紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ブルーノート幻のアルバム…ソニー・クラーク・クインテッツ

2007-08-24 23:45:41 | ジャズ・ピアノ・コンボ
最近ブルーノート付いちゃってますねぇ。
今日は、過去に「もう一つのクール・ストラッティン」とも言われていた、幻の名盤「ソニー・クラーク・クインテッツ」を紹介します。
参加しているメンバーも、まじに良いですよ!
では…

アルバムタイトル…ソニー・クラーク・クインテッツ

パーソネル…リーダー;ソニー・クラーク(p)
      ジャッキー・マクリーン(as)
      アート・ファーマー(tp)
      クリフ・ジョーダン(ts)
      ケニー・バレル(g)
      ポール・チェンバース(b) 
      ピート・ラロッカ(ds)
      フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

曲目…1.ロイヤル・フラッシュ、2.ラヴァー、3.マイナー・ミーティング、4.イースタン・インシデント、5.リトル・ソニー

1957年12月8日 1958年1月5日 録音

原盤…ブルー・ノート 発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-1592

演奏について…く、くそー…投稿・批評が、き、消えちゃった。
こうなりゃ一言で…クール・ストラッティンに、まじ負けてないすごい演奏です。

「クラーク」は、「クラーク」らしく哀愁たっぷりのシングルトーンと、お洒落なブロックコードが健在です。
「マクリーン」は「マクリーン節」&鋭利なトーンで所々で良い味出してます。
「ファーマー」…いつもよりは硬派な演奏です。
「バレル」は「クラーク」とベストマッチ!青い音色が本当に合ってます。
「フィリー・ジョー」…神から授かったドラムテクニックはいつもすごい!!!
「チェンバース」は、勤勉実直で、ハズレが少ない。
「ジョーダン」テナーの「マクリーン」が顔を出します。
「ラロッカ」は良いドラマーです。

ブルー・トーン系に名演奏です。

シルヴァーズ・ブルー~ホレス・シルヴァー

2007-08-19 23:45:15 | ジャズ・ピアノ・コンボ
ハードバップ&ファンキージャズの代名詞的なピアニスト、「ホレス・シルヴァー」のEPICレーベルに残したアルバムを紹介しましょう。

アルバムタイトル…シルヴァーズ・ブルー

パーソネル…ホレス・シルヴァー(p)
      ドナルド・バード(tp)
      ジョー・ゴードン(tp)
      ハンク・モブレイ(ts)
      ダグ・ワトキンス(b)
      ケニー・クラーク(ds)
      アート・テイラー(ds)

曲目…1.シルヴァーズ・ブルー、2.トゥ・ビート・オア・ノット・トゥ・ビート、3.ハウ・ロング・ハズ・ジス・ビーン・ゴーイン・オン、4.アイル・ノウ、5.シャウティン・アウト、6.ハンクス・チューン、7.夜は千の眼を持つ

1956年7月2日、17日 録音

原盤…EPIC 発売…EPIC Records
CD番号…ESCA 7726

演奏について…好演の中では、「コルトレーン」の超名演、「ロリンズ」も名演を残している7曲目「夜千」が中々良いですねぇ。
ラテンリズムに先導されて、「モブレー」の派手さはないが、好フレーズを連続で奏でるテナーと、若々しくブリリアントに、気持ち良く吹く「バード」
この二人の絡み合いプラス「シルヴァー」のブロックコード伴奏も、とても心地よいですね。
それから、真打「シルヴァー」の、アドリブソロの登場です。
崩しのコードを取り入れた、「チョイ・モンク」演奏をしていますが、ご愛嬌、サービスですよ。
前回、別のアルバム紹介の時、「加持さん」からご享受がありましたが、この時期の「シルヴァー」は、ファンキー一色にはなっていません。
どちらかと言うと、ファンキーが入ったハードバップですが、いずれにせよ良い演奏であることには違いありません。

オープニング曲「シルヴァーズ・ブルー」は、ブルース・チューンの曲で、のっけから「シルヴァー」がアンニュイなメロディでテーマを告げて、「バード」と「モブレー」も、ブルージーで素敵なソロを展開する。
中間での「シルヴァー」のアドリブも抜群の出来だが、バックでは、地味だがメンバー全員をドライヴィングして引っ張る「ワトキンス」のベースが、(中途のソロを含めて)特に良い演奏で印象的です。

短曲ですが、3曲目「ハウ・ロング~」は、ガーシュイン作曲のスタンダード・バラードで、「シルヴァー」が、所々でとてもロマンティックな演奏をしていて、素晴らしいです。
又、ミュートで叙情性を全面に押出した「バード」の、繊細で美しい演奏は特筆物です。
同じく「モブレー」も、バラード吹きの規範の様な甘い演奏がgood。

4曲目「アイル・ノウ」…「モブレー」がアーティスティックなソロを決めると、「バード」が輝く様な音色のランペットで、バッチリお返しをする。
「シルヴァー」は、バッピシュ&ファンキーなピアノソロで、曲を飾り付ける。
全曲中、最も「シルヴァー」(率いるコンボ)らしい演奏でしょう。

6曲目「ハンクス~」と2曲目「トゥ・ビート~」は、曲自体は印象的な特徴あるメロディではないですが、いかにもハードバップらしい曲で、「モブレー」「バード」「シルヴァー」と期待通りのアドリブ・プレイをしてくれます。

