23年前に観た地味な映画なんですが、私の中では忘れられない作品です。
監督は「小栗康平」さん。昨年紫綬褒章を受賞されました。
10年に1・2作品しか手掛けないという寡作な映画監督さんです。
主人公は在日の青年。
その恋人役として…当時二十歳(写真)だった、今や渡辺謙さんの奥様・南果歩さん。
彼女の役は、日本人の親に捨てられ、在日の養父と日本人の養母に育てられた少女の役でした。
自分を捨てた親を恨みながらも、在日の養父に対しても、日本人の養母に対しても、距離を持って見ています。
恋人の胸にすがって…
「いやぁ! 日本も、朝鮮もいやぁ!」と泣きじゃくる姿が切なかったです。
私は在日でも何でもありませんが、
アイデンティティが確立していないと、人間はこうも不安定なものなのかと、
痛感させられます。
それは、国籍に限らず、言えることです。