出して、ファンキーさとブルージーな感覚でグルーヴするソロを取ってくれます。
中間でのアドリブ・パートでのノリも良く、所々でブイブイ言わしているんです。
「マクファーデン」のアドリブ、伴奏もかなりブルージーな雰囲気を出していて、良い仕事ですよね。
ところで、「マクファーデン」の音色と演奏ですが、この音、そしてこの感覚は、やはりブルーノートのアーティストらしく、良く聴くと「ケニー・バレル」に似ていますね!やはり………。
「ベイリー」のおかず満載のバック演奏もお洒落です。
4曲目「ニューヨークの秋」…3曲目で走り始めた「スミス・トリオ」ですが、ここでまた渾身のスローバラッド演奏に戻ります。
「スミス」は一音一音を長めに取って、変わり行くニューヨークの景色…色づき始めた紅葉と、もの悲しさを纏ってきた町並みを表現しているかの様です。
「スミス」の入魂のバラードは、本当に聴き応え有ります。
「マクファーデン」のソロは原曲の美しいメロディを活かして、あえて奇を衒わず原曲に忠実なんですが、そこが好感が持てる所です。
終盤で「ベイリー」が効果的なバスドラ一発入れてくれる所なんかは、センス有りますね。
5曲目「ペントハウス・セレナーデ」…3曲目の様に、ミドル・テンポで陽気に寛ぐナンバーです。
4曲目でエネルギーを出し切った?トリオがクール・ダウンとして用いた曲のようで、ライトな感覚で、心がウキウキします。
「マクファーデン」のソロもものすごく晴れやかな感情で、(良い意味で)気楽な演奏がされています。
こう言う小品的な感じの曲&演奏もアルバム中、必要不可欠だと思います。
ハード・プレイばかりじゃ聴く方も疲れちゃいますからね。
6曲目「君を想いて」…「マクファーデン」のメロディ・ライン演奏から序奏が始まり、哀愁感覚バッチリの素晴らしいソロを見せてくれます。
「マクファーデン」と言うギタリストも、まじめに侮れませんね。
「スミス」がセレクトしたメンバーなだけに、伴奏者としても優秀ですし、ソロを取らせても、破綻の少ない、且つ出しゃばらないアーティストで、脇役(サイド・メン)にはもってこいの人だと思います。
7曲目「アイ・キャント~」…「スミス」の情感タップリの序奏で始まり、もはや正常な気持ちではいられないほど、哀愁的な、そして魅惑的なメロディ・ライン痺れさせられて、その後の「スミス」のアドリブの素晴らしさにも、手伝って心がノックアウト状態になっています。
しかし、ただ癒しサウンドで攻めるだけでなく、この曲では、所々で攻撃的なアドリブをチョイチョイと小出しして、それが又妙技で憎いんだよね。
人の琴線をドンピシャ攻撃するんですよ。
こいつはまじで、只のオルガン小僧じゃないね。
壷をくすぐる術と場所、時間を的確に知っていて、完全犯罪者だな!(笑)
「マクファーデン」も前曲に近い感じで、原曲に忠実で「スミス」のアドリブを後押しします。
このアルバム随一のベスト・トラック演奏でしょう。
ラストを飾る「オールド・デヴィル・ムーン」…最後は一寸陽気に、ラテン調の曲で〆るんですが、「スミス」はブロック的な両手を使ったトーンで伴奏的に弾き、逆に「マクファーデン」が気力を振り絞った?アドリブ・ソロを演ってくれて、良い仕事をしてくれます。
最後は「マクファーデン」に花を持たせたんでしょうね。
「ベイリー」もノリノリでグルーヴ感の有るドラムスで、ファイナル曲を盛り上げます。
このライトで明るい雰囲気でのフィニッシュも好感が持てるね。
最後まで幻想的で終わると、逆にやばい気がするんで、こいつで決まり!です。
オルガン・トリオでのバラード演奏…渋い、かっこ良い、趣深い。。
アルバムタイトル…プレイズ・プリティ・ジャスト・フォー・ユー
パーソネル…リーダー;ジミー・スミス(org)
エディ・マクファーデン(g)
ドナルド・ベイリー(ds)
曲目…1.ニアネス・オブ・ユー、2.ジターバグ・ワルツ、3.イースト・オブ・ザ・サン、4.ニューヨークの秋、5.ペントハウス・セレナーデ、6.君を想いて、7.言い出しかねて、8.オールド・デヴィル・ムーン
1957年5月8日
原盤…BLUE NOTE 1563 発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-1563
演奏について…オープニング曲「ニアネス・オブ・ユー」…寛ぎと揺らぎに満ち溢れたスロー・バラッドから始まる。
