ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

古い骨 アーロン・エルキンズ

2009年02月26日 | 小説-海外-
1998年
ミステリアスプレス文庫
☆☆☆



スケルトン探偵シリーズの一作目。
オリバー教授が、骨から死因などを探り出し、犯人を探し出すと言う探偵小説である。

モン・サン・ミシェルの浜辺で富豪の老人が亡くなった。
老人の館の地下からは古い骨が発見されて
フランスに訪れていたオリバー教授のもとに警察から骨についての検証を依頼されて、事件に巻き込まれる。

その館でおこる事件を地下から発見された古い骨から謎を解いていく。

専門用語などは、わからないがそれでも
風景などの描写がすばらしく、楽しめる。

探偵になりたい パーネル・ホール

2009年02月24日 | 小説-海外-
1998年
ハヤカワ・ミステリ文庫
☆☆

控えめ探偵スンタンリーが活躍する一作目
探偵といっても、事故専門の調査員であるスタンリーがひょんなことから殺人事件に巻き込まれる。
いわゆる”探偵小説”とは違って、大丈夫?って感じの探偵である。

なぞ自体はそれほど難しいわけではないが、
文章が面白い。ユーモアたっぷりである。

「世界の神々」がよくわかる本 造事務所

2009年02月24日 | 小説-日本-
2005年
PHP文庫
☆☆



ギリシャ神話
北欧神話
ケルト神話
インド神話
メソポタミア神話
エジプト神話
クトゥルー神話
7つの神話から紹介されている。

ギリシャ神話・エジプト神話は有名なのでよくわかるが、
その他の神話はよくわからないと思っていた。

しかし、この本をみてみると名前をしってるものが結構あるのだ。
北欧神話のオーディーン、ロキ、バルキリーなど聞き覚えがある神さまも
何処の神話か分かってなかったが、
なるほど、北欧神話だったのかと再認識した。
ニーベルゲンの歌とか指輪物語も北欧神話であった。

ケルト神話はよくわからなかったので勉強になりました。

インド神話は日本の仏教にもつながる部分もある為、
殆どは聞き覚えがあるが、細かいエピソードなどはわからない神様もいた。
そのなかでも、パールバァティーとガネーシャの話はかなり笑える。

メソポタミア神話では
ギルガメッシュやイシュタルティアマトくらいは知っていたが、
ほかは初めて知った神さまがいっぱいである。

エジプト神話はほとんど名前は知っていても系譜はよくわからなかった。
しかし、エジプト神話にでてくる神は顔が動物というのが多い。
神だけに神秘的である。

クトゥルー神話は、ラヴクラフトが創り出した近代神話で、
イメージ的に映画のエイリアンのようだと思っていた。
あたらずとも遠からじといったところか・・・

封神演義 安能 務

2009年02月23日 | 小説-アジア-
1998年
講談社
☆☆☆



大変面白い。
基本は、姜子牙(太公望)が武王を助け、紂王を討伐するとう話であるが、
”演義”というだけあって、それだけではない。
姜子牙は紂王を倒すということと共に、
人・仙人・精霊を”封神”するという使命をうける。
だから、道師・仙人・精霊・武人が入り乱れての戦いとなる。
宝貝(パオペイ)という秘密兵器を使用しての戦い。
SF並みの迫力です。

毒草師 高田 崇史

2009年02月22日 | 高田 崇史
2007年
幻冬舎
☆☆



Q・E・Dのスピンオフ作品というのだろうか、
本編Q・E・Dでは、漢方薬局に勤める歴史オタクの桑原崇が探偵役であるが、
その桑原にキャラがかぶる感じで歴史通の”毒草師”御名形史紋が出てくる。
この本は、その御名形史紋が探偵役として出てくる。

鬼田山家でおこる事件に伊勢物語を絡めている。
鬼田山家の先々代が一つ目の子山羊を撲殺したという逸話から、
「一つ目の鬼」というフラグがたち、
タルタロス、キュクロープスなどから
伊勢物語の謎解きと毒薬による”一つ目の山羊”の謎
さらには鬼田山家の謎を解いていく。

