ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

フルメタル・パニック!ずっと、スタンド・バイ・ミー(上・下) 賀東 招二

2011年03月29日 | 賀東 招二
2010年
富士見ファンタジア文庫



フルメタルパニックシリーズのクライマックス!
ヤムスク11の施設で時間災害により、今の世界が歪んでいることを知る。
そして、その歪みを正しい世界に戻すため、かなめはレナードとともに行ってしまった。

レナードの言う、正しい世界に違和感を感じる宗介は、
ミスリルの生き残りメンバーとともに、
レナードの計画の阻止に向かう。

アフガンで核ミサイル基地が何者かに占拠される。
それは、ミスリルの残党を引き付けるための、アマルガムの作戦だった。

テッサとTDD-1とAIのアルを搭載したレーバテインと宗介が
メリダ島にあるTARUTAROSの破壊、
クルーゾーとマオはアフガンへそれぞれ最後のミッションに向かう。

かなめの精神を乗っ取っているソフィアとかなめの戦い
クルーゾー、マオのAS戦
テッサ、マデューカスの潜水艦戦
宗介のレーバテインとレナードのベリアル
息つく暇もないほどのスピード感で一気に読み切ってしまった。

アルが最後の行動をとる際、
「わたしはは人間ですか、機械ですか?」と、宗介に問うシーンが
心に残った。

空飛ぶ馬 北村 薫

2011年03月22日 | 小説-日本-
1994年
創元推理文庫



殺人事件の無いミステリです。
噺家の春桜亭円紫師匠と落語好きの女子大生の”私”が
日常のささやかな不思議を解き明かす、
本格ながら、ほっとして優しい

主人公の「私」が通っている大学の先生が
”織部”が嫌いであった。しかし、教え子が”織部焼き”を作ってプレゼントしてくれてからは、織部嫌いが治ったのだが、
きらいになった理由は、
子供の頃の記憶に関係していた。
先生の子供の頃、織部の掛け軸が関係しているのだが・・
話の伏線として、一話に必ず一つの話が出てくるが
この話では
落語の「夢の酒」
この話に絡めて、なぜ先生が織部が嫌いだったかの謎を解く

「織部の霊」

円紫師匠と女子大生の”私”が喫茶店で話をしていた。
そこへ、女の子数人がやってきて、奇妙なことを始める。
それを見ていた”私”がマクベスの話を始めたことから
女の子の行っている行為の謎を解く

「砂糖合戦」

”私”は友人と蔵王へ行った。
そこでは、円紫師匠の座があるのだった。
今回の噺は「百人坊主」など・・・
ホテルで、小さな少女と出会う。母親と一緒に来てるとの話だった。
翌日、友人の車でロープウェイに行ったところ、
その駐車場においておいた車のシートだけが盗られていた。
シートだけが盗られるという謎を解く

「胡桃の中の鳥」

夜に現れる赤い姿の子供の謎を解く

「赤頭巾」

酒屋の若旦那が幼稚園に送った
木馬の乗り物が夜のうちに無くなり、朝にはもとに戻っていたという
不思議の謎を解く

「空飛ぶ馬」

砂糖合戦、胡桃の中の鳥、赤頭巾の3作品は
人間のエゴによる出来事で、ややもすると不快な話になるが
たぶん、円紫師匠と”私”の清潔感のある二人による謎解きによって
もの悲しいが穏やかな気持ちで読める。
こういうミステリもたまには良い。

せまるニック・オブ・タイム―フルメタル・パニック! 10 賀東 招二

2011年03月16日 | 賀東 招二
2008年
富士見ファンタジア文庫



レモンとレイスの調査によって、
テッサが探していた都市跡とプラントの場所が判明し、
宗介とともに向かう。

同じころ、
レナードもかなめを連れて、そのプラントへと向かう。

このブラントこそ、
オムニ・スフィアの実験プラント、
敷いては、テッサたちウィスパートが生まれることとなった元凶がここにあった。

テッサと宗介がプラントの核へ向かう途中、
かなめの乗ったヘリがクルツにより撃墜され
プラント内へ墜落する。
テッサと宗介ははぐれてしまうが、その間にかなめとテッサが再会をはたし
核へと向かうが・・・


