ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

マーベラス・ツインズ契 (4)貴公子の涙 古龍 , 藤田 香 , 川合 章子

2010年06月30日 | 小説-アジア-
2008年
GAMECITY文庫



前回で、小魚児は亀山へ花無缺は移花宮へ向かうも
途中、花無缺と、ともに行動をしている鉄心蘭は
亀山に向かった小魚児の危険を感じた二人は小魚児を追って亀山へ向かうが・・・

読んでいる読者の方は、
すでにこの二人が双子の兄弟であると分かっているいるので、
なんとも、すれ違いが歯がゆく感じてハラハラする。

純粋な心を持つ花無缺が白夫人の罠に落ちるが、
小魚児も花無缺の危機を知り、探しに行くが・・

で、契シリーズが終了となる。

そして、その後の絆はケータイでの電子書籍として続くようだ。


マーベラス・ツインズ契 (4)貴公子の涙 (GAMECITY文庫)

バッカーノ!1931 鈍行編 成田 良悟

2010年06月29日 | 小説-日本-
2003年
電撃文庫
☆☆



1931年大陸横断特急「フライング・プッシーフット」
この列車に乗り込んだのは、
貨物室のお宝を狙う不良集団
革命テロリスト軍団
ギャング
泥棒カップル
一癖も二癖もあるメンバーが乗り込んだ。

それぞれの思惑により列車の中は
食うか食われるかのサバイバルとなる。

スピード感あふれる展開で一気に読んでしまった。

最後に生きて目的地に着いたのは・・・



バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad (電撃文庫)

「堕天使」がわかる サタン、ルシフェルからソロモン72柱まで

2010年06月20日 | 小説-日本-
2008年
ソフトバンク文庫NF
☆☆


この本は、なかなか良かった。
主要な堕天使は、結構詳しく説明がされていた。
旧・新約聖書と失楽園など文献と照らし合わせているので
より面白く読める。

結局、堕天使とは
一神教による矛盾を表してる部分でもあるので、
堕天使を押さえておくと、聖書などが面白くなる。
一神教においては、堕天使=悪魔であるが、
もとは、他の宗教では”神”である事が多い、
多神教には、いくら神が居てもいいのだが、
一神教はそうはいかない、
そこで天使にしたり、都合が悪ければ堕天使とする。

堕天使を知ることで、
宗教学が楽しくなる。

「堕天使」がわかる サタン、ルシフェルからソロモン72柱まで (ソフトバンク文庫NF)

巷説百物語 1 日高 建男 (著), 京極 夏彦 (著)

2010年06月17日 | 漫画
2008年
SPコミックス
☆☆



京極 夏彦の巷説百物語の漫画版である。
基本的に、ぶーくんは原作のあるものは原作の世界を壊されたくない。
しかも、この作品はドラマ化もされていて
ドラマのキャストも大変イメージぴったりで好きだった。

実際、自分の好きな画風ではないが、
この巷説百物語の雰囲気はとてもよく出ていた。
原作の魅力が生かされた漫画だった。

巷説百物語 1 (SPコミックス)

金鵬王朝 陸小鳳伝奇シリーズ 1 古龍

2010年06月16日 | 小説-アジア-
2006年
早稲田出版
☆☆



小鳳(しょうほう)とは、基本的に女性の名前であるが、
この本の主人公、陸小鳳は四本眉と言われるほどの立派な”髭”をもつ武術の達人である。

ある日、滅亡した金鵬王国の美貌の公主にであう。
王国再興のために、略奪された財宝と亡命した皇子を探してほしいと頼まれ
相棒の花満楼とともに捜索をはじめるが・・・
たどり着いた真相は、びっくりな結末である。


