無知の涙

おじさんの独り言

Wデート3

2009年02月27日 | 思い出

あらすじ
Wデートなのに、まだ目的地にも着いてないのに、
猛ダッシュですれ違う4人。

そして思ったより長くなってメンドくさくなってきた!

 

会ってから1時間も経たないうちに、既に半死半生の3人。
それをよそに1人盛り上がるW。

W、お前だけでも生きてくれ!

全く希望はないのだろうが、僕はそんな捨て身の心意気で
Wを応援することに決めた。 もうヤケクソである。

相変わらず歩み寄ろうとしないA子と、
遺言かのようにポツリポツリと会話しながら目的地へ向かう。

そしてようやく映画館に到着した。

着いた!早く観よう!さぁ観よう!!
映画が始まっちまえば、とりあえず会話の無さに苦悩する必要はない。

そしてMとA子が何を観るのか相談する。

M「ねー何にする?」
A子「そーだねー、なんか感動的な映画がいいねー」

さんざん時間かけて選んだのが、

バットマン!

なんで!?
うん、まぁ、いいけど!
この際バットでもグローブなんでもいいさ。
もうなんなら、ただのオッサンでもいいよ

ほれほれ、決まったら立ち止まらない!
さっさと行く、ホラ!

気を急かして受け付けに行く。

代金を払おうとした瞬間、僕は凍り付いた
隣にいたA子が受け付けをスルーして進んでゆく。
完全に金を払う気ないのである。

Wは笑顔でMの分のチケットを買い、渡していやがる。

こっ・・お、落ち着け。怒るな!
耐えろ、俺。

そうだ、今日の晩ゴハンはハンバーグだって言ってたな!
頑張れ、これが終わればハンバーグが待ってるんだ!
もう誰の為でもないよ、ハンバーグの為にガンバレ!キャッホーイ!

ワケの分からない現実逃避をしながら、
A子のぶんのチケットを購入し、A子に渡す。

たぶん僕の顔は泣き笑いの表情だっただろう。

はぁ、疲れた。なんだこの疲労感は。
映画が始まったら寝よう。

ジュースさえ買わずに館内に入ろうとするが、
WがMにジュースを買い与えてる。

ちょっ、もー!オメェよぉぉ!
もー余計なコトすんなや!
ほら!A子が見てる!
私には?的な目で俺を見ている。

な、なんだ、このプレッシャーは。

「ハハハ!なんか飲む?」プレッシャーに負ける男。

「ペプシ」とA子。

ペプシ?
思春期の乙女が男にペプシ頼むか?

僕だって夏祭りの時くらいしか飲まないよ。
まぁ、いいけどね!

そしてに入って愕然とする。
なんと満席。
おもっきし立ち見。

立ち見で映画見たのは後にも先にもそれだけ。

すごい人気。
いやがおうでも期待してしまう。

そうさ!!コレでオモシロければ、
僕は今日起こったコトの全てを赦し、受け入れよう。
そして笑顔で帰ろう、あのハンバーグの元へ。

そうして映画が始まったが、これが

ん。

もう、ひどい。
これなら、ただのオッサンの方がオモシロいよ。

3000円だして入って、ペプシ買わされて、
2時間立ち見で、あげくオモシロくない!

あ、イテ!
イテテテテテ。
心が痛い。

つづく


Wデート2

2009年02月25日 | 思い出

あらすじ
WがWデートしたいとか言い出してテラワロスWWW

 

当日、地元の駅に9時集合。

Wと僕とM、そして

「A子です」

 

誰!?
見たコトもないヒト来ちゃった!
てっきりクラスメイトの誰かを連れて来るのかと思った。

僕はMに(説明をしろよ、というか、少なくとも紹介はしろ)
的な視線を投げかける。

「あ、A子ちゃんとは小学校一緒だったの。
中学でバラバラになっちゃったけど!ねー

ねー、じゃねーよ。
っつーことは、俺達にとっては赤の他人じゃねーか。

何故わざわざ不確定要素を投入するんだ。

だがあまりウダウダ言うと、
せっかく来てくれたA子さんに失礼なので、

「ハハハ!!そう!」とアホみたいなノリでやり過ごす。

そして訪れる思い空気。

で?みたいな空気が4人を取り巻く。

僕は戸惑った。
普通にどうしたらいいのか分からないのだ。
知ってるクラスメイトなら4人で適当にワイワイやろうか、
と思っていたが、A子の出現で完全に計算が狂った。

そもそもシングルデートさえしたコトない男2人が、
ダブルもトリプルもないのである。

とにかく電車に乗る。
田舎なので、映画館まで電車で30分かかる。

電車の中では、MとA子が楽しそうに話し、
かたや僕とWはパニックである。

「お、お前もっと盛り上げろ」
「なに言ってんだ、言い出したのはオメーだろ!」

完全に火を初めて見る原始人状態である。

目的地の駅に到着し、さらに駅から20分ほど歩く。
ここでWが動く。
前を歩いていたMの横に行って、何やら会話をし始めた。

なにィィィ!
友達を捨てたか!
コイツ、友人よりも女に走るタイプだ。

自然にA子さんはハジカレ、僕の隣へ。
えぇぇえ!
ひょんなトコから今日初めて会うことになった、
共通点も何もない女の子と何を話せと?

