文屋

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●鯉の恋。春よぶ、小梅小路を歩く

2005年02月24日 18時54分55秒 | 日録雑感

露地、京都では、「ろーじ」と言う。
中心部の寺町三条あたりでも、まだ、京都らしい露地がある。
最近、思いがけなくも発見した小道。
行き止まりとばかり思っていて入っていかなかった道が
あみだくじみたいに、かっくんかっくんと曲がって
三条に出る。
通りに出る角の店は、和風のジーンズの店で
いつも50年代のジャズがかかっている。
それがいつも新鮮に鳴っている。
ロリンズのテナーなんて、断片で聴いたほうが
より鋭角に刺さってここちよい。
うねうねとアドリブをしたあとに
トミー・フラナガンだろうか、可愛くスイングする。
小刻みの断片。
ふと、眼の下をのぞけば、つくりものの鯉が、
「い」の字になっている。
「こ」の字にもなる。
この鉢、ふたつあれば、「こ」「い」になる。
鯉の恋。
あるいは、鯉の濃い恋。
店に「来い」か、店に「恋い」のまじないか。
露地には、植え込みがあって、梅の花がこぼれている。
はる
うめ
こい

ちょっと、うれしい季節である。



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