ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

身代わり伯爵の冒険 清家 未森

2011年04月28日 | 小説-日本-
2007年
角川ビーンズ文庫


ひょんなことから、読むことになったのですが・・
基本的にいわゆるラブコメ系はほとんど読まないのでなんか新鮮でした。

庶民的パン屋の看板娘ミレーユにもとに、公爵家からの使いがやって来た。
ミレーユの双子の兄は公爵家の養子となり、近衛騎士団の団長となっていたのだ。

この兄フレッドが王太子のフィアンセと駆け落ちして行方が分からなくなってしまった。
この事実を知っているものはほとんどいないため、
とりあえずは、双子の妹を兄の代わりに出仕させて駆け落ちの噂を打ち消そうと考えた。
ミレーユは公爵家に着いて事実を知ることとなる、
実は、公爵家の当主であるエドゥアルトは昔身分を隠してミレーユ達の母親と恋仲になり、
身分のちがいから二人は別れるが、母親は二人を生んで育てていた。
そこで、二人の母親を忘れられないエドゥアルトはせめてもと兄を養子として引き取り後継ぎとしたと聞かされる。

そして、ミレーユは公爵家の存続をかけてお城に出仕するが
駆け落ち事件の裏にはもっと大きな問題があって・・・

と、基本的にありがちなパターンでありがちなエンディングであるが、
こういう、王道的なものは、あるいみ安心して読める。
さらに、さくさくっと読めるので、電車の中でちょろっと読むのに最適である。

暴雪圏 佐々木 譲

2011年04月26日 | 小説-日本-
2009年
新潮社
☆☆☆



「制服捜査」の川久保篤巡査部長が活躍する作品で、
十勝の小さな町・志茂別が舞台である。
特に、私の実家がこの近くになるため、文中の豪雪の表現や町の閉鎖性など実によく理解できるので面白い。
そして、面白い本と言うのはちょっと困る、この本に出会えてよかったとも思うがあっという間に読み終わるので勿体ない気になる。

その日、十勝地方は暴風雪に見舞われた。
志茂別の駐在所に一本の電話がはいる、駐在所管内の橋の下に遺体らしきものがあるとの通報だった。
同じころ、帯広市内の暴力団組長の家に強盗が入った。親分の徳丸は組の用事で外出していて、
残っていたのは姐さんと下っ端の足立だった。
二人組の強盗は姐さんを殺害して、奪った金を山分けして二手に分かれて逃走する。

農業資材会社に勤めている西田は自分の病気と会社への不満を感じていた。
そして、会社の金庫には二千万の金が入っていた。

出来後心で一度だけ浮気をした坂口明美は、相手の男にしつこくこれからの関係を迫られていた。

川久保が現場に着くと、そこには女性の変死体があった。
所持品を探すと財布から身元がわかるものと、闇金の名刺が出てきた。
その名刺には足立の名前が書かれていた。

美幸の母親が帯広で入院してまだあと1週間は戻れなくなったと連絡が入る。
美幸は義父のいる家には帰りたくなかった、帰りたくない理由があるのだ。

そして、この暴風雪なのか、
それぞれが行動を起こす。
強盗犯は、逃亡を西田は金庫の金を持って失踪、明美は関係の清算の為、美幸は義父から逃れるための家出を
ところが、暴風雪は彼らを町はずれのペンションへと導いて
そのペンションには、問題を抱えた人々と殺人犯が一晩を過ごすことになる

ペンションでの一夜よりも、それぞれが抱えた問題が微妙に絡み合っているところが面白い。
さらに、知ってる地名が多数出てくるのでイメージもしやすいが、
今回はほとんど川久保巡査の出番もなく、ちょっと物足りないかんじである。
ただ、自分勝手にこの後を想像できるのは面白いかもだ。

鬼神伝 神の巻 高田 崇史

2011年04月22日 | 高田 崇史
2004年
講談社




二つ驚いたことがある。

一つは、この作品は映画化されるということだ
鬼神伝

もう一つは、この本はシリーズの2作目で1作目を読んでいないということ・・・

高田崇史氏のQEDシリーズが大好きで、最新作はまだかまだかと首を長くして待っているが、
なかなか出ない。
そこで、氏の他作品を読んでいるが、
この作品は、児童書のような感じの本である。

いかんせん、前作をよんでいないので作品中で理解するほかないのだが、
主人公天童純はひょんなことから平安の時代にタイムスリップする。
そこで、初めは人間の側で鬼たちと戦っていたが、本当の敵とはなんなのかを知り鬼たちのともに人間に戦いを挑んだらしい、さらには純は素戔嗚の末裔で草薙の剣を振い、雄龍霊(おろち)を駆り戦いに勝利したといのが前作らしい(読んでないのでわからないが)

そして、この作品では
またもや、平安では戦が勃発して、純の力が必要となり鬼たちに召還される。

この本だけを読んでいるとイマイチわかりにくいかもしれないが、
高田氏のほかの作品を読んでいくと、平安の人間というのは、「貴族」に限定され
鬼とよばれるものの中には、朝廷にたてつく人々も含まれている。
この作品は、単純に「貴族」VS「八百万の神や鬼」と言う図式で
貴族たちと言っても、貴族が召還した「神」との戦いとなっている。

貴族との戦いに勝機を見るも、はかりごとにより雄龍霊が石に戻され窮地に立つが、
窮地を救ってくれたのは、大切な仲間だった。

聖白虎伝4 新たなる旅立ち 古龍

2011年04月21日 | 小説-アジア-
1999年
エニックスアジアンファンタジーノヴェルズ


唐缺と唐玉の友人として唐家堡(唐家の町)に潜入することに成功する。
夜に、唐家堡内を詮索していると唐家と同盟を組んでいるはずの霹靂堂の堂主・雷振天が幽閉されていることを知る。
無忌はとりあえず、この雷振天と組み仇討を成功させることにするが・・

