文屋

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●テレビの語法がなんでこんなに、活字的になったのだろう。

2009年03月21日 19時58分15秒 | 世間批評


突然の雨。
中断30分。
逆襲。
連打。
KO。

逃げ遅れた理由。
突然の炎。
対策の遅れ。
5名の犠牲。

これは、最近のNHKの語法。

誰が、誰に伝えているのか、そのことを回避している。

何を、だけは伝えているつもりだろうが、
そんなものは新聞の見出しを読めばわかる。

新聞の語法も似たようなものだ。

体言止めは、助詞を殺す。

助詞を省く語法は、主語をあいまいにする。



サア、サムライジャパン。

サア、イチロー。

サア、中盤。


これは、WBCを放送しているTBSの語法。

アナウンサーが変わっても、「サア、サア」ばかり。

この「サア」って誰に言ってるのか。
自分への掛声でしょ。




絶対に負けられない戦い。

これは、テレ朝の常とう句。
いつまで言ってんの。
そりゃそうでしょ。

誰が、誰に、何を伝えたいの?

「絶対に負けられない戦い」って思うでしょ。
正しいでしょ。って視聴者に同意を求めて逃げてるだけでしょ。

これって、この試合は、「トーナメントです」と
スタイルを伝えているだけなんですね。



「サア」が単なる、リズムを呼ぶための間であれば
人によってこの間の言葉は、変えてくれよと思う。

大昔の「なんと申しましょうか」という
小西得郎なんて、あれはあれでよかった。


■WBCもサムライも日韓戦も関係なし。野に球を敬いたいね。

2009年03月20日 23時08分08秒 | 世間批評
なんか微妙なんだな。
野球のこと。まあWBCでは、熱烈に日本を応援しているのだが
ちょっと、これでいいのかなあ、と思っている。
この半月ぐらいずっと伊東静雄論をやってて
彼の卒論の関連で、正岡子規を読んでいたんだけど、
子規は、ベースボール狂いで、
漱石といっしょに愛媛に帰ったときに
中学生だった虚子の前で、
ベースボールを実践してみせている。
このシーンの再現を、NHKの「坂の上の雲」の予告編でやってたけど
虚子が書いたエッセイ集(岩波文庫)ですでに読んでいた。
あの、描写の子規は、ほんと意気揚揚ですぞ。
当時、子規さんはベースボール狂いで
アメリカの「最新流行スポーツ」を日本語に変えてみせた。

ベースボールが、野に球ですよ。
遊撃手ですよ。
ファールボールなんて、邪な、邪飛ですよ。
生還ですよ。
死球ですよ。

日本は、やっぱりね。
日韓戦なんていってるけど
サムライなんていってるけど
アメリカに勝ってはいけないような気がする。


●なつかしいFM放送が始まったころのことを思い出した。40年前。

2009年03月20日 22時25分45秒 | 日録雑感
なんかいま、NHKテレビでFMの歴史というか、回顧をやっていて
なつかしかった。
NHKのFMって、69年開始だったんだ。
でも、そんなことないだろって思った。
69年といえば、ぼくは
高校2年か3年。
それよりも少し前に始まったように記憶していた。
コルトレーンの音楽をラジオでしかもステレオで聴ける
これは、ほんとに奇跡のように思った。
いまテレビの番組で確認したら、数年、試験放送ってあったんだね。
試験放送。それも「わくわくしたこと」を思い出した。
あの頃は、FM東京でしたね。まだNHKはやってなかった。
その試験放送で、右のスピーカーから聞こえますか、
左に移動しましたか、とかほんとに試験やってたのも思い出した。
その頃、
高校で、珠算の試験のときになぜか
会場の世話役かなんかやっていて
ぼくは当時珍しい、ラジオのステレオが
始まったということで、ラジオを持っていった。
イヤホンではなく、これもなぜか大きく
スピーカーで流していた。
番組も曲も鮮烈に覚えている。

DJは、スィングジャーナル編集長、児山紀児だった。
曲目は、2曲、覚えている。

ウェイン・ショーターの「アダムスアップル」。
そのあと児山氏が、モードジャズについて語っていた。
それからジャズクルセダーズのライトハウスのライブ
たぶん曲は「ヤングラビット」だった。

ジャズクルセダーズのアルバムは、いまも
探し続けている。レーベルは、パシフィック盤。
強烈だった。かっこよかった。

ウェイン・ショーターは、ブルーノートレーベル期が
いまでも大好きだ。

ぼくは、商業科の学生で学校もさぼって
ジャズと蝶採集に熱中していた。
恋もせず、ただただ、孤独に青春していた。

そして、高校の文化祭で、教室をジャズ喫茶にして
マイルスを大音響でかけていた。

あれは、多分、「音響」の時代だったんだ
と思う。ラジオの深夜にAMからながれる
モノの世界から、一気にカラフルになった音。

懐かしい。
でもあの頃、音楽で、しあわせだった。

そうそう、大好きだったのが、油井正一がDJをやっていた
「アスペクトインジャズ」という番組。
テーマ曲が、ジェリー・マリガンの「ナイトライツ」の中の
ショパンのエチュードをジャズでやったものだった。

最近は、クラシックばかり聴いているけれど
ぼくは、ジャズが好きなのだ。