「ハハハ!」と僕はまたアホみたいに笑ってみる。
完全に軽薄なアホ男である。

共通点のない見知らぬ人との会話は、
昔から天気の話題と決まっている。

今日は晴れてるねー、から始まり、
なぜ空に雲ができるのか、というトコまで話しを発展させてみたが、
A子はまるで食いつかない。

そんなA子に対して僕は腹を立てた。
(おいよぉ~、もちっと歩み寄ろうよ)

いたたまれなくなって、
目の前で喋りまくっているWを睨む。

だが!Wに話しかけられているMの目が死んでる

おいおい・・・このWデート、
いったい誰が得をするんだ?



っつーか、もはやWデートではないよな。

なんか悲しくなってきた。

つづく


Wデート

2009年02月24日 | 思い出

洋画ギライは何も食わず嫌いをしてるワケではなく、
それなりのトラウマを積み重ねて今に至るのである。

今では邦画も見なくなり、映画館に足を運ぶこともなくなってしまったが。

そんなトラウマの第一歩は、中1の時でした。

友達のWが、好きな女の子と映画に行きたいが、
2人きりで映画に行くなんてコッパズカシイ、と言い出した。

Wの好きな子がMという女の子で、僕はMとは仲が良かった。

この時点で微妙に嫌な悪寒を感じ始めていたが、
悪寒な予感は的中するものである。

「そうだ、お前はMと仲良いし、ダブルデートしないか?」
とWが言い出した。

だぶるでーと?

「そう、俺とお前とMとMの友達で」

酒と泪と男と女か。
誰と誰がメインで、誰と誰がサブ?

微妙な問題を抱えつつ、Wが考案したWデート当日を迎えた。

つづく


怖い話し2

2008年11月07日 | 思い出

工事が始まってからというもの、
その奇妙さはより顕著でした。

工期がなかったので、夜間も工事していました。

もちろん施錠されている場所にも入らなければなりません。

このビルには管理室があり、24時間体制で管理人が一人詰めてます。
しかし何故か彼らは22時過ぎると一切姿を現さなくなります
呼び鈴を鳴らそうが、ドアを叩こうが、名前を呼び続けようが、
一切の応答をしなくなります。

それはまるで、何かに怯えているように思えました。

うん、でも無理はないな、と僕は思いました。

夜中に管理人が出歩かない限りは、
誰も行かないフロアにエレベーターが動いていたり。
でも管理人が部屋から出るハズないのだ。
こんな調子なのだから。

やれやれ、一体このビルは何だっていうんだ。


そして時はお盆になりました。
工事の方は休む事が出来ないので、
お盆も継続する事になりました。

だが職人さんがたいして集まらずに、
作業的にはたいしたことは出来ないので、
僕らは交代で休む事にしました。

お盆は僕が当番になり、いつものように出勤しました。

このビルは休日や祝日は閉鎖されてしまい
特別な手続きをしない限りはビルに入ることが出来ないようになっていました。

もちろんこの時期も基本的にビルは閉鎖されていました。

我々は工事用のゲートを作っていたので、そこから出入りしていたのです。

その日、普段どおりに出勤すると、
事務所前に人だかりが出来てザワザワしています。

「どうしたの?」
と僕は人だかりの一人に声をかけました。

その人はやや失笑ぎみに言いました。
「警備の人がさぁ、朝から騒いでるんだよ。 
 子供の声がするってさ」

子供?まさか。
入れるはずが無い。

でも仕事の時間も迫ってるし、
放っておくわけにもいかず、
僕はアチコチ走り回ってる警備員さんを呼び止めました。

「なに?どうしたの?」

警備員さんは必死な顔をして言いました。
「いえ、朝ここに来たときから、子供の声がするんです。 
 あちこち走り回ってるみたいで、捕まえられないんです」

・・・うーん。
よもや子供が入り込むワケないのだが、
その警備員さんも決して冗談でそんなコト言う人じゃないのである。

「とりあえず、仕事・・・」と僕が言ったところで、


おぎゃあああああああ!!!


という子供の、いや、赤ん坊の泣き声が聞こえたのです。
もうハッキリと。

いる!!ホントにいるんだ!!

