ただ・たんに、「人間を肥大化させる
ためだけに 存在する」
としか 思えない、
「超超超・大盛り焼きそば」を
食べていて、
クリンは、先日、
しん(親)友のチット
が
よんでいた・本
のことを
思い出しました
『臣女(おみおんな)』っていう、2014年の
小説です。
「おみおんな」
というのは、
「巨女」(でっかい女)
のことで、
ある日をさかいに、4メートルをこす・巨体に
ぼうちょう(膨張)してしまった
つま(妻)
をさす
名称です。
・・・このつま(妻)、いったい
なぜ
ぼうちょう(膨張)したのか
というと・・
夫である・主人公の「浮気が発覚したから」
なのですが、
その理由自体が、まず・せつめい(説明)に
なっていないし、
それにつづく
せってい(設定)も、
「非現実的」で
ありえないのに、
ふしぎと、(そういうことも あるのかもな~・・)
と、
どく(読)者に りょうかい(諒解)させてしまう
作家さんの
力りょう(量)がすごい
作品です。
作者の、よしむらまんいち(吉村萬壱)さん
は、
この小説で
「第22回・島清恋愛文学賞」を お取りになっています
・・・それだけあって、
主人公の内面、
すなわち、
うわき(浮気)に至る・心のかてい(過程)
や、
それがバレた後の、つま(妻)への しょくざい(贖罪)
と
「浮気相手」にたいする・みれん(未練)、
さらに
一周回って
「妻への尽きぬ思い」
etc・・
が
丹念に 描かれ、
「悩める大人の、愛憎劇」としても、おもしろい お話に なっています
浮気夫への ふくしゅう(復讐)なのか
かなしみが 止まらない
からなのか
食べつづけて 巨大化する・つま(妻)
は、
ちょっと
病気(精神疾患)に かかった人を
思いおこさせ、
つらいのですが・・
まもなく、「心」のみならず、
「人間の形」
をも
失っていく
つま(妻)の すがたには、
生理的な
気もちわるさを おぼえる、
クリンたち・どくしゃ(読者)
です・・
そんな・つま(妻)を さいごまで
見捨てず
ウンチや ゲロに
まみれながら、
ひっし(必死)になって・お世話をする
主人公の夫
の
すがたは、
「介護問題」や「身内の病問題」に
直面している
全国の方々に、
深い・きょうかん(共感)を与えるのではないか
と
クリンは 思いました。
じこ(交通事故)で、死にかけた夫の 世話を
したことがある
しん(親)友の チットも、
「「角質化した皮膚が浮き上がって、掻くと剥がれて、ぼたん雪のような古皮がポロポロと舞い落ち・・」
って、
ここなんて、
まさに、10年以上たつ今でも 忘れられない、自分の記憶そのものだわ。。」
と
言っています。
「・・・まあ、吉村さんが
介護を実際に経験されたかどうかは・・
書き方が甘いし
ちょっと分からない部分が あるけど、
それでも、
このすさまじさは、
フィクションでは まず 味わえない領域だね
2019年に読んだ本では、ベスト1かもしれない」
と
しょうさん(称賛)しきりでした
「崩壊していく配偶者」に 対する、
他人には、決してわからない
あい(愛)
そして、
自分の中に 生まれる
ぐちゃぐちゃな思い・・
そんなの、その日が来るまで、
けいけん(経験)しないほうが
もちろん
いいのだけど、
「この本を 読めば、未経験者でも、そういう切羽詰まっていく思いを 追体験できる・・」
と
チットは
内容を せつめい(説明)しました。
「・・・ま~あ、そうは言っても、
この本を
去年のベスト1に 選んだ・真の理由はね、
実は
ちがうところにあるの
この主人公って、売れない小説家でも あるんだけど・・
彼が書く官能小説の タイトルが、
『豆狸の脛毛』
なのよ
『まめだぬきのすね毛」だよ
アハハハ・・・」(チット)
(・・・・・そこ?)