SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

OSCAR PETERSON 「Walking the Line」

2007年11月15日 | Piano/keyboard

オスカー・ピーターソン、彼は人気・実力共に最高のジャズ・ピアニストといえる存在である。
しかしその大衆性の強さからか、一部で不当な評価をされているのも事実だ。まったく信じられないことではあるが...。
ま、それはともかく、このアルバムだ。
これって本当にCD化されているのだろうか。どこのショップへ行っても並んでいるのを見たことがない(単に私が見つけないだけなのかもしれないが)。もしされていないとなるとこれは由々しき問題だと思う。
私が持っているのはもちろんLPレコードだ。25年くらい前だったと思うが、わざわざショップへ注文し手に入れたのを覚えている。
この堂々としたイラストを見ていると、オスカー・ピーターソンらしい圧倒的な存在感とダイナミックなスイング感が伝わってくる。太い腕の下の黒いスペースといい、タイトルのタイプフェイスといい、それぞれがピタリとはまっておりデザイン的にも大傑作だ。
内容もジャケットに違わずすばらしい演奏が詰まっている。
もともとオスカー・ピーターソンは極端な駄作がないジャズメンではある。マイルスらを初めとする革新派と違って、彼は私たちに「楽しいジャズ」を提供するという常に変わらぬ姿勢で演奏を行ってきたのだから、それもある意味頷けることだろうと思う。
1曲目の「I Love You」から、当時新人だったジョージ・ムラーツの弾けるベースに乗ってピーターソンのピアノは魅力全開だ。ワン・パターンといわれようが何だろうが、彼はこれでいいのである。これこそジャズピアノの醍醐味であり最大の魅力なのだ。

オスカー・ピーターソンの代表作はリラックスした「We Get Requests」かもしれないし、ドライヴ感溢れる「At the Stratford Shakesperean Festival」かもしれない。しかし私の愛聴盤はこの「Walking the Line」であり、「Plays the Cole Porter Songbook」である。
理由は簡単、演奏とジャケットの関係が一級品だからである。