ちょうど階段を上りきったところで話をしていて、
その下から声が聞こえてきました。

マズイ!と僕は思いました。
もうオバケとかそんなコトは考えもしなかった。

とにかく赤ん坊が下にいる、と。

捨て子?それとも母に何かあったのだろうか。

とにかく一刻も早く救出しないと!!
そして管理人を連れ出して、
開けられるドアを片っ端から開けてゆく。
赤ん坊が入るスペースは全て確認しました。
もう仕事どころではありません。

3時間ほどが過ぎました。
いないのです。
もう声もしない。

管理人さんは、やっぱり、というような感じで、
妙にこの事態について納得してました。

この世には理屈や理論では語れない、
不思議な世界があって、
常に僕らはその世界と隣り合わせで生きているのだ。
僕はふとそう思った。

だって今でもあの赤ん坊の泣き声を
ハッキリと思い出すことが出来るのですから。

もうちょっとだけ、つづく


怖い話しでもしますか。(改稿)

2008年11月06日 | 思い出

お盆ももう終わりですね。

お盆と言えば、この世を去った方々が、
帰世ラッシュすると言われている期間。

今もあなたの家のアソコやソコに
ちゃっかり座って北京オリンピックでも見てるかも。

中国行けばいいじゃんね。

そんな時期、やはりここは空気を読んで、
怖い話しをしようかと思います。

この話しは僕の体験した怖い系で最強です。

パチンコの慶次で言えば、
金系の予告→好機→キセル→ストーリー系
くらいのアツさ。

アツさ?

なので、怖い話しがダメな方や、
心臓の弱い方は自己責任でお願いします。

あと実際の話しなので、場所だとかは事実と変えています。

 

あれは6年前の夏…
とあるビルの改修工事をすることになりました。

僕はちょっと嫌でした。
何故かといえば、そのビルで自殺があった事を知っていたからです。

死因は書けませんが、かなり凄絶な死に方で、
当時はけっこう有名だったのです。

でも仕事なので断れないし、
当時は幽霊的なモノは理論的に有り得ないと決め付けていたので、
あまり気にしないようにしました。

だけど調査で建物に入った時になんとも不可解な違和感を感じました。
暗いのです。
照明はきちんとついてます。
なのに暗い。
視界が霞みかかるというか、なんかこうボヤけるのです。

不思議な感じがしました。

あと、やけに静かなのです。
テナントは入ってるし、
店舗だって入ってる。

なのに静まり返っている。
昼間から。
あまりにも物音がしないし、人の気配もないので、
誰もいないんじゃないか??
と思って確認しましたが、ちゃんといる。

そう、この建物に入ると、
五感に何らかの障害ないし影響があるのです。
どう考えても不可解なのですが。

でもまさか、そんなコトが起こり得るハズない。
目にしろ耳にしろ、何かしらの違和感を感じるなら、
それは僕の体調不良によるものであろう、と自らを納得させました。

工事の範囲としてはビル全体ではなく、1Fだけ。
1Fにはもともと店舗が入っていたのですが、入ってみてビックリ。

何かに荒らされたかのように店の中がガチャガチャ。
何かが暴れ回って、そのままの状態になってるような感じ。
そもそも撤退する時に物品は処分するだろう。
これじゃまるで何かから慌てて逃げ出したみたいじゃないか。

なんか気味悪いなぁ、と思いながらも、
仕事は着々と進んでゆきます。 

とりあえず事務所の準備をする事に。

どうやら1フロアまるまる空いているらしく
そのフロア全て貸してもらえる事に。

所長は大喜びでしたが、僕は全く喜べない。
自殺あったの絶対にここのフロアだよ・・・

机を運び入れていると、ビル清掃のおばちゃんがやって来ました。
僕が自分の机を配置しようとしてると、

「そこで死んだのよ・・・・血が落ちなくてねぇ」

うぉぉぉい!いいから!説明とかいいから!そっとしといて。

で、その引越しの最中に、ただの軽い机を持ち上げただけで、
何故かギックリ腰になってしまいました。
そんなの初体験です。

それ以来、腰痛持ち。

バタバタと工事が始まり、数日が経とうとした頃、
作業員さんたちの間で、奇妙な噂が流れ始めました。

鎧を着た男が立っていた、
刀を持った男が夜中になるとビルの中を徘徊する、
赤ん坊を抱えた女性を見た
などなど。

まぁ、ありがちな話しであり、ありがちな展開でした。
だいたいの人が、このビルで起こった自殺の話しを知ってましたから。

くだらねーと思い、僕は耳を貸しませんでした。

そして、ちょうど今くらいの、お盆の時期にそれは起こったのです。

つづく