本編は棚旗奈々というヒロインと変人桑原崇というコンビがでてくるが、
こちらは、出版社の編集者・西田真規が”寅さん”的な感じでヒロインと恋の予感をちらかせつつも事件が起きて巻きこまれ史紋をひぱっり出すと言う図式となる。

ミス・メルヴィルの後悔 イーヴリン・E・スミス

2009年02月20日 | 小説-海外-
1997年
ハヤカワ・ミステリアス・プレス
☆☆



ミス・メルヴィルは名家のお嬢様だ。
と、いってももう”おばさま”だが・・・

名家とはいえ、貧乏暮らしで美術教師という職も失ってしまう。
自殺をしようと思っていたが、ひょんなことから職がみつかる。
それは、”殺し屋”という職業であった。

没落してはいるが、名家の出である彼女が
その出自をいかして品のいい?殺し屋という妙な設定。
全体的に、ユーモアがあって非常に読みやすい本である。

歓楽英雄 古龍

2009年02月19日 | 小説-アジア-
1999年
学習研究社





お気づきだろうか?
この本の帯・・・
上「いきる歓び」
中「競う楽しみ」
下「真の英雄」
で歓楽英雄となってます。そしてこの本は上中下巻の三冊です。

富貴山荘の主、王動のもとに、すっからかんの郭大路がやってきて意気投合する。
ところが、そこに燕七、林太平がやってきて・・・
さらに、山荘のふもとで起こった財宝強奪事件に巻き込まれる。
痛快武侠小説である。

主人公郭大路はバカつくほどのいい奴で、
許婚にはだまされるし、気になる子は男の子だと勘違いして悩みまくる。
武芸は一流だが、なんだか抜けてる主人公という古龍の魅力がたっぷり出ている作品である。

闇の子供たち 梁 石日

2009年02月18日 | 小説-日本-
2009年
幻冬舎文庫
☆☆



タイの山岳地帯の家族の話から、幼児売買・幼児買売春・臓器売買の話と
幼児を守る為のNPO団体に参加する日本人女性と新聞記者の話が同時進行していく。

その一家は、八歳のヤイルーンを売ったお金で冷蔵庫とテレビを買った。
村のだれもが持っていない自慢の品となった。
まるで畑で育てた野菜でも売るようだ・・・
1年後ヤイルーンはエイズを発病し商品として役に立たなくなる、
すると、ゴミ袋に入れてごみ集積所に捨てられる。

そんな人を知ってます、私もエイズになったらゴミのように捨てられるかもしれない。と、NPO団体に手紙が届く、
調査をするにも、警察も軍もマフィアも繋がっていて身動きが出来ない。
所長の正義感だけで思慮の欠けた行動により、
仲間を失う事になる。

ヤイルーンが売られた2年後8歳になる妹のセンラーも売られていく
そのお金で親は中古の原付バイクを買った。

NPO団体は日本の新聞社に協力を依頼する。
新聞社はさらに臓器売買についての調査を行っていた。
日本人がタイで心臓移植をするという。
それは、すなわち人身売買でうられた子供の命を奪う事になる。

センラーは売られてすぐから、客をとられていたが
ある時から、食事も毎回食べられて”仕事”もすることなく
清潔な服をきて、掃除された部屋ですごすようになった。
それは、最後の”大仕事”のための準備でしかなかった。


たしか、「深夜特急」の中でも貧しさの為、少女が売春をしなければならいというエピソードがあった。

読んでいて胸が苦しくなった。

墓地を見下ろす家 小池 真理子

2009年02月17日 | 小説-日本-
1993年
角川ホラー文庫
☆☆

都心で新築そして格安、申し分ない新居を購入した。
ただし、唯一の難点は周りを墓地にかこまれていたというくらいか・・

ところが、楽しいはずの新居での生活が少しずつおかしくなっていく。

周りでは不可思議な現象が起こり、
住人達も、一人また二人と購入したばかりの家を手放していく、
最後には2世帯のみがのこり、
そのうちの1家族が引越しをして出て行ってしまう。

のこされた家族は、
見えざる者達により、外に出られなくなりさらには部屋からも出られなくなる。
外部と遮断された部屋に取り残された家族は・・・・

兎に角、怖い。

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