ちあの散歩道

輝いてアラカンヌ☆ありがとうの言葉を添えて暮らしのドアをそっと開けると今日も豊かな感動と新しい気づきが待っています。

『父を焼く』(上野朱著)

2010年11月10日 | 本など



Y子さんより書籍小包が届き、中には「父を焼く」(上野朱著・岩波書店)が入っていました。
「朱さんが届けてくれたけん、1冊送るけねぇ」とその前に電話があり、楽しみに待っていました。

私は上野英信さんのこともよくは知らないけれど、英信さんの奥さんで朱さんのお母さんの晴子さんが書かれた『キジバトの記』(裏山書房)は離せない愛読書の1冊です。過去に書いたこのブログ内の記事はこちら

『父を焼く』にもたびたび登場する山本作兵衛さんの絵は2009年に目黒美術館で行われた「‘文化’資源としての<炭鉱>展」を観ていたのでその展示を思い出しながらその関係性があらためてよく理解できました。
随所に散りばめられた記録文学者である父英信の思い出と父母を取り巻く状況をを綴った文はどれも当時の炭住での生活の一端が伺え、素敵でしっとりと輝いていました。

それにしてもこの本のタイトル『父を焼く』はドキリとする衝撃的な言葉が詩的に醸出されていて心にくいですね。
上野英信という偉大な父を持った一人息子の朱さんは父の名に屈することなくのびやかな書き手となって私たちを唸らせています。



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