武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

前頭葉の空間認知領域(視点取得)と武道稽古そして思いやり

2011年06月07日 | 武道
 皆さん、キツネ・ハト模倣テストって知ってますか?
 先日のためしてガッテン(認知症の特集)でキツネ・ハト模倣テストを紹介していました。このテストは認知症患者への簡易テストの1つです。MCI(軽度認知症)の方は、影絵でお馴染みの指で作るキツネやハトが模倣できなくなる。そして、キツネの模倣は中等度に認知症でも模倣できるが、ハトになるとMCI患者の42%ができないそうです。


 この模倣ができなくなる原因は前頭葉の空間認知領域の障害による、と説明していました。相手の視点に立つという「視点取得」の機能が失われてしまうのです。この「視点取得」の機能は、武道PTワークショップでも大切に考えている点です。

 ゆっくりとした対人での稽古やメンタルプラクティスはこの視点取得の能力を高めてくれます。逆に悪い姿勢で読書ばかりしていると前頭葉の空間認知領域は減少していきます。現代人は姿勢が悪く相手の身体感覚を感じ取る能力に劣ります。そして、携帯などの端末の普及により視点取得能力に劣ります。このような状態でいくら多読してもそこにリアリティはないのです。こんな事を続けるとリアリティどころか現実も読めない人間となってしまいます。



 私が学ぶ心身統一合気道の「合気道の五原則」の1つに、
「相手の立場に立つ」
というものがあります。つまり、「視点取得」の能力を高め、大事にする。そうする事でリアリティが見えてくるんだと思います。


 皆さん、姿勢を正し相手の立場に立つトレーニングをしてますか?本やネットばかりではリアリティは見えてきません。たまには本や携帯を横に置き、自分の身体や精神と向かい合いましょう!!



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1 コメント

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が言ったか言ってないか… (寺山修司)
2011-06-09 07:03:47
「本を捨て,街に出よう.」
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