ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

太平洋戦争がよくわかる本 太平洋戦争研究会

2009年10月12日 | 歴史・時代物
2007年
PHP研究所; 愛蔵版版
☆☆

ヒューマンドラマ、私情はまったくない。
冷静な中立な本である。
だから、涙がでた。

真珠湾の奇襲攻撃をかけねばならかなった経緯、
慢心と驕りが引き起こしたともいえる戦争。

玉砕という言葉の意味を
「玉のように美しく砕け散ることで、名誉や忠義を重んじていさぎよく死ぬ事」
と、さらに
「玉砕は、敵の弾丸が我が身にあたるようにわざと身をさらして最後の突撃をおこなう全滅のしかただった」
と書いてあった。
さらに、特攻は
「神風特別攻撃隊 敷島隊」
「神風特別攻撃隊 大和隊」
「神風特別攻撃隊 朝日隊」
「神風特別攻撃隊 山桜隊」
編成され、それは本居宣長が詠んだ
敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花
から取った名前であった。

どちらも、美しい日本の言葉でありながらむごい自殺行為である。

8回の大作戦の勝敗表が箇条書きで書かれていた。
1・真珠湾奇襲
2・インド作戦
3・珊瑚海海戦
4・ミッドウェー海戦
5・第二次ソロモン海戦
6・南太平洋海戦
7・マリアナ沖海戦
8・エンガノ岬沖海戦
その箇条書きはそれぞれ
参加空母
戦果
損害
意義
が書かれていたのだが、その中で参加空母と損害をみていると
ミッドウェーから空母の沈没が目立った。
このときは、赤城・加賀・飛龍・蒼龍の四空母沈没
ソロモン海戦では龍驤沈没
マリアナでは大鳳・翔鶴・飛鷹が沈没
エンガノでは瑞鶴・千代田・千歳・瑞鳳が沈没

何故か、この箇条書きで無性に涙が出てきた。
それはあきらかにもう戦えないにも係わらず、戦い続けていたことと
空母の名前が希望に満ちた名前が多く、
名前と現実とのギャップが戦争全体の姿に見えたからかもしれない。


太平洋戦争がよくわかる本(愛蔵版)


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2 コメント

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精神論で・・・ (ぶー)
2009-10-13 10:46:36
戦ってきた「だけ」だったので、とにかく悲惨さが目立つような気がします。
古代ローマのカエサルは戦が上手でした。
彼は後方支援する「食料管理部門」を大事にしました。
そして旧日本軍にはそれがなかった・・・。
だから硫黄島の戦いをはじめ、
戦う前に餓死、という人が多かった。

人を人として扱う、
そこにカエサルのすばらしさがあります。
なんだか話題からちょっとそれましたが、
旧日本軍の戦い方を検証した番組などを見るたびに思い出すので・・・。
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Unknown (ぶーくん)
2009-10-13 15:54:47
海軍と陸軍の確執など
異様な国家体制と、歪んだ武士道というんでしょうかね?
人を人と扱わなくなっていた時点で、
負けていたんだと思います。
空中戦で、アメリカ軍は日本の零戦に対して、
「必ず2対1で、1対1になったら逃げること」
と、逃げることを奨励してます。
しかし、日本なら体当たりしてでも相手に傷を負わせろということでしょう。

日本は負けて人間としての尊厳を取り戻せたような気がします。
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