ちあの散歩道

輝いてアラカンヌ☆ありがとうの言葉を添えて暮らしのドアをそっと開けると今日も豊かな感動と新しい気づきが待っています。

気づかい

2012年02月13日 | 本など




野口昭子著『回想の野口晴哉・朴歯の下駄』(ちくま文庫)を読んでいたら、面白い記述を見つけました。
まあ、この本はどこを読んでもためになり、面白いのですが……。

それは「気づかい」という章の中にあります。
ある人へ電報を打つ時、電文を15文字以内に収めようとして、弟子が次のような電文を考えました。
「コノヒトハヨイトオモウ ノグチ」。
それを知った晴哉氏は、電文を持って電報を打ちに出た弟子を、別の弟子に追いかけさせます。
「オモウとオモイマスでは相手の受けた感じが違う。料金の問題じゃない」というのが晴哉氏の考え方です。
ああ、なるほどその通りですと、感じ入ってしまいました。

言葉とは不思議なもので、出す側と受け取る側に、ときに微妙な温度差を感じさせるものを持っています。
親しければこそ、相手に礼を尽くしたいし、言葉によって、その関係性が微妙に動くものでもあるようです。
「ありがとう」ではなく、「ありがとうございます」など、丁寧な言葉を使えるといいなと思います。

野口晴哉氏の本の中の「気づかい」という章。
どのページを開いても、私に言われているようで、なかなか先に進みません。


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