ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

屍鬼 5 小野 不由美

2010年10月24日 | 小説-日本-
2002年
新潮文庫
☆☆


最後の一冊、
最終巻だけあって、スピード感がすごいです。で、一気に読み切ってしまった。

何かがおかしいと、村の人々は気が付いてくる
そこで、大がかりな虫送りを行って、災厄をはらうことにした。

尾崎は屍鬼に恭順する態度を見せて、
お祭り会場へ誘い出し、そこで屍鬼の正体を白日の下にさらすことに成功する。
そして、仲間をつのり反撃を始める。
村中の死鬼を探し出し、杭を打ちつけていく


静信は自ら、屍鬼の首領の元へ行く。
そこで、屍鬼の苦悩を知る。
尾崎たちが、屍鬼の首領の居所を突き止めたとき静信の取った行動は
屍鬼を逃がすことだった。

夏野は起き上がることはなかった。
夏野を襲った徹は、襲わなければ飢えてしまう、
しかし襲って人を殺すことに罪悪感を感じ続ける

看護師だった律子は人を襲うことを拒否して本当の死を望む。

恵は生まれ変わったことを嬉々として受け入れ、
最後まで、生き延びるすべを探し続けるが

死ぬとはなんなのか、生きるとはどういうことなのか、
また、人間は生きるために他の動物を殺す
屍鬼もまた、生きるために人間を殺さねばならない。
それならば、屍鬼を悪と決めつけてよいのだろうか
”正義”とは、
とらえる側で180度かわってしまう。


屍鬼4 小野 不由美

2010年10月23日 | 小説-日本-
2002年
新潮文庫
☆☆


尾崎の妻が発病した。
尾崎は、一人妻の様子を見ることにした、それは生かすためではなく
起き上がり(屍鬼)の息の根を止める方法模索するためだった。
その事実を知った静信は尾崎と袂を分かつことに・・

夏野は、屍鬼となり屍鬼であることに苦悶する親友のために
抵抗することをやめてしまう。
そして、夏野は死んでしまう。
その時、すでに発病している夏野の母は、夫の結城をのこして失踪する。

夏野とともに、真相に気付いたかおりと昭の家族にもそれはやってきた。
父と母、そして昭をも失ったかおりは静信の元へ自分の戒名をもいらいにいく。
次は、自分の番だと訴えるかおりに静信はここを痛める。

加速をつけて村が崩壊、屍鬼の村へと変わっていき
すでに、医師も僧侶も不要になり
尾崎も屍鬼のターゲットとなる。

屍鬼となった人間の苦悩や残されたものの苦悩が
胸を打つ。



屍鬼3 小野 不由美

2010年10月19日 | 小説-日本-
2002年
新潮文庫
☆☆


医師の尾崎と僧侶の静信は、伝染病のようなものの正体をおぼろげながらつかみつつあった。

依然として、死者の数が増え、転居者も増えていく。
尾崎と静信は、伝染病ではなく、
村の伝承にある”起き上がり”ではないかと考える。
そして、死んで埋葬された人間の棺を確認することにした。

高校生の夏野は、夏野にあこがれ毎日のように、夏野の部屋の窓を木陰から見ていた少女、恵の気配を感じるようになる。
死んだはずの恵の気配を感じながら、
村の異変は、”起き上がり”ではないかと、考え初め
恵の親友のかおりとその弟、昭とともに恵の墓を暴きに行ったが・・・

この村は、回りから隔離された土地であり、
いまだ土葬の風習が残っていた。

真相に、近づきつつある尾崎の妻も発症する。
そして、夏野のもとにも”彼”がやってくる。


屍鬼2 小野 不由美

2010年10月16日 | 小説-日本-
2002年
新潮文庫
☆☆


尋常ではないスピードで人々が死んでいく。
夏風邪の様な倦怠感、検査をしても貧血以外の症状がないのに、
3日もすると、死亡する。

村の医師、尾崎は伝染病を疑うが、
伝染性のウィルス等が見つからない。
救いたいのに、救えずどんどん人々が亡くなっていく。

幼馴染の僧侶、静信と秘密裏に調査を始める。

尾崎は、死亡者の血液の採取、検査
静信は、死亡者の家族の話。

そこで、
静信は、死者たちの意外な共通点を発見する。
発症らしき症状の後、村外に働きに出ているものは皆、なくなる直前に退職しているのだ。
さらに、村内で死亡していないものは発症らしき症状の後、深夜に引っ越しをしている。
その、引っ越しをしているのが、いつも同じ高砂運送だった。


無二の親友を亡くした、高校生、夏野は自分の周りになにか
おこりつつある気配を感じて・・・・

1巻で紹介されていた人々が、次々と原因不明の病気で亡くなっていく。
いまのところは、何が起こっているのか、
どうなっていくのか、ハラハラするという感じである。

屍鬼1 小野 不由美

2010年10月11日 | 小説-日本-
2002年
新潮文庫
☆☆


全5巻のうちの1巻目

外部と遮断されたような外場村、
村に似つかない洋館が建ち、
深夜にトラックがやってきた。

山奥の集落で発見された3人の住人の死体。
連続する、病死
それは、ただの病死なのか伝染性のものなのか

1巻目でもあるので、
村人たちの生活や、考え、人間関係などの説明の合間にも
不思議な死人がでる。

外場村では、何が起こっているのか
はたまた、始まっていくのか

2巻が待ち遠しくなる。

花月夜綺譚 怪談集 岩井 志麻子他

2010年10月06日 | 小説-日本-
2007年
集英社文庫




時代小説のアンソロジー

10人の女性作家によるホラー短編集である。
岩井 志麻子
恩田 陸
花衣 沙久羅
島村 洋子
藤 水名子
森 奈津子
山崎 洋子
藤木 稟
霜島 ケイ
加門 七海

このうち、岩井 志麻子・恩田 陸・藤 水名子・藤木 稟・加門 七海
この五名は結構好きな作家である。
岩井志麻子はぞくっとする恐怖さすがです。恩田陸は相変わらずの不思議ワールド
ものすごく、怖いわけではないが、ピリッと怖い。

藤水名子の「ついてくる」は辻斬り男の背後に男が切り殺した亡者がついて歩く、
うるさくて仕様がないので、お祓いをしてもらおうとするが・・
ちょっと怖いけど滑稽な話。

多少の当たりハズれはあるが
なかなか面白い短編集だった。


死亡フラグが立ちました!  七尾 与史

2010年10月03日 | 小説-日本-
2010年
宝島社文庫


廃刊スレスレの雑誌社のフリーライター陣内は
”死神”という殺し屋のネタを追ううちに、
とある組の組長の事故死があまりに綺麗な偶然の連続であることに気付く。
陣内と友人の本宮は、やくざの親分の死因を追う。

どう見ても事故死にしか見えない殺し方、
完璧すぎる偶然の連続に疑問を感じたものがほかにもいた。

御室刑事と板橋刑事の二人は
御室刑事の小学校時代の同級生の事件から
死神の存在に気づき捜査をする。

やや、強引な感じがするが、
二つの事件がどんどん近づいてきて
死神の正体があかされていくとろが
スピード感があっておもしろかったが、

せっかく、とちゅうまで面白かったのに、
最後の最後で、おちゃらけた感じになったのが、興ざめだった。




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