JAZZ SINGER REIKO OSHIBUCHI 押淵玲子オフィシャルブログ

福岡で活動しているSINGERです。乳がん闘病中(再発転移あり)の事や、音楽の事など。
そして、趣味の着物リメイクなど

ヴォーカリーズについて

2012-12-11 11:51:09 | 日記
先日、テレビの取材を受けていたのですが
記者の人がANIME-JAZZのヴォーカルの一人に質問したことで
あれ?わかってない?と。

実際に練習風景を撮るのも2回目だったのですが
理解できなかった
ということは、結構色んな人が理解していないのかも、と思いまして
私の知っている範囲でですが
多少説明をさせて頂きます。
質問はバックコーラスですよね?でした。

ジャズだけがヴォーカリーズをやっているわけではありません。
ラフマニノフの「ヴォーカリーズ」という曲もあります。18世紀の曲でしたよね。
どれくらい古くから
「器楽的な歌唱法」というものをヴォーカリーズと称していました。
独唱の場合もあります。
複数パートの場合もあります。

ジャズの場合はスキャットが出てきて
それがイコールだと思っている方も多いのですが
おそらく、大きくは沿う感じていただいても構わないところではあります。

ただ、コーラスになると誰がメインとというわけではなく
一緒に動いて
一つの曲を作り上げていく
まあ、例えばトランペットやサックスやフルートといった楽器のアレンジと同じで
夫々の特性を生かしたアレンジをするというのが
ジャズの場合は良しとされているものです。

だから、メンバーは変わったらもちろん、アレンジは変わります。
声という楽器は一人一人違うし
音域も違いますから
これが他の楽器と違う所。

もちろん、広い意味でバックコーラスというのもヴォーカリーズではありますが
普通はそうは言いませんね。

一つのライブで主催しているのは1人です。
それがフロントではない場合もあります。
必ず歌の人、ピアノの人、サックスの人などが主催ではないのですよ。
フロントが私であっても
主催がピアニストだったら、ピアニストがそのライブの構成等をしていきます。
ジャズが最近ライブ構成を怠っているのは
ココらへんの自覚不足かもしれません。
主催側が私のKEYなどを訊いて曲の構成をしたり、こんな感じで、というのが普通ですが
最近はフロントに立つ人間が楽譜も全て用意する、というふうになってます。

芝居にせよ、ミュージカルにせよ、コンサートにせよ(他ジャンルの)
ジャズのライブにせよ
やはり、きちんと企画したほうが次にもお客様を呼べるのではないか、と思っています。

横道にそれましたが・・・・

ヴォーカリーズはジャズの場合コーラス物が多いですから
夫々の音域を使えます。
ですから、メリットとしては広い音域の中で作曲、アレンジが出来るわけです。
デメリットとしては難しくなる。。。
ジャズを歌おうとする子たちは譜面にあまり強くなかったりします。
メンバーが変わる時に一番苦戦するのがここです。
いい加減に譜面を見る人だと8分休符、16分休符を見逃して
ダラっと歌ったり
符点がついている音符も見逃したりして躍動感が失われる
それで、結構練習時間がかかります。
細かく読んでくる子は、私が何が言いたいのかはその細かな譜面で理解してくれるのですが
それは、なかなか難しいです。
難しいものの一つに人選っていうのもあるかもしれませんね。

私の場合は音域は2オクターブと5度強(5度半?)あります。
これはかなりの音域をカバーしていますが
声質は低いので、低音が主になります。
だから、低い音から結構高い音まで出さねばならない曲とかは
私がずっとメインの所を歌っている場合もあるのですが
アレンジとして、途中でメインを歌う人をコロコロと変えることもあります。
だから、誰がバックで、誰がメインかわからない。

しかも、楽曲によっては
完全にコーラスでドンとぶつけてきたいので
わざわざ元々のメロディを追わない場合もあります。
この場合、全員同じ音量で綺麗にハーモニーを付けなければ、です。

コーラスのハーモニーは3度が一番やりやすいのですが
スキャット部分などを3声のコーラスでやろうか、という時は
使っているコード、スケールによって
お隣のパートと2度とか4度とか離れる場合はあります。
3度だと倍音が聞こえてくるので安心したりしますが
2度はなかなか難しいところです。
3人が夫々短3度ずつ、ディミニッシュのコードですが
これもあ結構不安な音です。
そういうものが1曲の中に何箇所もあります。

でも、だから、バックと一体感があって
ちゃんとしたジャズコーラスに聞こえる、というものなのですよ。

少しは私の苦労と
ヴォーカリーズって結構面白そうだと思っていただけましたでしょうか?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