登場人物は、だれもかれもが一癖も二癖もある者ばかり、
古龍特有のハチャメチャで痛快な話である。

金鵬王朝 陸小鳳伝奇シリーズ 1

玻璃の天  北村 薫

2010年06月15日 | 小説-日本-
2009年
文春文庫
☆☆

昭和初期、士族出身のお嬢様とその女性運転手ベッキーさんが
事件の謎を解くシリーズの第二弾である。

ロミオとジュリエットばりの
犬猿の仲の両家手打ちの場での絵画喪失と
過去の事件の謎を解く
「幻の橋」

あしながおじさんの本で仲良くなった友人が失踪する。
その失踪の謎ををとく
「相夫恋」

ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家の謎をとく
「玻璃の天」

今回の3作品を通じてすこしづつ、
ベッキーさんの正体が明らかになる。

この作品は、お嬢様の英子と兄雅吉の何気ない会話がはっとすることが多い。

今回、「玻璃の天」の中で
与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」についての会話があった。
この本の時代背景が昭和9年か10年である。
戦争の足音が聞こえそうな時期、
英子は「身の危険があることだって分かっていた筈よねえ。それでも、真情を吐露出来たんだもの、何とも、たいした人よね」
と、兄に話す。

実際、自分もそう思っていた。
”弟”の為に、そして皆がいえない事を代表してと・・・

ところが、
雅吉は、自分が軍隊に居る時にそんな詩を姉が発表したら、
軍隊での自分の立場がなくなって
決死隊に志願して死ぬよりなくなる。

と、答えているのを読んで
なるほど、
一見”弟”の無事を願っているようで
弟を犠牲にして自己主張しているとなる。

本を読んで、新しい知識を仕入れる事もたのしいが、
今回のように、はっと目を開かせてもらえるところも
本の面白さかもしれない。




玻璃の天 (文春文庫)

眠れなくなる夢十夜 「小説新潮」編集部

2010年06月13日 | 小説-日本-
2009年
新潮文庫



ぶーくんはキライではないが、
好き嫌いがはっきりと分かれそうである。

題名のとおり
夏目漱石の夢十夜を意識したアンソロジーというのでしょうか

参加作家さんは
阿刀田高
あさのあつこ
西加奈子
萩原浩
北村薫
谷村志穂
野中柊
道尾秀介
小池真理子
小路幸也

いずれも
こんな夢を見た・・・
からはじまり、
夢か現実かわからないような物語である。

パラレル、夢想など非現実的ストーリーが好きなら
読める、
もしくは
夏目漱石の夢十夜を読んでいればそれなりに楽しめるように思う。
ただ、
ぶーくんは夏目漱石の夢十夜が甚だ好きである。
あのインパクトを知っていると、
この作品は、若干精彩に欠ける。

あと、夏目漱石の「こころ」を読んでおくと
この作品の最後の物語が実に面白く感じる。
こんなハッピーエンドがあるのだなと思った。

眠れなくなる夢十夜 (新潮文庫)

楽しい古事記 阿刀田 高

2010年06月09日 | 歴史・時代物
2003年
角川文庫
☆☆☆

面白い!!
阿刀田氏のこのシリーズは実に面白い。

古事記の紹介であるが、
基本的にはエッセイである。

古事記の面白いところを紹介していて、
さらに由来する場所へ阿刀田氏が行ったときの話を織り交ぜ、
実にわかりやすく、想像しやすく書かれている。

古事記にでてくる神様達の名前は
ことのほかめんどくさい。
漢字の羅列だったり長いカタカナだったり、
そんな名前についても
わかりやすくせつめいして、記憶に残りやすい。

ちょっと、古事記を知っておこう!
と、思ったら実に有効な本だと思う。

楽しい古事記 (角川文庫)

吉原手引草 松井 今朝子

2010年06月05日 | 小説-日本-
2007年
幻冬舎
☆☆☆



う~ん、うまい!って感じである。

若い男が”葛城”という花魁について
遣手・幇間・楼主・女衒など次々と話を聞いていく
はじめは、なんの話なのかどういうことなのかわからず
読んでいくが、途中から”葛城花魁”が失踪したようだとわかる

さらに、話を聞いていくうちに
葛城花魁の人物についてわかっていき
なぜ失踪したのか、どういう事件だったのか
すこしずつわかってくる

話を聞く男性は、廓がはじめてという設定である為、
話をする人たちが、すこしづつ廓についてのしきたりなどを
説明している。
そこが、読んでいる自分にもわかりやすい。

最後の謎が解けたときに、
なるほど~と、うなってしまった。

吉原手引草

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