ハードバップorファンキー?…ホレス・シルヴァー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

2007-08-08 23:52:37 | ジャズ・ピアノ・コンボ
今日は、ファンキー・ジャズの伝道士「ホレス・シルヴァー」が、ハード・バップの教祖「ジャズ・メッセンジャーズ」と録音したブルーノート・アルバムを紹介しましょう。

アルバムタイトル…ホレス・シルヴァー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

パーソネル…リーダー;ホレス・シルヴァー(p)
      ケニー・ドーハム(tp)
      ハンク・モブレー(ts)
      ダグ・ワトキンス(b)
      アート・ブレイキー(ds)

曲目…1.ルーム608、2.クリーピン・イン、3.ストップ・タイム、4.トゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン、5.ヒッピー、6.ザ・プリーチャー、7.ハンカリン、8.ドゥードリン

1954年11月13日(1~3、8) 1955年2月6日(4~7)

演奏について…ファンキー路線バリバリの演奏としては、2曲目「クリーピン・イン」…すごく良いです。
いかにもファンキーの塊の様なメロディを、2管のユニゾンがテーマとして掲げてから、「モブレー」の渋くて情緒あるテナー、同様の音色で「ドーハム」が応えて、フィニッシュは「シルヴァー」のファンキストピアノソロで、これで決まりよ!

オープニング「ルーム608」では、「シルヴァー」のファンキー演奏にプラスして、「ブレイキー」の瀑布ロールがチョコッと顔を出してお洒落です。

3曲目「ストップ~」では、もう一つのテーマである「ビ・バップ」色が色濃く出た演奏&サウンドがなされている。
「シルヴァー」のピアノ、「ドーハム」と「モブレー」の管との絡みも絶妙だが、やはりコンボをコントロールしているのは、「ブレイキー」のガッツンドラム。
この時には初期の「メッセンジャーズ」が完成の域に達したサウンドが出来ている。

4曲目「トゥ・フーム~」…序章から数小節は「シルヴァー」のシングルトーンが冴えを見せるが、この後「モブレー」が朗々としたテナーをかまし、「ドーハム」は、かなりブライトな音色で、コンボを盛り上げる。
ラテンフレーヴァーなドラムを叩く「ブレイキー」もgood。

5曲目「ヒッピー」…正しく題名通りの明るくウィット感漂う佳曲。
半音中心のブロック・コードを多様する「シルヴァー」とキッチリベースを刻む「ワトキンス」に加えて「ブレイキー」がガッツリとシンバルメインでサポートする。
2管の二人もとても楽しんだアドリブを展開する。

6曲目「ザ・プリーチャー」&8曲目「ドゥードリン」…この2曲は、ファンキーの極地的な曲&演奏。
それに加えてゴスペルも足された様な曲調がとても楽しい。
「シルヴァー」の面目躍如の曲であり、ファンキー・ブルースが鍵盤を駆け巡る。
これだけ遊びがある余裕の演奏をされると、「モブレー」「ドーハム」は言うに及ばず、もはや「ブレイキー」ですら、「シルヴァー」の脇役に過ぎない。
「ホレス・シルヴァー」…ファンキーを演らせりゃ世界一のピアニストですね。
      

ブルーノートの十八番、ハードバップの名盤…ケニー・ドリュー~アンダー・カレント

2007-08-04 23:56:08 | ジャズ・ピアノ・コンボ
今日はブルーノートレーベルのハードバップ名盤の中の一つ、「ケニー・ドリュー」リーダーの「アンダーカレント」を紹介しましょう。
ブラック・フィーリングに富んだ、そしてとてもファンキーな抜群に良い演奏です。

アルバムタイトル…アンダー・カレント

パーソネル…ケニー・ドリュー(p)
      フレディ・ハバード(tp)
      ハンク・モブレー(ts)
      サム・ジョーンズ(b)
      ルイス・ヘイズ(ds)

曲目…1.アンダーカレント、2.ファンク・コシティ、3.ライオンズ・デン、4.ザ・ポッツ・オン、5.グルーヴィン・ザ・ブルース、6.バラッド

1960年12月11日

演奏について…時々言っていて恐縮ですが、まずこのメンバーを見て最初から音楽性、演奏内容が頭の中にイメージが出来るくらい、ブルージーでファンキーな演奏者達です。
果たして演奏はと言えば?正しく皆様の想像通りで、期待を裏切ません。

個人的な一押しは、2曲目「ファンク・コシティ」…すごく良いですね。
フロント二人の二管によりマイナー・チューンの哀愁あるメロディに導かれて、全員がファンキーマシーンと化して、この曲に突貫しています。
特に「ハバード」は正しくハード・バップの申子の様な名演をしています。
※「ハバード」は、この曲に限らずアルバム全編を通して非常に良い演奏ですけどね。
心のこもったソロを吹く「モブレー」、まるで「ホレス・シルバー」が乗り移ったかの様なファンキー全開の「ドリュー」など、ベテラン勢の演奏も秀逸です。

アルバムタイトル「アンダーカレント」も勿論素晴らしい演奏で、ここでもブリリアントに、そして非常にファンキーな乗りで、トランペットを吹き切る「ハバード」の名演に心を打たれる。
「ドリュー」はリーダーだが、サイドメンに徹していて、フロント二人の「ハード・バッパー」を上手く活かしている。

3曲目「ライオンズ~」は「ヘイズ」「ジョーンズ」のリズムセクション二人がハードバップを演るには、こうだ!と言わんばかりの、乗りの良いドライヴィングで全員を引っ張る。
さすがこの二人も第一級のプレイヤーと再認識しますぜ。