「ベイリー」のブラッシュワークと「マクファーデン」のジャズ伴奏も、極めて控えめに、「スミス」のソロを飾り立てる。
中間で「マクファーデン」がアドリブを入れるが、これも慈愛に満ちた癒し系で、心がとても温まります。
「スミス」の演奏は終始ほのぼのとしたトーンでどこまでも優しく、とにかく優しく…このまま眠りにつきそうです。
2曲目「ザ・ジターバグ・ワルツ」…余りにも「エリック・ドルフィー」の名演が有名な曲ですが、この演奏は勿論、「ドルフィー」とは対極に有ります。
3拍子のリズムに乗って、「スミス」が緩やかにスウィングして、「ベイリー」は優しくリズムを刻む…。
まるで極上のBGMの様な天国的なワルツ演奏に、つい居眠りして、そして素晴らしい夢を見れそうです。
3曲目「イースト・オブ~」…1、2曲目で揺らぎ演奏に終始していたトリオがジョギング程度だが、ミドル・テンポの4ビートで走り始める。
「スミス」もいつもの自分をチラリと出して、ファンキーさとブルージーな感覚でグルーヴするソロを取ってくれます。
中間でのアドリブ・パートでのノリも良く、所々でブイブイ言わしているんです。
「マクファーデン」のアドリブ、伴奏もかなりブルージーな雰囲気を出していて、良い仕事ですよね。
ところで、「マクファーデン」の音色と演奏ですが、この音、そしてこの感覚は、やはりブルーノートのアーティストらしく、良く聴くと「ケニー・バレル」に似ていますね!やはり………。
「ベイリー」のおかず満載のバック演奏もお洒落です。
4曲目「ニューヨークの秋」…3曲目で走り始めた「スミス・トリオ」ですが、ここでまた渾身のスローバラッド演奏に戻ります。
「スミス」は一音一音を長めに取って、変わり行くニューヨークの景色…色づき始めた紅葉と、もの悲しさを纏ってきた町並みを表現しているかの様です。
「スミス」の入魂のバラードは、本当に聴き応え有ります。
「マクファーデン」のソロは原曲の美しいメロディを活かして、あえて奇を衒わず原曲に忠実なんですが、そこが好感が持てる所です。
終盤で「ベイリー」が効果的なバスドラ一発入れてくれる所なんかは、センス有りますね。
5曲目「ペントハウス・セレナーデ」…3曲目の様に、ミドル・テンポで陽気に寛ぐナンバーです。
4曲目でエネルギーを出し切った?トリオがクール・ダウンとして用いた曲のようで、ライトな感覚で、心がウキウキします。
「マクファーデン」のソロもものすごく晴れやかな感情で、(良い意味で)気楽な演奏がされています。
こう言う小品的な感じの曲&演奏もアルバム中、必要不可欠だと思います。
ハード・プレイばかりじゃ聴く方も疲れちゃいますからね。
6曲目「君を想いて」…「マクファーデン」のメロディ・ライン演奏から序奏が始まり、哀愁感覚バッチリの素晴らしいソロを見せてくれます。
「マクファーデン」と言うギタリストも、まじめに侮れませんね。
「スミス」がセレクトしたメンバーなだけに、伴奏者としても優秀ですし、ソロを取らせても、破綻の少ない、且つ出しゃばらないアーティストで、脇役(サイド・メン)にはもってこいの人だと思います。
7曲目「アイ・キャント~」…「スミス」の情感タップリの序奏で始まり、もはや正常な気持ちではいられないほど、哀愁的な、そして魅惑的なメロディ・ライン痺れさせられて、その後の「スミス」のアドリブの素晴らしさにも、手伝って心がノックアウト状態になっています。
しかし、ただ癒しサウンドで攻めるだけでなく、この曲では、所々で攻撃的なアドリブをチョイチョイと小出しして、それが又妙技で憎いんだよね。
人の琴線をドンピシャ攻撃するんですよ。
こいつはまじで、只のオルガン小僧じゃないね。
壷をくすぐる術と場所、時間を的確に知っていて、完全犯罪者だな!(笑)
「マクファーデン」も前曲に近い感じで、原曲に忠実で「スミス」のアドリブを後押しします。
このアルバム随一のベスト・トラック演奏でしょう。
ラストを飾る「オールド・デヴィル・ムーン」…最後は一寸陽気に、ラテン調の曲で〆るんですが、「スミス」はブロック的な両手を使ったトーンで伴奏的に弾き、逆に「マクファーデン」が気力を振り絞った?アドリブ・ソロを演ってくれて、良い仕事をしてくれます。
最後は「マクファーデン」に花を持たせたんでしょうね。
「ベイリー」もノリノリでグルーヴ感の有るドラムスで、ファイナル曲を盛り上げます。
このライトで明るい雰囲気でのフィニッシュも好感が持てるね。
最後まで幻想的で終わると、逆にやばい気がするんで、こいつで決まり!です。