ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 藤木 稟

2012年03月11日 | 藤木 稟
2011年
角川ホラー文庫
☆☆


バチカンの奇跡調査官、平賀とロベルトはイギリスのローマカソリックでの奇跡調査の帰り
深い霧に見舞われ、乗っていてた車が事故を起こしてしまい
イギリスの片田舎であるホールデングスでの滞在を余儀なくされてしまう。

ところが、この町で吸血鬼による事件が発生していて、
興味をそそられた二人は、吸血鬼の調査に乗り出すが・・・

今回は、正規の調査ではなく、さらにプロテスタントが主流の地域で
バチカンの威光が通用しない中、平賀とロベルトは調査を開始する。

この町は、ファイロン公爵領で古いしきたりや階級が根強く残る地で
滞在は、必ず町長であるルーク家に宿泊することになる。
そこで、もう一組の客人、吸血鬼の研究をしているというタリチャアヌ教授とその助手カリンと出会う。

時を同じくしてファイロン公爵の嫡子、エルトン伯爵がホールデングスの城に滞在すると、
いくつかの吸血鬼による被害が発生する。

平賀とロベルトはそれぞれの専門から
吸血事件の謎を解いていく。

この二人の奇跡調査であるから、
やはり、事件の裏にあるトリックを暴いていくのですが、
今回はそれだけでなく、
やはり、吸血鬼は存在するのかもしれないという疑念も残している。

ブラム・ストーカーは本当は自身が吸血鬼であり、
書著である、ドラキュラは自分の話であり、
吸血鬼の本場はルーマニアではなく、英国であるという説が面白かった。

上海幻夜 七色の万華鏡篇―朱雀十五シリーズ  藤木 稟

2011年09月24日 | 藤木 稟
2001年
トクマ・ノベルズ



こちらは、朱雀十五シリーズの番外編である。
1910~1930年代の上海が舞台となっている。
この時代独特のエログロで眩惑的な雰囲気が私は好きだったりする。

本編にでてくる人物の過去が短編で語られる。

アヘン中毒の華人の治療に奔走する、日本人僧侶の慈恵
龍華会の李大人の孫娘である香蘭が出会い、治療の手伝いをすることで
お互い惹かれていく
「赤い幇の抗争」
十五の両親の出会いを描いた作品である。

「緑洞に棲む異形者たち」
は、紫禁城で生きる宦官の話。
親に売られる形で宦官となった高悦だが、
うまく立ち回っていくうちに紫禁城内で力をつけることになる
失ったものを取り戻すために狂気が芽生える。

「橙と呼ばれた少女」
は、貧しい家に生まれ、娼館に売られた少女が
出世のためにだれよりも小さな纏足を作ることに賭けていたが
ある日、纏足の足から最近が入り、あっけなくなくなってしまう。
幼少の十五が目の当たりにする、貧富と差別。

探偵編とは違う朱雀シリーズで、ちょっと期待です。

バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ  藤木 稟

2011年09月12日 | 藤木 稟
2011年
角川ホラー文庫
☆☆


バチカンの神父、平賀とロベルトの奇跡調査シリーズの第四弾である。

今回の奇跡調査の依頼は
ルノア共和国にあるラプロ・ホラの司祭アントニウスは
奇跡の治癒力で人々の病を癒し、自らも一度死んで蘇ったという。
この奇跡により司祭アントニウスを聖人申請を申し込んできたのだ。

二人が現地についてすぐ
アントニウス司祭は川の”上”を歩いて平賀たちを出迎え、
平賀とロベルトはともに川の”上”を歩いて教会に向かった。

さらに、ミサの日にアントニウス司祭は目が見えなかった者の視力を回復した。

アントニウス司祭が射殺された資料を集めて検証するも、
一度死んでから蘇生したとしか結論づけることしかできない状況となる。

そして、平賀がサタニストにより薬品を噴霧され瀕死の状態で発見され、
息を引き取るが、そこへアントニウス司祭がやってきて
平賀を蘇生させる。

平賀もロベルトも今回は奇跡申請を認めざるを得ない状況となったが・・

残り3分の1になったところで、
二人が違和感を感じで再始動を始めるが
ドラマで言うと、一気にアップテンポの曲に代わって捜査が動き出すような感じである。

しかし、今回は
二人とも真相にたどり着くが、敗北する。

今まで読んできて、
このシリーズだと、2作目が一番おもしろいかな・・


バチカン奇跡調査官 藤木 稟

バチカン奇跡調査官 Truth2 サタンの裁き 藤木 稟

バチカン奇跡調査官   闇の黄金 藤木 稟

バチカン奇跡調査官   闇の黄金 藤木 稟

2011年08月01日 | 藤木 稟
角川ホラー文庫
2011年
☆☆


なんだかこのシリーズは巻を追うごとテンポが良くなっているような気がする。

今回の調査は
モンテ村の教会での奇跡申請である。
その内容は、
角笛のような音とともに、キリスト像の肌の色が変わり虹があらわれるとうもの。
しかし、その申請書にはこの教会の3人の神父のサインはあるが、
責任者であるトロレス司祭のサインはなかった。

調査で滞在中、教会で少年の変死体が発見され、トロレス司祭が失踪する。

32年前の殺人事件とまだらの道化師の言い伝え
さらには、精巧につくられた偽札流通の謎を解いた先には奇跡の謎を解く鍵があらわれて

いつもながら、
奇跡の謎ときには驚かされる。
こうも奇跡のトリックを暴かれてしまうと、
世に伝わっている奇跡はどんなトリックがおこなわれているのか気になってくる。

バチカン奇跡調査官 Truth2 サタンの裁き 藤木 稟

2011年07月20日 | 藤木 稟
2009年
角川書店
☆☆


バチカンの神父、ロベルトと平賀が活躍する第2弾である。

結構、シリーズものって1作目が良かったのに・・って言うのがあると思うが、
私はこの2作目の方がより好きです。
前回は、ほとんど活躍がなかったロベルトですが、
古文書の解読という技術を生かしての謎の究明と弁論能力に感動する。

今回の奇跡は
アフリカの架空の都市ソフマ共和国の教会からの申請であった。
それは、数々の予言詩と予言の絵画を描いていた神父が亡くなったが、
その神父の死体が腐敗しないとのことだった。

二人が現地に到着した日、
敬虔なクリスチャンであった女性ジャーナリストが
土着の呪術的宗教の生贄とされた死体が発見され
さらには、
亡くなった神父の予言詩にはロベルトの死がそして予言の絵画にはロベルトの姿が描かれていた。

予言詩の解明をロベルトが腐敗しない死体の謎を平賀が究明していく、
ロベルトの出生の秘密なども語られて
あっという間に、読み終わってしまった。

バチカン奇跡調査官 藤木 稟

2011年07月15日 | 藤木 稟
2007年
角川書店
☆☆


この方の作品はかなり癖があるので、万人におすすめとう感じではないが、
わたしは、こういう世界感が好きである。

カソリックの神父、ロベルトと平賀はバチカンの「聖徒の座」に属し
世界中から寄せられる「奇跡の申請」に対して調査をするという職務についている。
ロベルトは古文書の解読家で、平賀は科学者である。

ある日、ニコラス枢機卿から呼び出しを受ける。
カソリック教会の修道女からの申請依頼だった。
その内容は、大天使のお告げで神の子を処女懐妊したというものだった。

調査のために二人はその修道女の居るセントロザリオへ向かったが、
到着した日にそのセントロザリオの神父が何者かに殺害されるという事件が起こる。
この事件を皮切りに、連続殺人、そして涙を流すマリア像の謎、聖痕をもつ少年の謎、
など、
科学的に検証して謎を解いていく、謎を解いていった先には
カソリック教会を隠れ蓑にした壮大な陰謀が隠されていた。

理屈や説明が非常に多い作品なのだが、それに慣れるとなんとも癖になる本です。
ただ、今回は平賀がほとんど一人で解いているので、
もうすこしロベルトに頑張ってほしいところだった。
多分、シャーロックホームズとワトスンという図なのでしょうが、
こちらのワトスンは仕事をしなさすぎカナ(笑)

陰陽師 鬼一法眼〈三〉 藤木 稟

2010年02月09日 | 藤木 稟
2004年
光文社文庫




巷の陰陽師、鬼一法眼と源頼朝が治める鎌倉幕府を倒そうとする
怨霊義経の物語の第三弾である。

邪魔な鬼一法眼を京に追いやり鎌倉幕府を追い込もうとする義経だが・・
と、いうことで今回は鬼一法眼こと龍水はほとんど活躍しない。

前回、生まれてすぐに海に捨てられた義経と静の子を死霊として蘇らせた。
頼朝を追い込む為にその子を利用しようとするが、
仏門に入った静がやってきて・・・

娘を亡くした母を哀れに思う龍水の女房、水鳴太夫が娘に成り代わり一緒に暮らすことになるが
そこには、あっちこっちから求婚話が舞い込んで・・

今回は、争いというよりは、母子のほろりとする話がメインである。


陰陽師 鬼一法眼〈三〉 (光文社文庫)

大年神が彷徨う島 藤木 稟

2009年12月07日 | 藤木 稟
2000年
トクマ・ノベルズ
☆☆



二十年に一度の祭りの生神役を引き受けた律子は、
鬼界ゲ島へと渡った。
独特の信仰を持った閉鎖的な島であった。

しかし、この祭りの最中から
島の生神である成子様に仕えているはずの”司”達が「神罰」により命を絶たれる事件が発生する。

島を出ることが出来なくなった律子は、朱雀に迎えに来てもらう事にするが
「神罰」による死は連続性を帯びてくる。

成子様の秘密とこの島に伝わる「大年神」の秘密が暴かれていくと、
綿密に計算された復讐劇が見えてくる。

大年神が彷徨う島 (トクマ・ノベルズ)

鬼を斬る 藤木 稟

2009年10月17日 | 藤木 稟
2000年
祥伝社文庫
☆☆

明治初頭、とある村の架橋工事の監査役として内務省の立花が派遣される。
すると、その村では女児が相次いで神隠しにあうという事件が発生する。

立花はこの村で朱雀という男にである。
朱雀から
「心の中に陰をもつものは簡単に鬼になる」という言葉を聞く。
立花には”鬼”になる”心当たり”があった。

村の秘密と、立花がこの村にやってくることになる経緯など、
「人を呪わば穴二つ」という言葉がぴったりくる本である。

鬼を斬る (祥伝社文庫)

化身―探偵朱雀十五 藤木 稟

2009年10月08日 | 藤木 稟
2008年
トクマ・ノベルズ
☆☆



朱雀がまだ目が見え、検事であった頃の話である。

朱雀が雇った探偵が無残な姿で殺された。
そこで、京都地方裁判所の検事である桂万治とともに、
探偵が死体で発見された馬耳村へ向かう事になった。

朱雀は軍港の監察長官、林田邦夫の邸に滞在する事になる。
この林田には美しい妻がおり、彼女はカメラマンでもあった。
朱雀たちが滞在を始めた頃から、
この村の祟り神である砥筍貢神が動き出す。

この本で、何故朱雀が失明したのか、母親のことや生まれについてが分かるのと、
人間味のある朱雀が読めて面白かった。

化身―探偵朱雀十五 (トクマ・ノベルズ)

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