4曲目「ザ・ポッツ~」も、二管ハードバップのお手本の様な曲&演奏です。
二人のフロントのユニゾンにて導入されたメロディを上手く全員で紡ぎ、ファンキー節全開で突き進みます。

5曲目「グルーヴィン~」は、題名通りブルース進行で演奏しますが、ここでは渋く決める「モブレー」の演奏と、ブルースなら誰にも負けないリーダー、「ドリュー」の漆黒のピアノプレイ(アドリブソロ)が最大の聴き物。
又、「ヘイズ」のおかずが多めのドラミング、流石のタイムキーピングで、「ずんずんベース」で、職人に徹する「ジョーンズ」もカッコイイですね。
このアルバム中では、1&2曲目とトリオに入れたい3大演奏でしょう。

6曲目「バラッド」…最後を締めくくるのに相応しい、やや明るめで、一寸知的なバラード演奏です。
その理由としては、やはり「ハバード」の音色がそう聞こえるからでしょう。
しかし「ドリュー」は、晩年ライフワークとなった(日本のレコード会社がさせた?)とてもロマンティックなバラードプレイをここでも垣間見せています。

ジャズ狂信者に入信するかい?ザ・ワールド・オブ・セシル・テイラー

2007-07-23 00:05:59 | ジャズ・ピアノ・コンボ
大分前になりますが、「チャールス・ロイド」リーダーアルバム、「フォレスト・フラワー」で、ジャズ狂への扉を開けましたが、その後踏み出してはいませんでした。
そこで、今日は扉から3歩中へ入ってみたい方に、このアルバムを紹介しましょう。

アルバムタイトル…ザ・ワールド・オブ・セシル・テイラー

パーソネル…リーダー;セシル・テイラー(p)
      ブエル・ネイドリンガー(b)
      デニス・チャールス(ds)
      アーチー・シェップ(ts)

曲目…1.エアー、2.ジス・ニアリー・ウォズ・マイン、3.ポート・オブ・コール、4.E.B、5.レイジー・アフタヌーン

1960年11月19日録音

演奏について…セシル・テイラーと言う人は、フリージャズ系ピアニストの最高峰ですが、ピアノを「一打楽器」として性能の全てを発揮させる様な演奏をします。
ですから、フリージャズと言っても、実はそんなに騒がしく、狂乱演奏には聞こえません。
クラシックの新ウィーン学派、「ウェーベルン」や「シェーンベルグ」の曲を聴く方にとっては、案外なじみ易いのでは?と思います。

特にピアノトリオで演じられる2曲目「ジス・ニアリー~」は、非常に良い曲で、パーカッシブな「テイラー」のピアノ演奏が曲のそこここに見られますが、ベース「ネイドリンガー」と、ドラムス「チャールス」は、非常にベーシックな4ビートのリズムを刻み、そのリズムの中を「テイラー」が自由だが、かなりメロディアスなアドリブを弾いて、ピアノトリオの醍醐味が味わえる名演です。

逆に4曲目「E.B」は、フリー系の演奏としては、このアルバムの白眉だろう。
「ネイドリンガー」の超高速ベースライン演奏と、シンバルワークをメインとしつつ、時々空間的自由なソロをかます「チャールス」のドラムにサポートされた「テイラー」が、縦横無尽にピアノを弾き捲る。
時には低音域をメインに重厚さを出し、時には高音できらびやかで軽やかに蝶が舞うが如く演奏する。
テンポも超高速調から、静寂を思わせる低速まで、正に自由自在だ。

ラスト曲の「レイジーアフタヌーン」は、このアルバムで、スタンダードジャズ好きには、最もお薦めの1曲。
「シェップ」の演奏はミドルテンポのフリー係ったバラード的な演奏で、崩したブロックコードの「テイラー」は、まるで進化した「モンク」の様です。
リズムの二人は、オープニングから変わらず、礼節を重んじたシンプルな演奏で縁の下の力持ちに徹していて好ましい。
後半の「テイラー」のアドリブソロは圧巻、変則だがどことなくメロディアスで、やはり天才のなせる技であろうか。

3曲目「ポート・オブ・コール」も、やや高速調のテンポだが、リズムの二人は、非常に常識的なタイムキーピングに徹し、時折のソロも決してぶっ飛んではいない。
「テイラー」はここでも、ピアノをメロディ楽器ではなく、メロディを出せる「打楽器」として使用して、独自の境地を展開する。

1曲目「エアー」は、「シェップ」の初録音と言うこともあり、フリーと言っても演奏&アドリブに初々しさが残っており、そう言う意味では、「コルトレーン」や「ドルフィー」の後期アルバムの方が、よりフリー演奏に近いかもしれない。
「テイラー」の演奏は、一聴してアグレッシブだが、決してメチャクチャに弾いてはいない。
少し冒険したジャズカルテットぐらいの軽いつもりで聴いてOKです。

ビル・エヴァンス・トリオ・ウィズ・シンフォニー・オーケストラ

2007-07-13 23:58:30 | ジャズ・ピアノ・コンボ
ビル・エヴァンス…言わずもがな白人ジャズ・ピアニストの最高峰であり、そんな彼がオーケストラ&ストリングスをバックに従えて、クラシックのオリジナル曲を原曲とし、素材にして取り組んだ、意欲的な作品がこのアルバムです。

