CDをひっくりかえしていたら、イシュマエル・リードの
リーディングを収録したアルバムがでてきた。
リーディングといっても、歌もうまい。
詩人なのか、歌手なのか。
バックが凄い。
デヴィド・マレー
レスター・ボウイ
スティーブ・スワロー
タジ・マハール
カーラ・ブレイ
ジェマラディーン・タクマ
アラン・トゥーサン
など。
ジャズのセッションだけでもなかなか集まらないメンツ。
アルバム最後の、イシュマエルの詩
●リズム・イン・フィロソフィー 訳・内山靖子
ボジョレーの70年ものをなめながら
クレッセント通りのAM周波の中で
僕はKCバードと話をしていた
会話の中味はリズムについて
全てのものを動かすのがリズム
四季の移り変わりの、さまざまな表情を
まるでポール・チェンバースの指のように
軽やかに動かすのもリズムだと
博学なバードは、こう言った
宇宙は螺旋状に広がり続ける大爆発だと
水玉模様にペイントされた、やみ酒場の中で
あふれんばかりの新たな光を生み出しながら
一夜、一夜が存在しているのだと
リズムなしでは、この世は動かない
でも、この世なしでもリズムは存在する
このリズムが春を呼び
そして労働者たちを動かしている
デニムの労働着を身にまとい
プールのような形をした、低音だけが異様に響く
入場無料のジューク・ボックス・ホールに
日曜の午後は、いつも出かける
ベニー・モートンの曲をかけたかったけど
はみ出し者に、その権利はなく
店の者に断られた
なりゆきさ、そんなものさ
バードの声が消えた、そのあとに
ハード・ロックが鳴り響くように
★
アメリカやなあ、ジャズやなあと思う。
なるほど、こんな詩に
音をつける
デヴィッド・マレイは
気持ちよかっただろうなあ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます