ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

日本史漫遊 井沢 元彦

2010年03月26日 | 歴史・時代物
2005年
小学館文庫



「逆説の日本史」の井沢元彦氏がそれぞれのテーマの第一人者との対談を本にしている。

全8章からなっており、大雑把に書くと
古墳・義経北行・足利義満・信長の兵力・忠臣蔵・良寛・日本・言霊
と、いうことになる。

判官贔屓のぶーくんは、義経は生き延びて北へ向かったと思いたい、
出身の北海道には義経神社(ぎけい)や義経山があるので、
北海道まで落ち延びて、機会を伺っていたと思いたいが、
やはり、平泉で奥州藤原氏と運命を供にしたというのがしっくりきます・・・
そのあたりを高橋克彦氏と対談してます。

あと、忠臣蔵なんかも
ぶーくんは、赤穂浪士を支持する側ではなく、
吉良上野介が悪者として、書かれていることに疑問を感じているので
この対談は面白かった。
忠臣蔵と、四谷怪談がワンセットであるという話は有名であるが、
そういうつながりも、面白い。

言霊は、井沢氏の著作を読むと、
ちょくちょくでてくるワードである。
言葉には魂が宿る、だからその通りになる。
負けそうだと、言葉に出せば負けてしまうし、
誰かを呪えば、呪いが本物となる。
日本の原点が言霊だとうことだろうか、
わたしは、結構、言霊という言葉が好きである。

日本史漫遊 (小学館文庫)


歴史の顛末 その人物はどこへ消えたか?

2010年03月21日 | 歴史・時代物
2002年
青春出版社
☆☆

なかなか面白い。
歴史上の有名人は有名なエピソードのみ伝わり、
その後どうしたのか、その人物のファンであるとか、
興味がなければその後を知る事がない。
この本は、さまざまな人たちのその後が紹介されている。

間宮林蔵のその後だとか、
東海道中膝栗毛の作者十返舎一九のびっくりな最後、
那須与一にいたっては、屋島の戦いの扇のくだりくらいしか
知らなかったが、彼のその後などなど

ちょっとした雑学として楽しめる本だった。


日本人が知らなかった歴史の顛末―その人物はどこへ消えたか? (青春文庫)

Dの魔王 柳 広司 (著), 霜月 かよ子 (著)

2010年03月19日 | 漫画
2009年
ビッグコミックス
☆☆



柳 広司原作の「ジョーカー・ゲーム」の漫画版である。
原作のある漫画というのは、
原作が魅力的であればあるほど、難しい。
ドラマや映画と同じだと思うが、これはかなり面白い。

作画が綺麗な事、原作の基本軸はブレず、うまいアレンジをしている。
「ジョーカー・ゲーム」と 「幽霊(ゴースト)」が収録されていて、
原作もそうだが、やはり「ジョーカー・ゲーム」は読み応えがある。
スパイ容疑がかかった外国人のコードブックの隠し場所、
生粋の軍人では見つけることの出来ない場所をD機関は見つけ出す。




Dの魔王 1 (ビッグコミックス)

蒼夜叉 高橋 克彦

2010年03月18日 | 小説-日本-
1991年
講談社文庫



雑誌社に勤める万梨子と、カメラマンの律子は青森にあるキリストの墓の取材に行く。
そこで、万梨子は首吊り自殺の現場を目撃してしまう。
さらに、そこには謎の箱をもった美少年、観音寺崇史が立っていた。
万梨子が放心していると、剣(ハバキ)という青年が現れた。

事件からひと月、今度は怨霊についての記事のため、
律子とともに京都の御霊神社に向かう、
そこでガイド兼ボディーガードとして現れたのが剣(ハバキ)だった。

御霊神社・鬼ノ城・白峰御陵と取材をしていくうちに、
観音寺崇史と彼の持っていた箱の謎が明らかになっていく。

箱の中身もさることながら、怨霊の上下関係が面白い。
初めは、歴史ミステリなのかと思ったが、ホラーの括りになるようだ。


蒼夜叉 (講談社文庫)

マーベラス・ツインズ契 (3)いつわりの仮面  古龍

2010年03月18日 | 小説-アジア-
2008年
GAMECITY文庫
☆☆



3ヶ月後の対決まで、友達となった小魚児と花無缺であったが、
小魚児は移花宮の手によって捕らえられてしまう。

一方、花無缺は燕南天と行動を供にしていたが、
江別鶴と江玉郎親子の卑劣な技に燕南天がおちる。

そこで、燕南天の真実を小魚児と花無缺が知る事になる。

ここにきて、ようやく花無缺が何故小魚児と戦わなければいけないのか疑問に思う。
二人の関係を読者は分かっているけれど、
当の二人はわからない、そこがまた読んでいてハラハラする。