アルバムタイトル…ビル・エヴァンス・トリオ・ウィズ・シンフォニー・オーケストラ

パーソネル…リーダー;ビル・エヴァンス(p)
      チャック・イスラエル(b)
      ラリー・バンカー(ds)
      クラウス・オガーマン(編曲・指揮)
          オーケストラとストリングス

曲目…1.グラナダス(グラナドスのテーマによる)、2.ヴァルス(バッハのテーマによる)、3.プレリュード(スクリアビンのテーマのよる)、4.想い出の時、5.パヴァーヌ(フォーレのテーマによる)、6.エレジア、7.マイ・ベルズ、8.ブルー・インタールード(ショパンのテーマによる)

1965年9月29日(1,3,5,6曲) 12月16日(2,4,7,8曲)

演奏について…お薦め曲ですが、1曲目「グラナダス」は、曲のテーマが非常にロマンティックで、バックを彩るオケと、まるで「ジョン・ルイス」が弾いていると勘違いするほど、クラシカルで、リリックなプレイを奏でる「エヴァンス」に新たな魅力を発見するでしょう。

2曲目「ヴァルス」も、原曲のバッハの曲が素晴らしいので、この良い素材を活かして「エヴァンス」はストレートに料理するだけですが、そこは「エヴァンス」が「エヴァンス」たる所以で、原曲の素晴らしさに輪をかけて、スローテンポを選択して、素晴らしいピアノ・トリオ・インプロヴィゼーションに仕上げています。
「イスラエル」の締まっていて、カチッとくる硬派のベースもこの演奏のランク・アップに貢献しています。

5曲目「パヴァーヌ」も原曲自身が、非常にメロディックな美しい曲で、オーケストラの好演、サポートも良く、「エヴァンス」は品の良いリリカルなアドリブを演じています。
ここでの演奏もまるで、「ジョン・ルイス」が乗り移ったかの様な、クラシック的な知性を感じさせ、高貴な演奏に仕上げており、相変わらず「イスラエル」のベースも山椒の様にピリリと薬味を効かせています。

8曲目「ブルー~」は「オガーマン」のオーケストラ・アレンジの妙もあり、「エヴァンス」もショパンの曲らしく、ナイーブだが奥底にある芯の強さをチラ見せする様に、哀愁がありながらどこか知的な部分を感じさせる名演です。

6曲目「エレジア」は「オガーマン」のオリジナル曲と言うこともあり、このアルバム随一の映画音楽のような、色彩の強い絵画的な曲調で、オーケストレーションの非常に見事な演奏です。
「エヴァンス」は印象派のピアノ(ドビュッシー)を弾くように、空間を捉えて、良く思索されたアドリブを展開する。

4曲目「想い出の時」と7曲目「マイ・ベルズ」は2曲とも「エヴァンス」のオリジナル曲と言うこともあり、両曲とも「ジス・イズ・ビル・エヴァンス」と言えるぐらい一聴して、彼のピアノ演奏&曲と分かるほど、自らの個性を全面に打ち出しています。
正しく「エヴァンス」が「エヴァンス」たる所以の規範的な曲&演奏です。

ジス・イズ・ニュー~ケニー・ドリュー・クインテット(カルテット)

2007-07-12 23:20:01 | ジャズ・ピアノ・コンボ
この盤は、「ケニー・ドリュー」のカルテット演奏、クインテット演奏を収めた、彼の代表作です。
ピアノトリオ演奏には、「ケニー・ドリュー・トリオ」と言う名の超名盤(かつての幻の名盤)が、存在するのですが、ホーンが入ったアルバム演奏の中では、この盤が「ドリュー」のベスト演奏と言えるでしょう。
では、詳細を説明しましょう。

アルバムタイトル…ジス・イズ・ニュー

パーソネル…リーダー;ケニー・ドリュー(p)
      ドナルド・バード(tp)
      ハンク・モブレイ(ts)1曲目~3曲目のみ
      ウィルバー・ウェア(b)
      G・T・ホーガン(ds)

曲目について…1.ジス・イズ・ニュー、2.キャロル、3.イッツ・ユー・オア・ノー・ワン、4.ユーア・マイ・スリル、5.リトルT、6.ポールズ・パル、7.ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー?

1957年3月28日(1~3曲目)、4月3日(4~7曲目)NYにて録音

演奏について…まず、アルバム全編を通じて、どの曲、どの演奏もハード・バップのお手本の様な演奏がなされている。

その中で、クインテット演奏では、特にハード・バップ的な曲調で、3曲目「イッツ~」が特徴が出ていて、メンバー各々も乗った演奏をしている。
「バード」の輝かしい音色のアドリブ、「ドリュー」の知性と感性と、そしてバッピッシュな解釈、技術を全面に押出したピアノソロ、抑えたテナーで渋く決める「モブレイ」、「ウェア」のベースソロも「ホーガン」の華麗なドラミングも古き良きハードバップ時代の規範の様な演奏であり、非常に感銘を受ける。

カルテット演奏では、4曲目「ユーア~」が、取分け「バード」のきらびやかな音色で最初から最後までトランペットを吹き切るバラッドに心を打たれる。
「ドリュー」のピアノは、これぞバップピアノだと言わんばかりに、やや崩したマイナー調をベースにして、相変わらず冴え渡る。