記事つどうメイク・マイ・デイ―フルメタル・パニック! 9 賀東 招二

2011年03月15日 | 賀東 招二
2007年
富士見ファンタジア文庫



生死にかかわるほどの怪我を負った宗介は
レモンが所属している組織により、ヒバオア島で治療を受けていた。

テッサ達は、残ったミスリルメンバーとともに、アマルガムへの反撃の作戦を開始する。

とらわれたままのかなめは失意の中に居た。

そんな中、アマルガムがヒバオア島に攻撃をしかけてくる、
辛くも逃げきった宗介とレモンは、以前、テッサの紹介で知り合った
元海兵隊員のコートニーの援助により、
かなめの居場所を突き止め、ASの提供を受けて奪還作戦に向かう。

同じころ、
ミスリルメンバーもアマルガムの基地のひとつである可能性がある地域を特定し
作戦を開始するが、そこで宗介たちと再会することができたが、
ここには、ラムダドライバ搭載機があり、苦戦を強いられる。

そんな中、レイスより、とあるASが宗介のもとにとどけられる。

ARX-8レーバテイン 搭載AIは”アル”だった。


吾輩はシャーロック・ホームズである  柳 広司

2011年03月14日 | 小説-日本-
2009年
角川文庫
☆☆



ベイカー街221Bのワトスンの元に、
「シャーロックホームズ」だと名乗る東洋人があらわれる。
その東洋人は偽名を”ナツメ”といった。

この設定の面白さは、夏目漱石がロンドンに留学中、
カルチャーショックや、日本人であることの重責などで精神を病み
読んだ本の世界、シャーロックホームズになりきってしまったというところである。
ただ、”ナツメ”のダメぶりがなんだかちょっと不愉快になるのだが・・

ナツメホームズがあらわれたときは、本物のホームズは事件の捜査の為スコットランドへ行っていた。
そこで、ワトスンは治療の一環としてナツメホームズを引き取ることにしたが、
そんなナツメホームズのもとに、降霊会の招待状がとどく、
ワトスンとその友人スタンフォドも降霊会に招かれていたため、会に参加するが
降霊会のさなか、霊媒師の老婆が毒殺される。

この謎にナツメホームズが挑むが・・・

普通のミステリなら、きっとナツメホームズが颯爽と解決して大団円となるところだが、
この本は、そうでないところが面白い。


天地明察 冲方 丁

2011年03月09日 | 歴史・時代物
2009年
角川書店
☆☆☆

本屋大賞や直木賞候補になっていたので、読んでみようと思った。
大変面白かったが、もったいないという気持ちもある。

渋川春海という囲碁により徳川幕府に仕えていた人間が改暦を実現し貞享暦を作り上げるまでの話である。
会津藩、保科正之や徳川光圀など春海をささえた人物たちだけでも一冊の本になりそうだが、
春海の算術への情熱と藩から命じられて行った天体観測の日本行脚、
さらに、改暦のための、暦勝負など面白い話が満載なのに、
1冊の本であるというのが、”もったいない”と思った。
全体的に、足早に書かれている感じを受けるからだ。特に、後半は事実関係を列挙した形になり、面白いけど残念だな、もっとじっくり読みたいと思わせる本だ。

時代小説であるが、実に読みやすい。
時代小説ファンで、時代小説とはかくあるべし、という方はあっちこっち気になるところもあるだろうが、
単純に楽しみたい場合は、親切な作家だとおもう。
ライトノベルを書かれていたようですが、
ライトノベルを書かれていて、こういった文芸書を書かれている方に共通するのは
”親切”だなと、思う。
難しい言葉をつかっても、さりげなくきちんと説明されている。
どのような年齢層でも理解しやすいように書かれているように感じられる。

暦について少し興味を持った。

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