唐缺による試練をパスした無忌が、上官刀の秘書として採用されることになる。
ようやく仇討の相手を探し出した無忌は上官刀への怒りを抑え
司空暁風に託された「聖白虎」を取り出すが、そこに隠された謎に愕然となる。

実にスッキリしない終わり方である。
妹、千千と行動を共にしている曲平を唐家堡で見かけているが、それ以上の話はなく、
鳳娘にいたっては、4巻では話の中でしか出てこない。
登場人物が多い割に、あの人たちどうなった?っていう状態だ。

今回のこの作品は、ライトノベル風となっていて、
中国武侠小説をわかりやすくといった趣なんだろうが、にしてもちょっとヒドイ!
土屋 文子さんか 岡崎 由美さんの訳で読みたいもんだ・・・

聖白虎伝〈3〉裏切りの旅路 古龍

2011年04月20日 | 小説-アジア-
1999年
エニックスアジアンファンタジーノヴェルズ


「間」峰を下りた無忌は一度、和風山荘にもどった。
そして、父である趙簡の書斎に向かうと、そこには連一連がいたのだった。
連一連は一度は逃げたものの、
無忌と行動を共にしている唐玉が化けている李玉堂が女装しているときずかず
唐玉を無忌から離すように、男装して近づくが、
逆に唐玉に捕まり、どこかへ連れて行かれる。

無忌は大風堂の中の裏切り者をあぶりだす作戦を立て、
その作戦に李玉堂にも参加してくれるように頼む、
李玉堂もこころよく受けるが、その作戦中に無忌を無きものにしようと画策するが
その、作戦そのものが無忌が考えた、二重三重のトラップだった。
その作戦により、李玉堂は正体を現したが、己の策に溺れてしまい、自身が植物状態となる。
無忌は、植物状態となった唐玉を連れての友人として唐家の町「唐家堡」へ潜入することにしたのだが、その途中、唐家の三兄弟の一人唐缺と出会い、唐缺と友になりともに「唐家堡」へむかうことになる。

和風山荘へ戻ったときに、
大風堂の三大堂主の一人、司空暁風から
無忌の敵である上官刀が死ぬ前に必ず、渡すようにと「聖白虎」を渡されるが、
題名になっているくらいなので、実に大切なアイテムなんだろうが、
話題がたくさんありすぎて、この辺りのくだりはあっさりとしている。
さらに、妹たちはどうしたんだ?ヒロインのはずの鳳娘はどうなってる?と、
相変わらず、古龍の本はつっこみどころ満載である。

聖白虎伝〈2〉血戦!獅子林 古龍

2011年04月19日 | 小説-アジア-
1999年
エニックスアジアンファンタジーノヴェルズ


趙無忌を追いかけて九華山の「間」峰へ向かった
曲平・千千・鳳娘は何者かに襲われ目覚めると「間」峰にある小屋に居た。

鳳娘は一人無忌に会うため、”地蔵”と呼ばれる剣客の元へ向かう。
無忌は仇討の為の剣を磨くため地蔵の元に修行に来ていたのだった。

無忌の元に鳳娘を返したくない地蔵の謀りごとにより、再び鳳娘は無忌の元から遠く離れることになる。
無忌は、剣の技を磨き、再び下山し敵を追うたびを始めるが
そこで、連一連という謎の女に付きまとわれる。
さらに、大風堂と敵対する唐家の三男唐玉が化けた李玉堂と友になり旅をつづけていく。

どんどん人物が増えてきて大変になってきたが、
この巻で、曲平と千千がともに行動、鳳娘は地蔵とともに行動し、
無忌は敵とともに行動を共にする、謎の女も出てきて
話は若干複雑になって来た。
さて、この先どうなるやら

聖白虎伝〈1〉復讐の序章 古龍

2011年04月18日 | 小説-アジア-
1999年
エニックスアジアンファンタジーノヴェルズ


古龍の翻訳本は少ないので、見つければ必ず購入していたが、この本だけは買いそびれていた。
そして、ようやく手に入れたのだが、
この本は、今読むのがベストであるので、”今”手に入ったのかもしれない。

と、言うのもこの本には他の古龍の作品の登場人物の名前が多数出てくる。
陸小鳳シリーズの登場人物、楚留香シリーズ ・小李飛刀シリーズ
マーベラス・ツインズなどである。
多分、この本を先に読んでいたら、わからない名前があった為、”今”読む本だったんだな~と思ったのだ。

大風堂の三大堂主の一人、趙簡(ちょうかん)の跡取り息子趙無忌(ちょうむき)の祝言日に
何者かに殺害され首を取られてしまう。
その日は、祝言でもあり大風堂の面々があつまり敵の入り込む隙もましてや殺害現場の部屋は無忌と少数の人間しか知らない場所であった。

無忌は父親を殺害したのは、同じ大風堂の三大堂主の一人、上官刀だった。
上官刀は事件後姿を消し、父親のかたき討ちの為、無忌は旅に出ることになるが、
今の無忌は上官刀の敵ではない。
そこで、無忌は上官刀に対抗できる剣を習得すべく九崋山へ向かう。

一方、無忌の妹、千千と無忌の許嫁、鳳娘は無忌を追って九華山へ旅立つ、
二人の案内には曲平という大風堂の情報係をしている青年が同行することになるのだが・・

たくさんの事件や人物をぎゅうぎゅう詰めにしているので、
若干わかりにくい部分や、展開が早すぎて時折立ち止まらないとわからなくなる部分がある。
まぁ・・古龍特有のハチャメチャアクションって感じでしょうか・・・

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