他には、オープニング・タイトル曲「ジス・イズ・ニュー」は、上記2曲と同等かそれ以上の名演である。
リズムは、私の大好きなラテンリズムで始まり、「バード」、「モブレイ」の壷を押さえた、それぞれのソロも良いが、それ以上に痺れるのは、この後のリーダー「ドリュー」のピアノアドリブで、このマイナー調の佳曲には、ドンピシャはまりのもの哀しいトーンとアドリブ・メロディで、正しく「ドリュー節」全開です。
こう言う曲調、それもハードバップの演奏をさせたら、ジャズ界広といえども、「ドリュー」の右に出るやつはいないでしょう。

6曲目の「ポールズ・パル」は、「バード」と「ドリュー」の演奏が素晴らしいのは勿論だが、特にバックリズムの二人、「ウェア」と「ホーガン」のアドリブソロの持分が多く、脇役にもスポットライトをあてた演奏です。

他の曲もハズレはなく、「ドリューの代表作」の看板に偽りはありません。

孤高のピアノ詩人、マル・ウォルドロンの初リーダー・アルバム

2007-06-23 23:58:16 | ジャズ・ピアノ・コンボ
皆様こんばんわ。
昨日は私の提案、隠れ名盤を教えて下さい…との問いに、多くの方がコメントを下さって頂き、本当にありがとうございます。
皆様各々には、また後日丁重にコメント・バックさせて頂きます。

さて、今日は隠れ名盤ではありませんが、代表作からもちょっとはずれている、マル・ウォルドロンの「マルー1」を紹介します。

アルバムタイトル…マルー1

パーソネル…リーダー;マル・ウォルドロン(p)   
      アイドリース・シュリーマン(tp)
      ジジ・グライス(as)
      ジュリアン・ユーエル(b)
      アーサー・エッジヒル(ds)

曲目…1.ステイブル・メイツ、2.イエスタデイズ、3.トランス・フィギュレーション、4.バド・スタディ、5.ディーズ・ジレンマ、6.ショーム

演奏(曲)について…このアルバムの演奏曲についてだが、まず2管を活かした、いかにもハードバップと言うべき、ユニゾンとアドリブを程よく混合させた演奏と、マルやシュリーマンなどの、各個人の特性を活かした演奏の2種類に大別される。

1曲目のゴルソン作曲の「ステイブル~」は、当然作曲者の意図が良く分かる曲だけに、2管を活かした演奏(ゴルソン・ハーモニーの踏襲)がされている演奏で、同様に3曲目の「トランスフィギュレーション」も正しく、2管のお手本の様な演奏をしています。

逆に2曲目「イエスタデイズ」は、ペットの「シュリーマン」と、ベースの「ユーエル」のデュオ演奏の様な世界を形作っていて、とても面白い。
特に「ユーイング」は、タイムキーピングに徹しているのだが、その力強い演奏が、「シュリーマン」のアルバム随一の魅惑的なソロ演奏の、単なるバックアップに留まってはいないで、とても主張した演奏になっている。
本作品のベストトラックでしょう。

5曲目の「ディーズ・ジレンマ」は、本アルバム中、個人的には一番お気に入りの曲です。
哀愁のマイナー調ワルツで、「ソニー・クラーク」の「クール・ストラッティン」に出てくる様な、素晴らしいメロディで、正にマルの「面目躍如」と言って良いでしょう。
朴訥な「黒いピアノ」のシングルトーン演奏が、来るべき「レフト・アローン」等の将来の名曲・名演を予見させて、「グライス」のアルトの好演も後押しして、この曲の盛り上げに一役買っています。

4曲目「バド・スタディ」は、マルのピアノの魅力が随所に表れて、やっとリーダーらしい目立ちがされたかなと思わせる演奏です。
敬愛する「バド・パウエル」の名を冠したのは、マルのセンスでしょう。

6曲目「ショーム」はトランペットの「シュリーマン」のオリジナル作品との事で、この1曲はウェストコーストの香りが漂います。
シュリーマンは勿論ですが、ここでは「グライス」のアルト、そして何故かウェストコースト臭くない、マルのソロも好演していて、中々良演です。

異色のブルーノート・アルバム、ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ

2007-06-19 23:24:00 | ジャズ・ピアノ・コンボ
黒人ジャズの最高峰とも言うべき、ジャズレーベルの王道ブルーノートの初期にこの異色のアルバムは誕生した。
リーダー、ピアニストは、ドイツのライプツィヒ出身の女流「ユタ・ヒップ」で、それを白人テナーの名人「ズート・シムズ」がフォローして行くアルバムで、およそブルー・ノートらしくはない。
どちらかと言うと、ヴァーヴやパシフィックなんかに近いサウンド&演奏です。
しかし演奏は、品が良く、適度に寛いだクインテット編成になっていて、バリバリの激しいジャズ演奏とは違いますが、こう言うジャズもたまには良いもんです。

さて、詳細の解説です。

アルバムタイトル…ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ

パーソネル…リーダー;ユタ・ヒップ(p)
      ズート・シムズ(ts)
      ジェリー・ロイド(tp)
      アーメド・アブダル・マリク(b)
      エド・シグペン(ds)

曲目…1.ジャスト・ブルース、2.コートにすみれを、3.ダウン・ホーム、4.オールモスト・ライク・ビーイング・イン・ラヴ、5.ウィー・ドット、6.トゥー・クロース・フォー・コンフォート

1956年7月28日録音

演奏について…お薦め曲は、まず2曲目のスタンダード「コートにすみれを」は、ユタ・ヒップのユーロセンスの品の良いピアノに、これまたズートの品の良いテナーが見事にかみ合い、寛ぎの中にそれぞれがセンスあるアドリブを演じて、とても良い仕上がりの1曲になっている。

