ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり  高橋 由太

2011年12月31日 | 歴史・時代物
2011年
徳間文庫



妖怪がからむ事件を担当する妖怪改方の同心、冬坂刀弥が活躍する捕り物話・・
と、言っても鬼平犯科帳のようななんかものすごい事件が起こるわけでもなく、
なんとなく、ほっこりした感じのお話である。

刀弥の行きつけの飯屋には、
許嫁の統子と統子といつも一緒に居る見た目は黒猫の子供の雷獣
飯屋の下働きのカッパ
料理人の落ち武者
料理をするための火の玉などが居て
妖怪を成敗もするが、共存もしている。

ちょっと、重い話を読んだ時の頭休めにすると丁度よさそうな作品である。


ケルトの神話―女神と英雄と妖精と 井村 君江

2011年12月25日 | 小説-日本-
1990年
ちくま文庫
☆☆


わかっていそうでわからない・・
しかも、ちょっと複雑なケルト神話

この本は、まずケルト民族についての説明があり、
それから神話の説明があるので、
はじめてのケルトとして良いと思う。

思想や風習が違うので説明がちょいちょいあるのは助かります。

たとえば、
貴族などの身分のあるものは、
跡取りを他の家に預けて社会勉強(?)させるとか、
輪廻転生だとか、
基本的に、ケルト神話は生まれ変わりがキーポイントというか、
クーホリンが戦死する争いの元が
生まれ変わりの”牛”をめぐっての戦いで、
ただの牛なら争いもおこらないわけですからねw

ギリシャ神話なんかでは
女神ヘラがめっちゃ怖い女神として有名ですが、
ケルト神話の女神は基本的にすべてが烈女ですよね。

もっと知りたくなってきました。

ロマンス 柳 広司

2011年12月06日 | 小説-日本-
2011年
文藝春秋
☆☆


昭和8年、ロシア人の血を引く華族、麻倉清彬はカフェーに呼び出される。
そこで待っていたのは、
殺人容疑をかけられた友人、多岐川伯爵家の長男、多岐川嘉人であった。

嘉人が待ち合わせのカフェーの個室に入ると
そこにはすでに、死体が置かれていた。
容疑者となった嘉人の身元保証人として呼ばれたのだ。

華族と言うことで事なきを得て帰宅するが、
嘉人は自分が華族という特権階級でいることに違和感を感じ
軍隊に入隊していた。

清彬は祖母がロシア人であるということで、
華族社会のなかでは疎外されていた。

殺人事件について、清彬の元へ特高の黒崎という男が訪ねてくる。
殺された男は特高が共産主義グループの中に送り込んだスパイであった、
特高は陸軍軍人である嘉人との関連を疑い、
清彬に嘉人を探るようにと伝えてきた。

清彬は友人の無実を晴らすために、調査をするが
そんな中、嘉人の妹、万里子が共産主義の活動に参加したとして拘留される。

二・二六事件を匂わせる部分があるが、
この事件は、題名通りの「ロマンス」であった。


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