渓流で逢いましょう 
フライフィッシングつれづれ日記
 



誰にでも生きていくには理由が必要なのかもしれない

たとえばそれがどんなに歪んでいたとしても
他人から見れば利己的でも
誰にも見つからないように
心の中の隠し部屋に大切にしまいこんでいる

生きていくための動機
不純という名の純粋な塊

時折取り出しては
手のひらに痛いほど強く握り締めて
生きているんだと一瞬実感する

他人に見つかれば
理解してもらえないことかもしれない
でも紛れも無く今の自分を支えている背骨

せめて誰にも見つからないように
誰も傷つけないようにと
部屋の隅で背中を丸めて
胸の前で抱えるように
ひたすら強く握り締めて
そして深くため息をついて
また胸の奥にしまい込んでいるんでしょ?

きっと握り締めるたびに
歪な角が手のひらを深く傷つけても
声を出さないように唇を強く噛んで
痛みをこらえている・・

渓魚が命を賭しても源流を目指すように
他を排除しても次世代に自分を繋ぎ止めようとするような
そんな純粋な不純

ボクだってきっと持ってる
誰だってきっと持っている






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