同様に、スタンダードの4曲目「オールモスト~」は、上記の二人に加えてトランペットのロイドも、お上品でしゃれたアドリブを演って、この3人のコラボがクインテットの醍醐味を味合わせる。
バックの二人は3人を煽らずにタイム・キーピングに終始するが、スイング感は失わず、影の力持ちに徹していて、好感が持てる。

5曲目「ウィー・ドット」は、2管編成の良い部分を見せつける演奏で、ズートもちょい力を入れたソロを吹き、ロイドもズートに触発されて、ちょいやりあう。
ここでユタ・ヒップはややコードを崩して、変則の抑えて冴えたブロックコードを弾き、2管にアクセントをつける。

オープニング曲「ジャスト~」は、ズート作のブルースだが、どろどろしない、さらりとした白人ブルースには、お洒落なユタのピアノがとても良く合う。

6曲目「トゥー~」も3人の絡みがとてもセンス良く感じる演奏で、ユタの「レニー・トリスターノ」を感じさせるシングルトーンと、余裕と寛ぎで吹き廻すズートに、聴いている者を上手いと思わせる、ロイドのハーモニー的アドリブも素晴らしいの一言です。

デイブ・ブルーベック・カルテット・アット・カーネギー・ホール

2007-05-04 20:04:17 | ジャズ・ピアノ・コンボ
デイブ・ブルーベックのカーネギー・ホールにおける歴史的コンサートのライブアルバムで、彼の代表作。
メンバーは最盛期のデイブ・ブルーベック・カルテットで、最高のパフォーマンスを形成する。
演奏曲12曲も彼等のライフワークのベスト盤みたいな物で、言うことなし。

アルバムタイトル…デイブ・ブルーベック・カルテット・アット・カーネギー・ホール

パーソネル…リーダー;デイブ・ブルーベック(p)
      ポール・デズモンド(as)
      ジーン・ライト(b)
      ジョー・モレロ(ds)

曲目…DISC1…1.セントルイス・ブルース、2.ボサ・ノヴァ・USA、3.フォー・オール・ウィ・ノウ、4.ペニーズ・フロム・ヘヴン、5.サザン・シーン、6.スリー・トゥ・ゲット・レディ
   DISC2…1.イレヴン・フォア、2.一日だけの王様、3.キャスティリアン・ドラムス1&2、4.イッツ・ア・ラギー・ワルツ、5.トルコ風ブルー・ロンド、6.テイク・ファイヴ

1963年2月22日 カーネギー・ホールにてライブ録音

演奏について…DISC1の冒頭の「セントルイス~」から一気に聴衆の気持ちを高揚させ、このカルテットの世界へと誘う。
元来、この曲はいかにも黒人好みの楽曲だが、ここでの演奏は黒人っぽくも白人っぽくも無く、中庸の美学がある。
2曲目の「ボサ~」は一曲目からガツンと演った聴衆を、更にラテンで追い討ちをかける。モレロの自作だけに彼のドラミングはこと更素晴らしい。
3曲目はここで4ビートのスタンダードで少し聴衆を落ち着かせるが、ブルーベックの珍しい間の取り方とブロックコードがとても個性的で、不思議な魅力に引きつられる。
4曲目はデズモンドのソロが魅力的で、5曲目はブルーベックの寛ぎのピアノが聴き物であり、6曲目はいかにも白人らしい、ブルーベックお得意の変拍子作品で前半の幕を閉じる。

DISC2では、まず変拍子のデズモンド作品から再開するが、短い曲だがデズモンドはともかく、ここでもモレロのドラミングが特筆もの。
2曲目「1日~」では、ベース奏者「ジーン・ライト」がフィーチャーされていて、このコンボが3人の有名所のバンドでは無いことを強烈に主張する。
ライトのベースは骨太だが、タイトに締まっており、男らしいサウンドで非常に好感が持てる。
3曲目「キャスティリアン~」はこのアルバム演奏中1、2を争う名演。
モレロに触発されたのか、ここでは珍しくブルーベックがいきり立ち、主役モレロはさらに自己を鼓舞するかのように変幻自在のドラムを奏でる。
しかし、モレロはブレイキーやエルヴィンのような爆裂ドラムは奏でず、非常にインテリジェックでいかにもこのコンボのドラムスと言った所が逆に個性的だ。
4曲目は、またまた楽しくてくつろぎのジャズ・ワルツで一息入れる。
そして5曲目「トルコ風~」が、このアルバム中白眉の一曲で、大お薦めです。
ブルーベックとデズモンドの絡み合うハーモニーがこのコンボを究極の高みへと飛翔させる。
統率が取れているのに、どこかクラシックの現代曲のようなクールさがあり、その中にジャズのエッセンスがちりばめてあり、ブルーベック・ワールド全開!と言ったら分かり易いかなぁ。
アンコールは彼等の代名詞「テイク・ファイヴ」で、これは説明不要でしょう。
ブルーベックが作ったジャズ史上不滅の名曲だ。

最後に、このアルバム全体から感じるのだが、リーダー;ブルーベック、影のリーダー;デズモンドの二人の演奏が素晴らしいのは当然だが、このコンボの本当のリーダーは実は「モレロ」だと断言したい。
学者肌で、無骨なピアニストの「ブルーベック」と、流麗でいかにも白人アルティストの代表のような「デズモンド」を、時には激しく、時には非常に繊細に、曲によって硬軟を使い分けて、二人を強烈にドライブしているのが、全編に聴かれるモレロのドラムスである。

