文屋

文にまつわるお話。詩・小説・エッセイ・俳句・コピーライティングまで。そして音楽や映画のことも。京都から発信。

●道元の「青山常運歩」という言葉を勝手に解釈してメモしておこう。

2006年04月22日 14時51分31秒 | 日録雑感

紙子、11号が、21日にできあがってきた。


目次は、以下。


中の碑                 萩原健次郎
パーティ そして出発          渡辺めぐみ 
旅立ち、その他の詩篇          細見和之
七つの三行詩と三つの四行詩       國重游
和平                  竹内敏喜
連載 よつつじのおと 四
 詩学によりそう背景          竹内敏喜
みとりのすまいにすいきれていく     藤原安紀子
みとりのすまいにすいきれていく一筋の  藤原安紀子
ふぃっしゅ・だんす           内藤ねり
女運の女神               西田裕美
春の鬼ごっこ              西田裕美
婦長さん                小池田薫
菫                   山本しのぶ
朗読する男               山本しのぶ


定価、800円です。




NHK出版の

頼住光子著
「シリーズ・哲学のエッセンス  道元」
を読んでいる。

なかに道元の『青山常運歩』という言葉に見入る。

自分が歩き動いていることを知りたいならば
山が歩き動いていることも知りなさい

という。

詩の読者、詩の他者とは
人だけではない。

山や、宙空もまた、詩における「他」象。

詩という「中の碑」は、「自」象などという
知れた代物なのではなく
ただ単なる、凝り。

この凝りは、外に向かうときは、永遠にしか
向かわず、消えていく宿命下にある。

外から中の碑を判読しようとしても、永遠への指向には
もちろんかなわない。

しかし、凝りたものは凝りたものだから
しようがない。


なにを言いたいのか、さっぱりわからないが
メモしておこう。







●木村カエラの凄さって、少年声と、突発性のマーケティングセンスだと思う。

2006年04月04日 19時42分33秒 | 世間批評



はじめてその声を聴いたときから、木村カエラが気になっていた。
最近は、CMで「タイムマシーンにお願い」をリバイバルカバーしているね。
サディスティックミカバンドの「黒船」でやってたやつかなあ。
木村カエラの何に驚いたかというと、声ですね。
声が、中性。男の子みたい。
だいたいPOPソングを歌う、王道は、この中性だとずっと思ってきた。

ぼくのPOPソングの好きな道は、たとえば

リトル・エヴァ

「ロコモーション」ですね。キャロル・キングの家にいたお手伝いさんだった
エヴァ嬢に「この娘いけるじゃん」「唄わせようか」などと
夫の作詞家、ジェリー・ゴフィンとたくらんだ。
それが見事、大ヒット。
このやりとりは、自分の嫁さんが、台所仕事しながら鼻歌唄っていたのを
客だった、スタン・ゲッツかだれかが
「この娘いけるじゃん」「唄わせようか」といってデビューした
アストラッド・ジルベルトも同じ。曲は、当然夫のジョアン・ジルベルトが
提供した。

突然、世の中のマーケティングの波頭を突き抜けるのは
中性的ヴォイス。

イーディー・ゴーメ
ジョニー・ソマーズ
ディオンヌ・ワーウィック
カレン・カーペンター
コニー・スティーブンス
コニー・フランシス

それから男性では

ポール・アンカ
ドゥ・ワップのファルセット
チェット・ベーカー
ジミー・スコット
アレックス・チルトン

木村カエラは、少年声。
少年の声というのは、少女もそうだが
案外、濁っている。

この濁り具合が、音楽産業のリアルなマーケティングセンス。

それから
「この娘いけるじゃん」「唄わせようか」
という、セリングチャンスの波頭を裂く力を持っている。

■シューマンの交響曲2番。それからデイヴィド・ジンマン指揮のトーンハレ楽団をひとしきり。

2006年04月04日 19時09分40秒 | 音楽


シューマンの交響曲を
1番から4番まで、ずっと聴く。

2番の暗鬱さがたまらなくいい。
ポピュラーなのは、3番の「ライン」と
1番の「春」か。

2番は、シューマンの精神疾患が最悪の状況に作られたとかで
人気がないという。

なにをかいわん、だ。

素晴らしい。この2番のアダージョ。

デイヴィッド・ジンマンの音の「入り方」か「刺し方」か
そういった、ニュアンスが好き。

このジンマン指揮のアルテ・ノヴァ盤は、どうしてこんなに安価なのだろうか。

2枚組の全集で、890円。(タワーレコード)

ベートーベンの交響曲集は、5枚組で2000円ぐらい。
(十字屋では、売れないのかさらに20%オフのシールが!)

古楽編成のオーケストラを現代楽器で演っているが
そうしたことは抜きにして、クリアに音が立ってきて
既成の曲イメージがすっかり洗われる。

ベートーベンの7番、8番は、活き活きとして
抜きんでた、名演。
中古屋さんだったら、400円ぐらいだろう。

つまらん、文庫本などよりよっぽど、いい財宝になる。




■そろそろ京の町も、爛漫とした桜の木が。で、プロコフィエフを聴く。

2006年04月03日 20時57分28秒 | 音楽



四条烏丸近辺の中古CDショップの会員になった。
500円払って会員になると、商品が一律300円オフになる。

まずまずのシステム。

それで、ついつい買ってしまったのが

テンシュテット指揮のプロコフィエフの交響曲5と7番。
880円の値札がついていたので、580円。

バイエルン放送響(Hanssler盤)の音がいい。

プロコフィエフは、1番の「古典交響曲」しか知らなかったが

なにやら久しぶりに、ブルックナーの沼から抜け出せそう。

ポリーニでなにかあったなあ、と引っ張り出してきたのが

「ピアノソナタ7番」。

第三楽章は、まるで、ソウルフル。
キース・ジャレットは、すでにして負けている。

ついでに、
メキシコの指揮者、エンリケ・バティスで
管弦楽「三つのオレンジへの恋」を聴く。

題名がいい、曲。

プロコフィエフの前衛をすかしたような
色彩ゆたかな後衛性がいい。

このソナタの第二楽章は、まさにこれ。

桜も似合う。