ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

テンペスト 第一巻 春雷 池上 永一

2011年06月30日 | 小説-日本-
2010年
角川文庫


沖縄へ旅行に行くのは好きであるが、沖縄の歴史と言うのはよく知らない。
とくに、琉球王国となると、さっぱりだし、その時代を舞台とした本が見つけられなかったというのが正直なところ。
そこで、この本が琉球王朝最後の王朝を舞台として、
有名な首里城が舞台となると、それは読んでみよう!と、思った。

嵐の夜、一人の子供が生を受けようとしていた。
父親は、孫氏再興の為、男子を望んでいたが生れ出たのは女子であった。
そのため、その子には名前をあたえず、
親戚から男の子を養子にもらって、生まれた娘はいないものとして生活していた。

成長した娘は、親から名を与えられることなく、自ら「真鶴」と名を付け
隠れて学問をしていた。
養子の嗣勇は孫氏の跡取りとして、また真鶴の兄として生活をしていたが、
孫氏の跡取りとして、
王宮へ出仕するための「科試」(中国の科挙のようなもの)を突破するため
父からもう特訓を受けているが、学力上がることがなかった。
嗣勇は養子にならなければ、王宮での踊り子(女形)となることを夢見ていたのだ。
ある日、父親からの激しい訓練に耐えられず、逃げ出して行方知れずとなる。

逃げた兄、嗣勇を守るためと、自分が生きるために
宦官と称して「科試」合格を目指すと、父親に宣言し、
真鶴という女を捨て、寧温という宦官として生きていく道を選ぶというもの。


初めのほうだけ読んだ時に、「科試」を目指しているあたり・・
あああ・・面白いなと、思って他の2巻~4巻を購入したが、
科試に受かったあたりから、もう進まない・・・・
実際、この1冊読むのに、ものすごい日数がかかってしまった。
大体において、
わたしは宦官ですっ!で、通るもんなの?って、ところから
その寧温が色気がムンムンで同期の青年やら、がくらくらしてるとか・・・
自分としては、琉球時代小説的なものを想像していたが、
ラブロマンス・・・そうだな・・・ハーレクイーンロマンス系というか・・
韓流ドラマ系と言ったらわかりやすい。
主人公は、一途で頑張り屋しかも美人、そして周りからいじめられながらも問題をクリアする。
ところが、問題をクリアすると、次々に問題がでてくるが・・・みたいな・・・

あと、3冊・・・・

他の本を間に入れながら、気が向いたら読むことにします。

謎解きはディナーのあとで  東川 篤哉

2011年06月19日 | 小説-日本-
2010年
小学館



一言で言うと、ミステリとかそういうものではなくて
なぞなぞ本だとおもえば面白い。

6つの短編からなっていて
お嬢様刑事が直面する殺人事件の謎を
話を聞いてその謎を解く執事の話である。

まず、事件現場での状況説明がありその時点できっちりと謎を解くためのパーツを提示してある。
それを見て、自分でもある程度推理してみて、最後は執事の謎解きと合わせてみるといったものだ。
謎自体はそれほど難しい物でもなく、
ありきたりな謎を丁寧ながらも辛辣な執事の語りで面白くしている。

ただ、基本的に「なぞなぞ本」であるため、
本来、ミステリとかで殺人にいったった経緯や心理状況などをしっかり読みたいという方には
まったくお勧めできない。

面白いといえば面白いが、
やはり物足りなさがたっぷりである。

そして、この方式の作品だと
2作品までくらいは新鮮で楽しかったのだが
あとはちょっと飽きてしまった。

Amazonなどで、酷評なのがなんとなくわかった。

カンナ 天満の葬列 高田 崇史

2011年06月18日 | 高田 崇史
2011年
講談社ノベルス




出賀茂神社の跡取りで忍者の末裔である甲斐が
盗まれた社伝の行方を探しながら、歴史の謎を解くシリーズの第7弾。

実際、あまりすきなシリーズではないが、
ほとんど惰性で読んでいる。

今回は、菅原道真が大怨霊といわれる訳を考査する。

丹波が何者かに襲われ、海に投げ込まれ怪我を負った。
大学に復学した貴湖は急ぎ帰郷する。
丹波が拉致される際に聞いた声が志乃芙に似ていると聞き
甲斐は志乃芙に会いに行くが・・

連絡を受けた龍之介も
謎の組織に襲われかけたところを諒司に助けられる。

甲斐は、婚約者の”家”に狙われることになる。

物事が一気に動き始めて、ようやく面白くなってきたな・・と、いう印象を受けた。

心霊探偵八雲 SECRET FILES 絆 神永 学

2011年06月12日 | 小説-日本-
2009年
角川文庫


八雲シリーズの外伝的なもの

八雲が中学の時の話である。

中学生の八雲はクラスから浮いた存在だった。
その八雲をなにかと気遣う担任の高岸明美が家庭訪問をすることにした。

一方、クラスでは八雲を肝試しに誘う。

明美が訪問した八雲の保護者の一心は
むかし、自分の家庭教師をしていた人だった。

肝試しにはもちろん、八雲は参加せず、
参加した4人で校内に入ったが、
その桜の木の下で一人の少女が異変をきたした。

取りつかれた少女を助けるとこで
八雲は自分の大切なものを失うことになる
「それぞれの願い」


公園で連続殺人事件が起こる。
さらに、その公園には少女の霊がでるという噂があるという。

後藤に乞われ、しぶしぶ重い腰を上げる八雲
少女の言葉を聞いて事件解決のために動き出す。

このシリーズは、基本的に答えがあってからの証拠さがしとなる。
それはそれで、面白い。

阪急電車 有川 浩

2011年06月11日 | 有川 浩
2008年
幻冬舎



初めて有川浩さんを読んだのは「空の中」という作品だった。
非常に面白かった。
いつも、有川さんの作品を読むときは「空の中」のような作品を思い描いて読んでいるが
どうも、「空の中」だけ違うのでしょうかね・・・

