無知の涙

おじさんの独り言

学生じゃありませんよ

2010年11月17日 | 日常

東京行きの新幹線に乗り込む。

つくづく不思議なのだが、
行きも帰りも本当に混む。

行きなんて指定席は売り切れ、
自由席も座れないほどで、
おかげで1時間デッキで
立ちっぱなしで本読むハメに。

帰りは指定席取れたので、
新幹線に乗り込み、
指定された座席に向かうと、
隣の席におばあちゃんが座っている。

いかにも人の良さそうな、
優しい感じのおばあちゃんである。

一礼しておばあちゃんの隣に着席。

バッグから本を取り出して読もうとすると、

「今朝は寒かったですか?軽井沢は」
とおばあちゃん。

「ええ、寒かったですね」と僕。
朝からいたわけではないけど。

「軽井沢に遊びにいらっしゃったんですか」

「いえ、仕事です」
いや、作業服だし。

「あらぁ、そうですか。お若いので学生さんかと思いました」

まさか。
こんな老けた学生いたら事件だよ。
老け顔選手権で世界一の栄冠に輝けるよ。

おばあちゃんは東京になにしに行くんだろう。
孫の顔でも見に行くのだろうか。
東京駅で迷わないだろうか。
あまり目が良さそうではないし。
荷物は重くないだろうか。

いろいろ気になったが、
初対面の女性にアレコレ話かけられるほど、
僕は社交性に富んでないのだ。

バッグから村上春樹訳の
ロンググッバイを取り出し、
ただ読みふける。
新幹線が東京駅に到着するまで。

 

 

 


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