歴史模擬授業第22回 明治の改革の第1回です。
詳細はこの前の記事をご覧頂くようお願いいたします。
※こちらで博物館「明治村」さんの話題が出ていますが、「明治村」さんおよびその関係者の方々とは私は一切関係ありません。関係者の方々に不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません。
ーーーーーーーーーーーー
「さて、今日からは明治時代だよ。」
「明治って、好き!
私の実家の近くに明治時代の建物がたくさんあるテーマパークがあったりして、
身近に感じるんだ!」
「愛知県の犬山にある「明治村」のことね。
あそこは、明治時代の本物の建物がたくさんあるし、
明治時代の衣装も着れたり、明治時代にゆかりのある食べ物を食べたりもできるから楽しいよね。」
「うん。ぼくも社会見学で行ったことがあって、たのしかった。
旧帝国ホテルはかっこよかったよ!」
「そうね。先生もあそこは好きよ。名古屋からも行きやすいしね。」
「色々と楽しいよね。」
「では、明治時代を始めましょう!」
「はーい。」
「明治を始める前に、この前の復習にいきましょう。」
「大政奉還・王政復古の大号令で幕府は滅んだだよね。」
「そうそう。そのあと、徳川氏に領地なども全て返すよう新政府は言ってきたの。
天皇を中心としてつくられた新政府に対し、
旧幕府側がそれに反発をして反撃するようになったの。
その反撃(反乱)を総称して戊辰戦争と言ったね。」
「うん。そこまで習ったね。」
「では今日は、この戊辰戦争(ぼしんせんそう)を詳しく見ることから始めます。」
「はーい。」
「戊辰戦争の一番初めは、鳥羽・伏見の戦いです。」
「伏見ってことは名古屋?栄と名古屋駅の近くにある伏見?鳥羽は三重県の?」
「愛知県民(とく名古屋市民)はよく間違えるんだけど、
この戦いでの鳥羽と伏見はどちらも京都だよ。」
「そうなんだ!同じ地名なだけなのね。」
「よく考えればそうだよね。朝廷があるのが京都なんだからね・・。」
「旧幕府軍は鳥羽・伏見の戦いで負けて、元将軍の徳川慶喜は江戸に逃れます。」
「江戸は、江戸幕府の本拠地だからね。」
「そうしたら新政府軍は、慶喜を敵とみなし、江戸の方に向かいます。」
「あわわ。それじゃあ、戦争がおこってしまうじゃないか!」
「だめだよ!なんのために、大政奉還をして内乱を防いだの!ってことになっちゃう。」
「だよね。だから、江戸城に立てこもった徳川慶喜は苦渋の決断をします。
戦わずして江戸城を開城(つまり、それは降伏を意味する)したのです。」
「おおおお!」
「このことを、江戸の無血開城(江戸城無血開城)と言います。」
「開城する際に戦争しなかったら、血がながれなかったから無血なのね。」
「そうそう。この無血開城をする際に、新政府と旧幕府軍は話しあいをし、
それによって無血開城に成功するのです。
新政府の代表は薩摩藩の西郷隆盛、旧幕府軍の代表は勝海舟(かつかいしゅう)という人物です。
勝海舟はあまり入試では出ないんだけど、難関校だと選択問題で出ることがあるから、
覚えておきましょ。」
「はい。」
「徳川慶喜は無血開城をしたが、旧幕府の人々はあきらめない。
それでも、まだ戦う。しかし、負ける。
だんだんと逃げて、最後は北海道の函館まで追い詰められます。」
「北海道まで・・。」
「そして、その函館の、五稜郭(ごりょうかく)の戦いを最後に戊辰戦争は終わります。
旧幕府は新政府によって負けたのです。(1868年)」
「ほえー。」
「戊辰戦争をしながら、そして戊辰戦争が終わってからも、
新政府は続々と改革を行っていきます。
では次は新政府のさまざまな改革を見ていましょう。」
「はい。」
「まず、新政府はどのような日本をつくっていったかのビジョンを考えましょう。
ビジョンにそって改革を見ていると、その改革に関連性があって理解しやすく忘れないから。」
「用語だけ覚えていてもすぐわすれてしょうがないもんね。」
「そうそう。新政府は、不平等条約を撤廃(てっぱい:なくすこと)したい、
そのためにも、ヨーロッパの植民地にならない強い日本をつくっていこう!
というビジョンがあったのです。」
「不平等条約って日米修好通商条約のことだね。治外法権を認め、関税自主権がない、という。」
「そうそう。じゃあ、どうすればいいか?と考え・・・
日本もイギリスやフランスなどのヨーロッパみたいに
なっちゃえばいいんだよ!と日本は思ったの。」
「そういえば、当時のヨーロッパは民主主義至上主義だったよね。」
「そうそう!だから日本も民主主義の政治にしよう!と思ったわけよ。
民主主義というのは、身分によって職業などの生き方が制限されず、
誰でも努力と運さえあればなりたいものになれる、という考え方。
(公民で言うと、国民主権と基本的人権を基本とした政治の在り方のこと)」
「へー。江戸時代とは180度違うね。」
「あと、ヨーロッパは軍隊が強いでしょ。
それはなぜかと言ったら、民主主義の考え方に基づいて身分に関係なく戦う軍隊がいたわけで、
また武器もしっかりしたものだし、
その武器をつくるには安定したお金が必要で・・、とね。」
「ほー。」
「まとめると、
民主主義の政治×強い軍隊×工業の発展×財政の安定、
をした日本にしていこうというビジョン
だったわけよ。(注意:作者独自のまとめかたです)」
「うんうん。そうしたらヨーロッパっぽくなって不平等条約も撤廃できるもんね。」
「ではでは、ここからが本題です。
まずは、国民に新しい新政府(明治政府)の方針を示す必要があるよね。」
「そうだよね。国民からしたら、
幕府から突然、天皇を中心とした新政府(明治政府)に変わったんだもんね。
新政府が何を考えているのかわからないとね。」
「1868年に、天皇(明治天皇)が、神に誓う形で、新しい政治の方針を示したの。
それを、五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)と言います。」
「天皇が神に誓う形で、というのが日本らしいね。」
「いくらヨーロッパっぽくといったって、日本らしさを抜くことはできないからね。」
「五箇条の御誓文では、政治をする際に会議を開いてみんなの意見を聞いて決めます、
という民主主義の基本原理を書いています。」
「民主主義の国、日本にする気満々だね。」
「そうだよね。でも、一般庶民に対しては、江戸時代と変わらない厳しい制限をします。
五榜の掲示(ごぼうのけいじ)と言います。反乱やキリスト教などを禁止するなど。」
「なかなか、簡単にはいかないよね。」
「あと、元号を明治にします。
そして平安時代以降の久々の遷都をします。
江戸に遷都をして、江戸を東京と定めます。」
「そうか、だから東京というのね。東の京(京:天皇のいらっしゃる場所)だから東京なんだ。」
「おそらくね♪
このように政治や社会の体制を改革したことを明治維新と言います。」
「ほえー。」
「では、次回はさらに色々と細かく改革をみていきましょう。」
「はーい。」
ーーーーーーーーーーー
続く。(文字数の関係でもう1つ記事をつくります。)
わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。