渓流で逢いましょう 
フライフィッシングつれづれ日記
 



雪は粗方融けてしまったが
ここのところ朝は随分冷えるようになってきた
今朝は晴れて霜が降りた
7時ころ東の稜線から上がってきた今日のお日様にあてられて
キラキラと光ってスグに融けてしまった




今日屋根の上に上がって冬支度していると、地上から母親が僕の名前を叫ぶ

何事かと思ったら家の庭の紫陽花の下で子猫が死んでいるというのだ
降りてきて埋めてやって欲しいというのでちょっと待っているように伝えた

ようやく降りてその場所に向かうと死んだ子猫は既に嫁と母親で
庭の小さな梅の木のしたに埋葬した後だった

そういえば、ここのところ敷地の中を歩いている小さな可愛らしい猫がいたっけ

母親は紫陽花の枝が雪で折れないようにと結わえているときに見つけたらしい

死んでから差ほど時間もたっていなかったらしく
亡骸は眠ったようにキレイだったとか
綿のバスタオルに包んで土の中に帰してあげた
10年前に死んだ犬の横 

病気だったのか急に冷え込んで弱ったか
飢えて死んだのか
小さな子猫が最後に選んだのは我が家の色褪せた紫陽花の葉の下だった

母親は、最近よく見かけるので、これから寒くなるから可愛そうに思って
家で飼おうかと思ったらしいが
すでに4匹も猫がいる我が家ではと思って言い出さなかったらしい

たしかにこれ以上猫が増えても困ってしまうといえば困ってしまう


外で暮らす猫たちの平均寿命は3年に満たないとか
それほど外の環境は厳しいのだ



そんなことも知らずに我が家の猫たちは今日も窓の外へと脱走を画策する
僕は必死に阻止する

たとえ怪我をしようが今日食べるものが無かろうが
猫たちは外でで暮らすのが幸せなのかもしれない
外に出さずにいることは人間のエゴなのかもしれない

でも我が家の猫たちは脱走しても必ず帰ってくる
猫たちは自由を求めながらも暖かい寝床とお腹いっぱいの食事も欲しがっているんだ

猫も人間も都合よく生きて行きたいというのが本音だろう

人の世の自由の裏にはかならず不自由が付きまとう
自由を得るためには不自由を負う事でしかバランスが取れない
実はそれは本当の自由ではなく、自分にとって都合の良いことだけを自由と言う言葉に置き換えているだけなんだ
沢山の不自由との代償にほんの少し自由を得たような気持ちになっているだけなんだ
本当の意味の自由なんて無人島にでも行かなければ得られないし
誰も本気でそんなことは望んではない
守られた環境の中で自由を得たいと言うことは本当は矛盾していると気が付く

完全な自由は全くの孤独の中にしか得られない
たった一つの自分の生きる今を自分で選択すると言う自由
その周りにあるのは数限りない不自由

子猫は自由と言う不自由の中で自由を全うしたのだ
それが子猫が望んでいたことなのかどうかは僕には分からないが

暖かい部屋の中で食べるものに事欠かない我が家の猫たちは
不自由と言う足かせのかわりに死んだ子猫が得られなかった安堵を手にしているんだと思いたい

それでも猫たちは窓の外をうらやましそうに覗き込む
窓の外にはワクワクするような無限の自由が広がっているように見えるもんな。


















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