今日はいつもの軽いノリの、ピアノトリオ+1です。ガーランド~ロジョ

2007-05-02 23:35:17 | ジャズ・ピアノ・コンボ
昨日は、クラシックレコードの最終兵器のようなアルバムを紹介しちゃったから、今日は軽いノリのラテンジャズで行きましょう。って思いこのアルバムを紹介しましょう。
でも聴いてみると、実はそんなに軽くはなくて、とてもセンスの良いアーバンなアルバムなんですよ。

アルバムタイトル…ロジョ

パーソネル…リーダー;レッド・ガーランド(p)
      ジョージ・ジョイナー(b)
      チャリー・パーシップ(ds)
      レイ・バレット(conga)

曲目…1.ロジョ、2.ウィ・キス・イン・ア・シャドウ、3.ダーリン・ジュ・ヴゼム・ボクゥ、4.ラルフ・J.グリーソン・ブルース、5.ユー・ベター・ゴー・ナウ、6.ミスター・ワンダフル

1958年8月22日録音

演奏(曲)について…最高にお薦めはやはりバレットが参加している、ピアノトリオ+1のコンガ入りの曲だが、純粋なピアノトリオで演るスタンダードの2曲目「ウィ~」等も非常にロマンティックで洒落た演奏なのでこちらも実は捨て難い。

まぁ色々と悩むが、ベスト1はやはりタイトル曲「ロジョ」になるのかなぁ。
ガーランドのオリジナル作曲でもあるし、ガーランドとバレットとのコラボ演奏もとてもファンキーでブルージーなのだが、どこかクールな一部分で客観的に演奏をしているもう一人のバレットがいて、実は陰ながら3人をコンダクトしていてとてもハイセンスな演奏である。

3曲目「ダーリン~」と4曲目「ラルフ~」は真面目にピアノトリオ+コンガの演奏だと、激しく言いたい。
バレットはバック(リズムセクション)の一部として、ガーランドを盛り上げており、彼のピアノのアクセントにこそなりはすれ、決して邪魔をしてはいない。
何かガーランドの場合は、コンガ入りのピアノトリオ(ピアノカルテットの方が正しいよね?)の方が自然に感じるくらい4人は演奏曲に同化している。
そしてこのカルテットのもう一人の影の主役は、ベースのジョイナーだと思える。
非常に引き締まった音色で、このカルテットの演奏を、バレットと共々にとてもタイトに、そしてシャープに仕上げており、ラテン調なのだがとても都会的な演奏にしている。

コンガ入りのピアノトリオ(カルテット)はとてもセンスが良いですよ。

ホレス・パーラン~ヘディン・サウス

2007-04-16 22:53:56 | ジャズ・ピアノ・コンボ
今日は飛切りファンキーなアルバムを紹介しましょう。

今日紹介のピアニストの「パーラン」は生まれつき小児麻痺のため、右手が不自由だったのですが、独特の左の使い方とグルーヴィーな乗りで、ブルーノートでは隠れたファンを多く持っています。
このアルバムは、ピアノトリオ+コンガと言う楽器編成で、ラテンの薫り高く、ノリノリの、「隠れ名盤」です。
是非聴いて楽しんでいただきたいです。

アルバムタイトル…「ヘディン・サウス」

パーソネル…リーダー;ホレス・パーラン(p)
      ジョージ・タッカー(b)
      アル・ヘアウッド(ds)
      レイ・バレット(conga)

1960年12月6日録音

曲目…1.ヘディン・サウス、2.ザ・ソング・イズ・エンデッド、3.サマータイム、4.ロー・ダウン、5.コンガレグレ、6.プレリュード・トゥ・ア・キス、7.ジム・ラヴズ・スー、8.マイ・マザーズ・アイズ

演奏(曲)について…まず、お薦め曲ですが、ファンキーでメロディアスな2曲目「ザ・ソング~」は、マイナー調大好きの私には、個人的にgoodです。
それから、タッカーのボウイングが素晴らしい、名曲「サマー・タイム」が、とても感動的です。
名物トリオプラス1で参加の「バレット」の自作自演「コンガグレ」はマジで、コンガをフューチャーしたバレットの名演とパーランのノリでとても楽しいです。
パーラン作曲の「ヘディン~」は逆にそのバレットとの競演が良いし、4曲目「ロー・ダウン」は、真面目でスピリチュアルなブルースです。
6曲目のエリントン・ナンバーはピアノ・トリオでのバラッド演奏が渋い!

さりげなく渋い、そして楽しい名盤、「ヘディン・サウス」を堪能してチョ!!

名盤ですよ!ハービー・ハンコック~「スピーク・ライク・ア・チャイルド」

2007-03-05 23:52:20 | ジャズ・ピアノ・コンボ
今日紹介のアルバムは名実ともに名盤です。

アルバムタイトル名…「スピーク・ライク・ア・チャイルド」

パーソネル…リーダー;ハービー・ハンコック(p)
      ロン・カーター(b)
      ミッキー・ローカー(ds)
      サド・ジョーンズ(flh)
      ピーター・フィリップス(b-tb)
      ジェリー・ドジオン(a-fl)

