武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
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痔から心身統一を学ぶ

2013年02月15日 | 文献抄読
今日は、「痔」に」関する本を紹介します。

私が痔という訳ではないのですが、知り合いの方が痔で入院され父も痔で入院した事があり下記の本を読んでみました。

まさか痔の書籍で心身統一の理論に出会うとは想像してませんでした。中村天風氏は、私が稽古している心身統一合気道宗家「藤平光一」先生に多大な影響を与えた方です。

心身統一を考え実践する上でとても良い内容なので以下に引用します。


【よくわかる最新医学 新版 痔】
平成17年6月20日第1刷
発行著者 平田雅彦

(以下、引用)
 自然治癒力を高める最大の力は、その人がもつ意識、いいかえれば精神です。「あなたは、〇〇という病気です」と、医師に告げられたとき、また、その病気が深刻な病気だったとき、人はいろいろな反応をします。自分は運がないと思う人、怒る人、病気になったのは自分の悪業の報いで、自分に課せられた罰であると思う人、これらはすべて間違いです。
このように病気を恐れ、不安のあまり病状が悪化していくことを想像して悩んだり、病気を自分のせいだとして自分を責めることは、すべてマイナス思考であり、自然治癒力をいちじるしく低下させるからです。
 これと対照的に、「病気などに負けるものか、徹底的に闘って治ってやる」と思う人がいます。これは、マイナス思考の人よりはよほどましなのですが、まだ、真のプラス思考にはなっていません。本当のプラス思考、つまり自然治癒力を最大限に引き出す心の持ちかたは、、じつは、その上を行く境地なのです。
 大正中期より昭和30年代にかけて、日本の偉大な哲人といわれた中村天風氏は、若いころ結核で肺をおかされ、世界中の著名な治療法を求めて訪ね歩合きましたが、結核は治らず、失意のまま、帰国の途につきます。しかし、その途中、インドのヨガの大型人カリアッパ師と知り合い、そのままヒマラヤ赤山中でヨガの修行をすることになりました。中村氏は、カリアッパ師に師事して約2年、滝の下で座禅を組みました。
そして無の境地を悟り、病気であろうとなかろうと、それにとらわれずに生命に感謝する心の境地に達し、難病であった結核も完全に治ったのです。医師でもあった中村氏は後年帰国し、患者さんたちにこう語ったといいます。
「生命(魂)は、美しく尊いものです。これをきたない想念で汚してはいけません。病気になろうと,不運に見舞われようと,そんなことにとらわれずに、意識をもっと高いところにおきなさい。そうすれば自然と体が病気を治し、思いのままの運が開けるものでらに慈愛に満ちたよい想念を持ち、いつも絶対積極的に生きなさい」「病気と闘う」とは、ある意味で病気を認めていることになります。病気と健康という相対の関係のなかに自分を置く、つまり、相対積極なのです。
 中村天風氏は、病気と健康という相対論の土俵からそれにとらわれない高い位置に意識をおく、すなわち病気を認めない境地、絶対積極の境地を説いているのです。
 これこそ究極のプラス思考で、自然治癒力を完全に引き出す心の状態であるといえるでしょう。最後、中村天風氏が好きだつた言葉を紹介し、絶対積極の境地の一端を紹介したいと思います。
 
 「晴れてよし、曇ってよし、富士の山」

(以上、引用終わり)
病めるときも健やかな時も、生命に感謝して生きる。天地の気に合するという心身統一合気道の理念そのものです。

心身を統一し日々実践していきたいと思います。

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