文屋

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●ジャズをバックに詩をリーディングするイシュマエル・リードのジャズな詩

2006年07月10日 11時27分15秒 | 



CDをひっくりかえしていたら、イシュマエル・リードの
リーディングを収録したアルバムがでてきた。

リーディングといっても、歌もうまい。

詩人なのか、歌手なのか。

バックが凄い。

デヴィド・マレー
レスター・ボウイ
スティーブ・スワロー
タジ・マハール
カーラ・ブレイ
ジェマラディーン・タクマ
アラン・トゥーサン

など。

ジャズのセッションだけでもなかなか集まらないメンツ。




アルバム最後の、イシュマエルの詩


●リズム・イン・フィロソフィー  訳・内山靖子


ボジョレーの70年ものをなめながら
クレッセント通りのAM周波の中で
僕はKCバードと話をしていた
会話の中味はリズムについて
全てのものを動かすのがリズム
四季の移り変わりの、さまざまな表情を
まるでポール・チェンバースの指のように
軽やかに動かすのもリズムだと

博学なバードは、こう言った
宇宙は螺旋状に広がり続ける大爆発だと
水玉模様にペイントされた、やみ酒場の中で
あふれんばかりの新たな光を生み出しながら
一夜、一夜が存在しているのだと

リズムなしでは、この世は動かない
でも、この世なしでもリズムは存在する
このリズムが春を呼び
そして労働者たちを動かしている
デニムの労働着を身にまとい
プールのような形をした、低音だけが異様に響く
入場無料のジューク・ボックス・ホールに
日曜の午後は、いつも出かける
ベニー・モートンの曲をかけたかったけど
はみ出し者に、その権利はなく
店の者に断られた

なりゆきさ、そんなものさ

バードの声が消えた、そのあとに
ハード・ロックが鳴り響くように




アメリカやなあ、ジャズやなあと思う。

なるほど、こんな詩に
音をつける
デヴィッド・マレイは
気持ちよかっただろうなあ。




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