曲目…1.ライオット、2.スピーク・ライク・ア・チャイルド、3.ファースト・トリップ、4.トイズ、、5.グッドバイ・トゥ・チャイルドフッド、6.ザ・ソーサラー

録音1968年3月5、6日 ☆39年前の今日ですね。

演奏について解説を…1曲目のライオット、いかにもこの時代のモーダルな名演です。マイルス・クインテットの「ネフェルティティ」でも演奏されています。
2曲目のアルバム・タイトルもモーダルな演奏ですが、これはリズムにボサノヴァを使用していて、ハービーのセンスが光っています。
この2曲がトップヘヴィで特に素晴らしいですが、3曲目&6曲目がハービーのピアノを前面に押し出した、正統的な4ビートジャズ。
4&5曲目はブラスアンサンブルを加えた幻想的な演奏と、言うことなしのアルバムです。

PS…ジャケットもハイ・センスですね。



ジョージ・シアリング~バードランドの子守唄

2007-03-03 23:49:59 | ジャズ・ピアノ・コンボ
クールサウンドジャズの元祖、ジョージ・シアリングのバードランドの子守唄を紹介しましょう。

ところで、コレクションが増大してから、今日生まれて初めて?自分のCD(LP)の収集枚数を大雑把ではありますが、数えて見ました。
ジャズが約1200枚、クラシックが約800枚、ラテン、ポップス、ロック、J-POPが合わせて約500枚でした。
合わせて2500枚オーバーって所です。
先日、読売新聞の某記事で、仕事リタイア後、ジャズ喫茶の親父になりたい(或いはなった)人の特集がありました。
その記事には、ジャズ喫茶を始めるのに必要なジャズソフト枚数は、最低限度でも1500枚との事でした。うぅーん、私は未だ無理か!残念!
まぁ但し、私のジャズアルバムはかなり偏った収集なので、改善の余地は充分にありますぜ。
まず、フュージョンが殆ど無い!(精々50枚くらいか?)それから、ボーカルが少ない(150枚も無いだろう)また、フリージャズ系も少ない(これも100枚は無いだろう)それと邦人アーチストも少ない(これも50枚程度かなぁ)
つまり、ハードバップからモードジャズが、レーベルで言うと、プレステッジ、リバーサイド、米コロンビア、インパルス、ブルーノート、アトランティックあたりが圧倒的に多いので有る。
将来、ジャズ喫茶をやるかどうかは分からないが、この辺のウィークポイントを強化すれば、充分出来る可能性はありそうだ。
ただ、私的にロックを演った電気マイルスとか、あまり買う気にならないのが一寸気がかりだね…。

さて、今日のアルバムを紹介しよう。

アルバムタイトル名…バードランドの子守唄

パーソネル…リーダー;ジョージ・シアリング(ピアノ)
      ドン・エリオット(ヴァイブ) 
      チャック・ウェイン(ギター)
      ジョン・レヴィ(ベース)
      デンジル・ベスト(ドラムス)
☆シアリング以外は多少曲によって入替わりがあります。

曲目…全16曲
   1.バードランドの子守唄、2.アイル・ネヴァー・スマイル・アゲイン、3.アイ・リメンバー・ユー、4.マイ・サイレント・ラヴ、5.みな笑った、6.ルーズ・リーフ、7.マイノレーション、8.ミッドナイト・ムード、9.シンプリシティ、10.オーヴァー・ザ・レインボウ、11.ハウ・ハイ・ザ・ムーン、12.ホエン・ライツ・アー・ロウ、13.ベイシック・イングリッシュ、14.アイ・ヒアー・ア・ラプソディ、15.アンディサイデッド、16.バードランドの子守唄

推薦曲は、やはりアルバムタイトル曲のバードランド~(1&16曲)が最高です。
後は、2,3,4曲目はいかにもシアリングらしいアプローチ(ワンパターンとも取れますが)から、粋な演奏であり、7,8曲目も良いですね。
後は、13曲目が以外に硬派?な演奏で面白いですよ。

シェリフ~「モダン・ジャズ・カルテット」

2007-02-28 23:09:56 | ジャズ・ピアノ・コンボ
この前、ジョン・ルイスを紹介したので、今日はルイスの本体とも言える、モダン・ジャズ・カルテットの好アルバム「シェリフ」をお送りします。

このアルバムは好アルバムですが、モダン・ジャズ・カルテット(以下MJQ)の代表作、有名盤では有りませんが、私好みの演奏が多いので選びました。

MJQパーソネルについて
ジョン・ルイス(p)、ミルト・ジャクソン(vib)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)の4人です。

ジャズでありながら、クラシックの室内楽の様な、小粋でライトなジャズを演るグループです。
中核を成すのが、バッハに傾倒しているクラシック的ピアニストの、ジョン・ルイスと、ブルースに傾倒し、ファンキーなミルトのバイブが水と油ではなく、心地よい調和・融合を見せて、聴くものを和ませるのです。

曲目…1.シェリフ、2.インナ・クラウド、3.バチアナス・ブラジリア、4.ミーン・トゥ・ミー、5.ナチュラル・アフェクション、6.ドニーのテーマ、7.カーニヴァル(黒いオルフェ)

演奏曲の解説を…私の一押しは、このブログの名前(紫のオルフェ)の由来の曲である、7曲目のカーニヴァル(黒いオルフェ)と、ブラジルのバッハ(ヴィラ=ロボス作)の3曲目が双璧です。
次いで、ライトなボサ・ノヴァの5曲目はルイスのピアノが秀逸、スタンダードの4曲目は、このアルバム中最もMJQらしい名演で、特にミルトが乗っています。

いつも言うことが多いのですが、このアルバムも全曲駄演・駄曲がないので、みなさんにお薦めしたいですね。