この作品はAmazonなどのレビューでも高評価なのですが、どうも私はピンとこないです。

阪急電鉄の電車の中や駅で起こる、日常の中の小さな事件(?)
その場にいる人たちの生活や人生がささやかに交差する。

図書館の帰りの電車でよく見かける女性が隣に座った。
実は、ちょと気になっていた人だった、
その女性が電車の窓から外を見ている、気になってその彼女が見ている方向をみると・・
川の中州に文字のオブジェのようなものがあり、
二人は話に花を咲かせる

そして、その声が漏れ聞こえていたのは

婚約者を寝取られ、ささやかな復讐のために
二人の結婚式に白いドレスで出席した帰りの女

そのドレスを見て喜ぶ孫とともに電車に乗り込んできた年配女性
その年配女性は白いドレスの意味を感じ取り、
ちいさなアドバイスをする。

そのドレスを着た女を見ていたカップル
結婚式での来賓の白いドレスについての話から
彼氏の方が一方的に不機嫌になり当り散らす
部屋などでも殴られたりけられたりしながらも別れられずにいた。
彼氏がその彼女を置き去りにして去って行ったあと
先の年配女性が一言
「下らない男ね」
その一言で冷静になり別れることに決める

と、決めたはいいが心が揺れているところにあらわれた
数人の女子高生
彼女たちの話を聞いて、こころは固まる

・・・

と、言った感じ前半は登場人物の現在の状況
後半で、彼ら彼女らの問題の解決

本の薄さにもかかわらず、
沢山の登場人物を出しすぎて、全体が薄い
どう考えても、おばあさんの一言で解決するような話じゃないと思うが
解決してしまう。
そもそも、電車の中で知らない人通しがこんなに気安く話をするのかな~など、突っ込みどころも満載だ。

あと、勧善懲悪というのでしょうか、
最後の方で、マナーの悪いおばさんを撃退する部分があるが、
小さな物語を積み重ねた最終的な終点はそこ?って感じである。

読んだ後も、なにも残らずヒマつぶしにはもってこいだが、
結構、残念な作品かな・・・

恩田陸さんの「ドミノ」を読んでいるので
ついつい比べてしまうが、「ドミノ」にくらべるとかなり薄っぺらな印象です。

ただ、あくまでも私の意見でAmazonのレビューの評価は高いです(何度もいいますが・・・)


流星の絆 東野 圭吾

2011年06月10日 | 小説-日本-
2008年
講談社
☆☆


面白いか面白くないかであれば、間違いなく面白いと思う。
ただ、ミステリだと思うと「え~~~~~~っ」ってなるが・・・

子供の頃、兄妹3人で流星を見るために夜、家を抜け出した。
その日、雨が降ってきて流星を見ることができず
三人で家に帰ると、洋食屋を営んでいた両親が殺害されていた。

身寄りのない三人は、施設に預けられ
流星を見ながら、両親を殺害した犯人をきっと捕まえようと誓う。

そして、14年時効も近くなったころ
三人は、結婚詐欺師として、生計を立てていた。

ターゲットととして、注目したのが
洋食チェーンの御曹司
ところがその洋食店トガミ亭のハヤシライスは父親のハヤシライスと同じ味がした。
急きょ、結婚詐欺から犯人を追いつめるべく仕掛けるが・・・・

両親を殺害された兄妹の話と言う割に、
詐欺師ということで、それほどの悲壮感を感じさせず
軽快に読むことができた。
ただ、最後の犯人がわかる段階で
「ええええええええええ」っと、いう気持ちが勝って
なんとなく、最後は消化不良気味

ミステリだと思うと、納得できないが
安心して読める本だと思う。

凶鳥の如き忌むもの  三津田 信三

2011年06月08日 | 小説-日本-
2006年
講談社ノベルス



Amazonの評価とかは結構高いようですが・・・・・

実際は禍家とか凶宅はおもしろくて、そのノリで読んでみることにした。

ミステリとホラーの融合と書いてあったので、
期待していたが、一体どこがホラーでどこにミステリがあるのかわからない
なんだか、中途半端な感じを受けるのは自分だけだろうか?

18年ぶりに行われるという「鳥人の儀」の取材に小説家・刀城言耶は
瀬戸内にある鳥杯島に向かう。
18年前に行われたとき、儀式の後、儀式を執り行った巫女が密室状態の祭場から消え、
儀式を見守っていた8人のうち7人が亡くなった。
唯一の生き残りが今回の鳥人の儀を執り行う巫女であった。

今回の儀式を執り行う巫女が小さいときに、
自分の母親である巫女が姿を消してしまい、
伝説の「鳥女」が出現し、7人の命を奪っていったという
再び、その娘である巫女がこの鳥人の儀に挑むことになるのだが、
巫女が儀式の最中に行方が分からなくなり、
言耶が巫女消失の謎に挑む。

ただ、結論が
大どんでん返しというよりは
え?!そんなこと?って感じでなんとうか肩すかしだった。

そして、今回も

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