文屋

文にまつわるお話。詩・小説・エッセイ・俳句・コピーライティングまで。そして音楽や映画のことも。京都から発信。

●まだ、この露地は惚けているようだ

2005年02月25日 19時33分52秒 | 日録雑感


露地の角に若者がふたり、べったりと座り込んでいた。
わたしを見通すように、もしくはどこも見ていないそぶりで。
わたしもどこも見ていないような姿勢で過ぎる。
浅い、春やねえ。
きもちの奥底が、冬の最中で
木々の芽だけが騒がしい。
とんと抜ける。
天もまだ、この春の空気を知らない。
いとおしいことも、季節のあいだに挟まれて
身動きとれない。
なんどか出会う、たぶん男の猫も
わたしの、次の空気を知らないのだろう。
もちろん、この露地には
夏も来る、秋も来る。
知らない季節が、幾度も幾度も。
男の猫の、かわいい欲情を
石の面に、露といっしょに
流すだろう。

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3 コメント

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Unknown (heach)
2005-02-26 01:35:41
露地

tsuyuchi

つゆち



はぁ....京都の言葉なんですか?
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Unknown (清野無果)
2005-02-26 06:07:10
最近、いつも通る道のわきにひっそりとした露地を発見しました。京都あなどりがたし。
返信する
ろーじ (bunyahagi)
2005-02-26 11:00:34


とくに夏場ですが、室礼(しつらい=設い)

を夏仕様にします。これを夏座敷ともいいますね。

町家は、内と外の境をあいまいにします。

吊り忍なんかがあったり

それで、露打ちを心やりとしてします。

京都の人は、これを秋や春もやってる。



路地を露地と書くのかなあ。

発音は、ろーじです。



heachさん、

清野さん、



こんちは。



清野さんの名って

「きょう、飲むか?」ですね

こんど、飲みましょう。
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