無知の涙

おじさんの独り言

裁判員に異義あり!(改稿)

2008年11月13日 | まじめ

以前に逆転裁判の記事を書いてから、
逆転裁判1逆転裁判2逆転裁判4 をクリアしてしまい、
ちょっと寂しい感じです。

1、2はさすがに何度もプレイして覚えていますから
アッサリとクリアしましたが、4はちょっと難しかった

初期プレイの方がサッサとクリアできたような。

その記事の最後にちょっとだけ触れました裁判員制度
来月には第1回目の通知が選ばれた人のもとに届くとか。

ニュースでシミュレーションをやってました。

裁判員は6人ほどで、弁護士3人が裁判官役。
基本的に全員が同じ判決になるまで審理されるそうです。

事件の内容は、
酔うといつも暴力を振るう酒グセの悪い兄を、
弟が殺害してしまう、というもの。


弟は暴れる兄の足をガムテープで固定し、
兄の体を俯せにして、顔を枕に押し付けたのである、
息の根が止まるまで。

無罪か?
有罪か?


争点となるポイントは、弟に殺意があったか?

なお、兄の後頭部には、弟に顔を押し付けられた際に、
その圧力によって出来た傷が発見されている。
頭皮が弟のツメでめくれ上がっていたのだ。

被告(弟)の証言
・兄は酔うと乱暴をする
・植木鉢を投げ付けられたので、足の自由を奪った
・枕に顔を押し付けるのは、いつもやってる事だった。
  暴れる兄を寝かしつける為に。

この時点での裁判員の評決は、
有罪2
無罪4


ちなみに僕も有罪。

枕に顔を押し付けている時点で、
兄はいつでも窒息する状態にあった。
もし本当に毎回枕に顔を押し付けてるのであれば、
たまたま死に至ったのが今回の事件であったということ。

いつでも死ぬ危険はあったし、いつでも殺す気はあったのだ。

意見が一致するまで審理は行われるので続行。

しかし、最初から証拠の少ない上に
新しい証拠が出てくる訳でもないので、
審理は平行線である。

ここで一つのポイントが。
弟が兄の顔を枕に押し付ける力の強さを物語る兄の頭皮傷。

それは弟の殺意を表す証拠ではないのか?

だけど何故そこまで力を入れ続けなければならなかったのか?
そこで明らかになる一つの事実。

兄はかなり弟に対して抵抗したようで、
力を弱めると頭突きをしてきたという。

ここで
有罪1
無罪5

そして裁判官役である弁護士から一言。

疑わしきは被告の利益に
なんかそんなような発言。

要するに白黒の判断できない場合は、
被告の有利に解釈する考え方があるそうだ。
ここで満場一致の無罪判決。

そうなのか?
本当にそうなのか?

窒息させられそうになってる人間が、
無我夢中で抵抗しているのを、
それ以上の力で押さえ込みのは殺意じゃないのか?

僕だって枕に顔を押し付けられて窒息しそうになったら、
頭突きでもなんでもするよ。
ただ、弟の顔面にそんなに威力のある頭突きはできないだろうが。



反発する力を、それ以上の力で押さえ付ける。
これは相当な力である。

それこそが被告の殺意の証拠じゃないの?
植木鉢も投げ付けられている。
頭に血が昇って、今日こそは殺してやろうと思ったのかもしれない。

それに頭突きをしてきたというのは単に被告の証言で、
ケガの跡もなければ、証拠もない。

最後の焦点になったのは、
頭突きをしてきた、
頭突きをされると相当に痛い、
だから被告は恐ろしいまでの力で兄を押さえ付ける必要があったのだ、
という部分。

証拠ないじゃん。
頭突きをした証拠が。
被害者の体勢を考えると、どうも不可解なのだ。
どうやって頭突きをするのか?

でも意見が一致してしまったので終わり。
恐ろしいことに、状況証拠だけで審理されてしまったのだ。

感情論で言えば、被告にはとても同情する。
酒乱の身内を持つ苦悩というのは、
味わった者しか分からない。

あの恐怖は確かに自己の防衛本能を最大に高める。
殺意だって沸く。

だが、酒乱の人間を無力化するのならば、
布団に俯せで押し付けるだけで済む。
枕は必要ないのだ。

窒息して死んでしまう可能性を発生させた時点で、
それは紛れも無い殺意だ。
と、僕は最後まで有罪の意見を変えるコトができなかった。

このシミュレーション、全部て16グループで行われたらしく、
無罪14グループ
有罪1グループ
裁決できず1グループ
という結果だったそうです。

市民に裁決を委ねるのは、
市民には良心があるから、
と裁判員制度に関わった人物が言っていたが、

必要なのは良心ではなく、
真実を見抜くことだと思うのですが。

裁判員の通知が来たら、
とりあえず断ろうと思います。

あまりに無駄だから。


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