
とってもうれしいことなのですが
ぼくのような、複雑でマイナーな詩を歌にして
唄ってくれている方がおられます。
及川恒平さん。
ずっと以前にぼくは、小室等さんなんかと一緒に
六文銭で唄っておられたころから
歌もそうですが、及川さんの詩も好きでした。
抒情が一筋、確かに屹立した言葉。
「面影橋から」の中で、ぼくの育った、大阪の橋の名が
でてくるあたり。ぞくぞくしたものです。
吉田拓郎が唄った「ガラスの言葉」や
木枯紋次郎の主題歌だった「出発のうた」など
若い頃に憧れたものです。
及川さんの唄う歌では「雨が空から降れば」が
一番好き。
「しょうがないしょうがない」というリフをいつかの雨の日に
口ずさんだ記憶が鮮明にあります。
★
そんな方が、ぼくの詩を唄ってくれています。
ライブでも唄ってくれていますし、テレビでも唄われたそうです。
そして、なんと、こんど、CDになりました。
ぼくの詩は、
「小舟行」と「冬の池」です。
「小舟行」は、こんな詩です。
小舟行 萩原健次郎
小舟にのる
揺すられて
とおい岸に、まずきみの
身体が漂着している。
ぼくを漂わせれば
震えるでしょ
「海をかんがえていた」
なんて嘘で
どこかの市街地の、細い川を
すごいスピードで流されていただけで。
「でもすぐに海にたどりつくでしょ」
小鳥のさえずりのような
舌を湿らせた言い訳は好きだよ。
ともに裏返る
というのも、互いの嘘で
きのうは、きみ
舟にはのらず
スクランブル交差点でただうつむいて
じっと立ち止まっていただろ
「デパートの7階あたりにある時計を見ていた」
ひっぱって
紐でくくって
小舟にごろり
転がしても
微笑んでる
不思議に
溺れた
時計をはずして
誰にも
見られずに
真昼の水で
身体を膨らませて
★
心中の詩。こんな複雑な詩によく曲がついたと思う。
このCD「ほしのはだ」希望の方におわけします。
少しのカンパは頂戴します。
メールいただければ。
こんがらがりながらも流れる時間…。
耳に引っかかる理想的な歌詞ですね。
1枚、おすそわけください。
おかえしとして、焼酎1本持参いたします。
ドウゾよろしくお願い致します。
私も及川恒平さんが好きで、昔はよく歌っていました。「春は日傘の」が大好きでした。不思議な歌ですよね。
さっき及川さんのHPに行ってきました。元気に活動されているようでとてもうれしかったです。
だいまじんさん、
って、佐々木ですか、増村ですか。
映画「大魔神」は、増村ではないか。
★
及川さんの歌唱は、
言葉の歌唱です。
聞くのはもちろん
読むこともできます。
蝶の採集は、長らく休んでいますが
いずれまた始めたいと思っています。