マーベラス・ツインズ契 (3)いつわりの仮面 (GAMECITY文庫)


マーベラス・ツインズ契 (2)めぐり逢い 古龍

2010年03月17日 | 小説-アジア-
2008年
GAMECITY文庫
☆☆



江別鶴の正体を公のものにしようとする小魚児は、
江湖の名門・慕容家と江別鶴を公の場で戦わせる事に成功したが、
江別鶴の代わりに戦いの場に現れたのは花無缺だった。

そんな中、十人悪人のうち5人が悪人谷を出て、小魚児の前にあらわれる。
そして、小魚児の命の恩人で、父親である江楓の義兄燕南天が江湖に戻ってきて
再会を果たす事ができたのだが・・・

さらには、3ヶ月後に花無缺と対決をする約束をする。

話は、複雑に絡み合って進んでいく。

マーベラス・ツインズ契 (2)めぐり逢い (GAMECITY文庫)

マーベラス・ツインズ契 (1)だましあい  古龍

2010年03月16日 | 小説-アジア-
2008年
GAME CITY文庫
☆☆



花無缺に敗れた小魚児は、見世物一座「海家班」に身を隠し、
前作で手に入れた武芸の秘伝書の技を習得していた。

そんなとき、大切に思っている鉄心蘭が毒殺されようとしていた、
黒幕は世間では義侠といわれている江別鶴だった。
江別鶴親子の正体を白日の下にさらそうと
姿を隠したまま小魚児が動き出す。


マーベラス・ツインズ契 (1)だましあい (GAME CITY文庫 こ 2-4)

辺城浪子 古 龍

2010年03月15日 | 小説-アジア-
1999年
小学館文庫
☆☆☆



主人公は二人、葉開と傅紅雪
ただ仇討のために育てられた傅紅雪と
江湖を明朗にわたっていく葉開
明の葉開と暗の傅紅雪が運命の糸につながれたように出会うことになる。

敵を探して旅をする傅紅雪に友情を感じる葉開だが、
最後、敵を追い詰めた時に、ある秘密が明かされる。

古龍特有のやや強引ながらも痛快さ、さくさく読める。

辺城浪子〈1〉 (小学館文庫)



シアター! 有川 浩

2010年03月14日 | 有川 浩
2009年
メディアワークス文庫
☆☆



父は売れない俳優だった、
そして、弟は学校でいじめられ話すらできず唯一話ができるのが兄である司だった。
少しでもコミュニケーションができるようになったらと思った母親が
弟に演劇を習わせることにしたのだが、
そこで思わぬ才能があったことに気がつき、弟も物事をアピールすることができるようなった。


時は流れて、その弟は採算の取れない劇団の主宰者となっていた。
ある日、司のもとに300万円の借金を申し出てきた。

そこで司は、300万円を無利息で貸す代わりに
劇団の利益のみで2年以内に返還することを条件とし、
もし返せなければ劇団を潰すという。

司の采配により劇団の立て直しが始まるのだが・・・

実に、軽快で楽しく読める。
一見つめたそうな印象の司であるが、
弟を大切に思っているのが伝わってくる安心して読める本だ。

ただ、最後が尻切れトンボで終わっていて、
劇団の行く末がきになるところだが、もしかしたら続編が出るのかもしれない。


気になったらチェック↓

シアター! (メディアワークス文庫)

悪魔の飽食 新版  森村 誠一

2010年03月10日 | 小説-日本-
1983年
角川文庫
☆☆

一時期、問題になった作品である。
今回は新版ということで、
捏造写真などの”不確かな”写真等は省かれたものである。

内容は、太平洋戦争中の731部隊の悪行を暴くという本である。

実際、たいへんナーバスな問題で、
この本では、731部隊が細菌兵器の開発、およびその実験において、
多数といっても三千人におよぶ捕虜もしくは非戦闘員を人体実験に利用したという話がメインである。

ただ、この本を100%鵜呑みにしていいのかというと疑問がのこるが、
戦争が人間を”人”であること忘れさせてしまうということはよくわかる。

思うことはたくさんあるが、文章にするのは難しい。

遠藤周作の海と毒薬を思い出した。


悪魔の飽食 新版―日本細菌戦部隊の恐怖の実像! (角川文庫 も 3-11)

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