CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

神戸市和田岬の私設遊園地「和楽園」に設置された国内初の本格的な水族館

2021年09月03日 05時36分34秒 | 神戸情報

市民のグラフ「こうべ」No.198(1989年4月)特集・新聞に見る神戸100年(上)

Page2に和田岬の私設遊園地「和楽園」の開業広告が掲載されていました。

上の写真が又新日報 明治23年(1890)5月2日付けの記事で和楽園が明治23年5月3日に

開業式が行われ同年5月4日より開園営業されていることが判ります。

本ブログでは和楽園の敷地内に建設された日本初の本格的な水族館を中心に書いていきます。

 

水産総合研究センター図書資料デジタルアーカイブに和田岬の和楽園内にある水族館と

灯台、砲台の位置がわかる資料と水族館の建物及び付属設備に関する資料を見つけました。

詳細は第二回水産博覧会附属水族館報告

上の写真は和楽園の配置図です。水族館は右端のピンク色の部分です。

附属設備として機関室と貯水池があります。これらについて上述サイトで確認できます。

上の3枚の写真は水族館の断面図

上の写真は水族館の建物平面図です。水槽が30室あったことが判ります。

 

下記サイトで和楽園の水族館の建物写真を確認できます。

 スマスイ起源は120年前 水族館発祥の地・神戸 | おでかけトピック | 兵庫おでかけプラス | 神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)

 

和楽園水族館は明治30年(1897)、神戸の和田岬で行われた「第2回水産博覧会」に合わせて

生まれました。本格的なろ過槽設備などをを備えており、国内初の水族館として位置付けられている。

この水族園は博覧会期間(9月1日~11月30日)限定で、数カ月で閉鎖されてしまったという。

和楽園に設置された水族館を細かく分類して下記のように推移をしているとのサイト

がありますが、真偽や詳細は不明

 いけす料亭「和楽園」(明治24年)→「和田岬水族放養場」(明治28年)→

「和田岬水族館」(明治33年、第二回水産博覧会)→「兵庫和楽園水族館」(明治35年)

以下この水族館を初代水族館とし現在の神戸市立 須磨海浜水族園(5代目)までの歴史を辿ります。

再開を望む声が多かった為、明治35年(1902)、湊川神社の境内に建物ごと移転を果たす。

2代目は「楠公さんの水族館」の愛称で約8年間親しまれたという。

3代目は昭和5年(1930)「神戸海港博覧会」を記念して湊川公園内に開設されたが、

第2次世界大戦の影響で閉鎖。建物も空襲によって焼失した。

4代目は昭和32年(1957)5月10日、須磨海岸にオープンした須磨水族館となります。

4代目の須磨水族館は昭和62年(1987)5月にいったん閉館し、2カ月後に現在の水族園が

5代目として再出発した。

詳細は下記サイトで確認してください。

 須磨海浜水族園の歴史 | スマスイミュージアムデジタルアーカイブ (kobe-sumasui.jp)
 

上の写真は和楽園の標本陳列館の建物(右手)を中心としたものです。

出典:神戸市立博物館編 神戸はじめ物語展 図録 (1987)Page36

上の写真は和楽園内の水族館は写っていませんが和田岬灯台と砲台跡が写ったもの

大阪市立博物館蔵 明治23年(1890)頃の写真

出典:神戸市立博物館編 神戸はじめ物語展 図録 (1987)Page36

上の写真は和楽園の遠景 砲台跡、灯台の他に正門、事務所、荷鮮所、正門、標本陳列館

などが描かれています。また、松の木が多く植えられています。

水族館はこの絵には描かれていません。右手の方にありました。

出典:須磨に移転された赤灯台(旧和田岬灯台)の現地説明伊板

 関連ブログ:旧和田岬灯台(赤灯台)いつから白から赤に塗り替えられたか? - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)

 

以上で初代の和楽園水族館の話題についての話を終了します。

突然ですが、下の写真は須磨水族館が昭和32年(1957)に開園したことを伝える毎日新聞

(昭和32年5月9日付け)の記事です。

 出典:市民のグラフ こうべ No.199 (1989年5月)Page12

 

話はまた変わります。

現在、建設が進められている新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業でアクアリウム

の建設が進められており、間もなくオープンする予定です。名称はアトア

①の施設がアトアです。

上の写真がアトアの拡大イメージ

デザインは日本で初めて和田岬に建設された和楽園(水族館)のイメージを想定

下記ブログで詳細を紹介しています。

 建設が進む新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業 on 2020-9-16 追記版 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)

 

átoa(アトア)基本情報
所在地:〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町7番2号
ホームページ:https://atoa-kobe.jp
オープン日:2021年10月29日
開館時間:10時―21時/年中無休
展示:生物 約100種3000点、アート約50点
運営会社:株式会社アクアメント

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする