ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

それは誤解だ戦国武将! 加来耕三+嶋健一郎

2012年11月28日 | 歴史・時代物
2009年
メディアファクトリー


いわゆる薀蓄本ということで
色々な武将のエピソードを面白く紹介している。

ただ、
簡単な説明となるため、
特に新しい話もなく
時間つぶしに軽い気持ちで読むといったかんじでしょうかw


歴史の授業で教えない 日本軍激闘の舞台裏 日本軍の謎検証委員会

2012年10月25日 | 歴史・時代物
2012年
彩図社
☆☆

日清戦争から太平洋戦争までの
戦争の起こりから日本軍の戦いを
沢山の資料とともに時系列にまとめられた本で
学校で教わらない部分、をきっちり補える本でした。

教科書にはとても書けないような内容も多く、
ただ、それは日本人としてしっかりわかってなければならないことでもあると思うので
今回、この本を読んでよかったとおもう。

面白いエピソードなどもかかれていて
第一次世界大戦で捕虜となった
ユーハイム氏がバウムクーヘンの実演を行ったという話があり、
戦争の中でも、こういう話があったのかと
面白く思う反面、

第二次世界大戦での日本の玉砕計画に心が痛んだ。

昭和二十年夏、僕は兵士だった  梯 久美子

2012年08月07日 | 歴史・時代物
2011年
角川文庫
☆☆☆☆



実は、この本は今年の初めには購入してたのですが、
せっかくなら、
8月に入ってから読もうと思ってとっておいたものです。

俳人・金子兜太氏
考古学者・大塚初重氏
俳優・三國連太郎氏
漫画家・水木しげる氏
建築家・池田武邦氏

兵隊として戦地に赴いていた五人に著者がインタビューをするといった形で、
作品が構成されている。
将校として、もしくは招集された一般兵としての立場や
戦地が違うがそれぞれが体験した本物の戦争の話だと思いました。

金子氏はトラック島に大尉として配属された。
見捨てられたトラック島での生活、捕虜になったときの話が
淡々と語られる。
淡々とした語り口はよけいに戦争のむなしさをもの語っていた。

大塚氏は、東京大空襲の後、下士官として寿山丸に乗り込むが
魚雷により、船は沈没する。
この時は、済州島に流れ着く。
海を漂白している間の話など胸の詰まる話が多いのだが
特にジンときたのが
氏がもし生きて、日本に帰ることができたなら
もう一度、歴史勉強しなおそうと。

大塚氏のことば
日本は神国であるとか、神風が吹くとか、そういうことではなくて
もっと科学的な目で見た歴史を学びたいと思いました。そして、
子供たちに間違いのない正しい歴史を教える教師になりたい。


この言葉に、この時代、この戦争では、国のために死ぬということが前提の教育。
その教育になんの疑問もなかった時代があったのだと、痛感させられた。

三國氏は徴兵逃れの末、憲兵につかまり中国戦線に駆り出されることになる。
生き抜いて、帰国するまでの話が語られている。

この本の中で、特に淡々としているのに、
涙が出てきてしまった章があった。
それが
水木氏の章だ。
言わずと知れた、ゲゲゲの鬼太郎の作者であるが
氏が配属されたのが激戦区のラバウルである。
自分のいた分隊が氏一人をのこして全滅した話だとか
仲間の死だとか、とにかく”死”の話が中心である。

水木氏が居た隊の大隊長についての記述が

彼の頭には自分の大義と美学をまっとうすることしかなく
部下のことが全く見えないまま、敵にではなく自分の死に向かって突撃していった。
そんな軍人が数百人の人間の生命を預かっていたという事実への何ともいえないやりきれなさ


先ほどの大塚氏の話とシンクロして、何とも言えない気持ちになった。
玉砕命令がでてしまえば、死ぬ以外の選択枝は無かった。

以前、零戦について調べたいたことがあったときに
ある、掲示板にたどり着いたことがあった。
たぶん、中高生くらいの子たちの集まりだと思うのだが、
零戦の特攻につて、
「なんで、あんな効率の悪い戦い方をしたんだ」と、ちょっとバカにしたような文章が目にとまった。
それを見ながら、
そうではない、もう、資金も弾も燃料も、戦えるだけの飛行機もなくして
誰も止めるものがいないから、最後の最後の方法が特攻しかなかった。
もし、資金や弾や飛行機が充分であれば、”効率”の良い戦い方をしたでしょう、
そんな想像力もなくしているのかと、愕然としたことがあった。

池田氏は、軽巡洋艦 矢矧 に乗員
この本を読むまで、この「矢矧」という船を知らなかった。
「矢矧」は秘密裏に作られた巡洋艦でその最後も闇に葬られた船であったらしい。
さらに、その秘密保持のため、矢矧の乗員は靖国にもまつられていないとのことだ。

戦いも終盤に入り、大和を中心とした海上特攻に
この「矢矧」と「冬月」「凉月」「磯風」「浜風」「雪風」「朝霜」「霞」「初霜」
の計10艦

この作戦では、無事、大和が沖縄についたとしても
陸上に乗り上げて砲台として使用する予定だったという。
どちらにしても、大和には”戦艦”としての未来はなかったのだな~と、
しみじみ思った。

一緒に出撃していた、「磯風」の乗組員の話があった。
「矢矧」が自立航行不能となり、「磯風」への移乗を試みた際に
「磯風」もまた、至近弾を受けて航行不能となる。
その時の話が

正直、あの戦いは、大和の主砲が働いてくれさえしたら、あんなに惨めなことにならなかったと思います。
~中略~
視界が効かず、敵機の姿も、ごく近くに下降してくるまで見えない。
それに味方の飛行機は一機も飛んでいないのですから。


この言葉に、この時の戦況がありありとうかがえる。
戦争を戦っていた人たちは、
日本は負けるという気持ちがあったのだとおもう。
しかし、
先日、義父と話をしていたら、
義父が「まさか、日本が負けるとは思いもしなかった。
ずっと、勝っていると言われて、その通りだと思ってたんだ」
と、言っていた。

そこでまた、
大塚氏の話を思いだのだ。

戦争を知らない自分が、戦争について学ぼうとする場合は、
正しい歴史と、証言を聞くしかないです。

大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり  高橋 由太

2011年12月31日 | 歴史・時代物
2011年
徳間文庫



妖怪がからむ事件を担当する妖怪改方の同心、冬坂刀弥が活躍する捕り物話・・
と、言っても鬼平犯科帳のようななんかものすごい事件が起こるわけでもなく、
なんとなく、ほっこりした感じのお話である。

刀弥の行きつけの飯屋には、
許嫁の統子と統子といつも一緒に居る見た目は黒猫の子供の雷獣
飯屋の下働きのカッパ
料理人の落ち武者
料理をするための火の玉などが居て
妖怪を成敗もするが、共存もしている。

ちょっと、重い話を読んだ時の頭休めにすると丁度よさそうな作品である。


天地明察 冲方 丁

2011年03月09日 | 歴史・時代物
2009年
角川書店
☆☆☆

本屋大賞や直木賞候補になっていたので、読んでみようと思った。
大変面白かったが、もったいないという気持ちもある。

渋川春海という囲碁により徳川幕府に仕えていた人間が改暦を実現し貞享暦を作り上げるまでの話である。
会津藩、保科正之や徳川光圀など春海をささえた人物たちだけでも一冊の本になりそうだが、
春海の算術への情熱と藩から命じられて行った天体観測の日本行脚、
さらに、改暦のための、暦勝負など面白い話が満載なのに、
1冊の本であるというのが、”もったいない”と思った。
全体的に、足早に書かれている感じを受けるからだ。特に、後半は事実関係を列挙した形になり、面白いけど残念だな、もっとじっくり読みたいと思わせる本だ。

時代小説であるが、実に読みやすい。
時代小説ファンで、時代小説とはかくあるべし、という方はあっちこっち気になるところもあるだろうが、
単純に楽しみたい場合は、親切な作家だとおもう。
ライトノベルを書かれていたようですが、
ライトノベルを書かれていて、こういった文芸書を書かれている方に共通するのは
”親切”だなと、思う。
難しい言葉をつかっても、さりげなくきちんと説明されている。
どのような年齢層でも理解しやすいように書かれているように感じられる。

暦について少し興味を持った。

盗聴 二・二六事件 中田 整一

2011年02月14日 | 歴史・時代物
2010年
文春文庫
☆☆

NHK総合のドキュメンタリー「戒厳指令『交信ヲ傍受セヨ』」を制作するに至った過程と、
その放送による反響、著者によるその後の調査をまとめたノンフィクションである。

NHKのライブラリーから二十枚の録音盤を発見したことから始まる。
レコードが入っている箱には二・二六事件資料と書かれ、
レコードの中には「2/29北→安藤」と書かれた一枚がありそこから調査がはじまる。

二・二六事件の関係者たちの電話が傍受され、録音盤に録音されているという内容の番組を放映後、
”盗聴”をしていたのは自分であると名乗り出た人物がいた。
彼は、傍受を命令されたことにより人生を狂わされた一人だった。

著者は「2/29北→安藤」と書かれたレコード盤への疑問、
ニュアンスの違う複数の「陸軍大臣告示」について掘り下げてある。

レコード盤に至っては、二月二十九日には北一輝はすでに獄中におり、
北を名乗る何者かが、北を事件の首魁として事件収拾を図るための資料として
つくられた(傍受させた)ものではないかと、著者なりの北を名乗った人物の答えが出されている。

「陸軍大臣告示」は「真意」と「行動」の違いにより、
青年将校らの行動に同調した形になったり、否定になったりと軍部の混乱も垣間見れる。

主要要人を殺害して、都合の良い人材を後釜に据えるというやり方に同調はできないが、
地方の貧困、中央の腐敗を暴露し昭和維新を目指した純粋な気持ちは感じ取りたい。
しかし、この事件により、より軍部の暴走がはじまり太平洋戦争へ突き進む要因の一つになってしまったことも、覚えておかなくてはいけないと思う。

陰陽師「安倍晴明」超ガイドブック 安倍晴明研究会

2010年08月28日 | 歴史・時代物
1999年
二見書房
☆☆



いい加減、立て続けに同じようなものを読んでいると
新しい発見などがなくなってしまう。

そして、この本ですが
晴明について、かなり丁寧に書かれている。

晴明のエピソードを文献をもとに解説されていて
伝奇的ではなく、それなりの解釈と答えがだされていて面白い。
宇治拾遺物語や今昔物語などをちゃんと読んでみようと思った。

安倍晴明&陰陽師大全

2010年08月12日 | 歴史・時代物
1999年
コーエー



立て続けに晴明物を読んでいると、新しい発見はほとんどないのだが、
この本は、
晴明についての面白いエピソードの紹介と
”占い”についての解説
人相占いや夢占いなどの基礎の基礎を説明しているので、
ここから、ちょっと占いなどをかじるには面白いかもしれない。

半分くらいは
人物データファイルのようになっていて
平安の有名どころの人物事典となっている。

入門の入門として面白い。

マンガ 安倍晴明&陰陽師がよくわかる本 川合 章子

2010年07月31日 | 歴史・時代物
2001年
講談社SOPHIA BOOKS




題名にある、”マンガ”というのは
この本では、図解にあたります。

図解があり文章も噛み砕いた表現で
よくわかるように書かれています。

陰陽道の説明と、陰陽道の歴史を日本の歴史と照らし合わせながら
説明してあります。
ただ、今の歴史の教科書を見ていないので
なんとも言えませんが・・・
歴史の解釈が甘い、
日本史と陰陽道というはおもしろかったですが、
いかんせん、時代考証が甘いのが気になった。

たぶん、陰陽師系の本を読むときに
一番初めに読んでいれば、入りやすく良かったのかもしれない。

安倍晴明と陰陽道の秘術 

2010年07月30日 | 歴史・時代物
2003年
新人物往来社

☆☆

こちらの本は、
スーパーヒーロー安倍晴明ではなく、
史実としての安倍晴明を紹介している。

特に、
陰陽道に力を入れて紹介してあり、
写真や図でわかりやすく
儀式の仕方、占いの仕方がせつめいされていて
占いは、実践できるくらいの説明がある。

単純に、陰陽道を知りたい場合はこの本がお薦めである。

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