久しぶりの神戸市立博物館♪
以前から楽しみにしていた神戸市立博物館で開催中の「大英博物館展」に行ってまいりました。
大英帝国が誇る博物館の所蔵品は700万点にものぼるそうですが、今回はその中から選りすぐりの100点が来日。最初から順番に見ていくと人類の歴史が辿れてしまうという壮大な展覧会です。
しょっぱな、大英博物館ご自慢のエジプト・コレクションから、古代エジプトの棺がお出迎え。その彩色の緻密さはさすがです。余談ですが、イギリスのご本家を訪れた時に、ミイラの写真を撮りまくって(当時は館内の写真撮影がOKでした。今はどうでしょう???)、帰国して現像してもらったら、まともに写ったものはほぼゼロだったという、オカルトなオチがついたことがあります。でもそういうのがまた、インディ心をそそるんですけれど(笑)。
さて、プロローグであったまったところへ、第1章の展示、タンザニアの礫石器が目に入ります。一見、ただの石ころですが、よく見ると一辺が鋭くとがっていて、握りやすい大きさになっているのがわかります。これで石を砕いていたんだそうです。なんと200万年前―180万年前のもの! これが道具だってどうやって発見したのでしょう? 凄いですね。『2001年宇宙の旅』の冒頭、猿が骨を初めて道具として使う、あの感動があります。他にも石斧とか投槍器につけられたトナカイの角に彫られたマンモスとか、ちっぽけな道具に時間とロマンがぎゅっと詰め込まれていて、どんどん引き込まれていきます。万年単位の昔に人間がいて、その生活の断片が目の前にあるってすごい迫力です。紀元前5000年くらい前の日本の縄文式土器もありました。オシャレな縄文デザインとマグマのように荒々しいエネルギーで元気いっぱい。やるじゃん、日本!
最初のセクション・タイトルが「創造の芽生え」なのですが、デザインは原始的だけど、たとえばマンモスのどの部分に魅力を感じているのか、どんなラインが美しいと思うのか、その根本のところの感性は現代人にもとてもよく理解できるもので、こんなに昔で風土が違っていても、同じ人間が作ったものなのだと思うと妙に嬉しかったりします。
セクションは全部で8つ。進むにつれ、時代が下ってくるという趣旨なのですが、個人的には1~3の前半が興味深かったです。インダス文明の印章とか見ると、はぁー、これが教科書で見た文明の、って思わずのぞき込んじゃいます。道具って人の汗や血が染み込んでいるものだから、生活の匂いがリアルに感じられるんです。そこに工夫や知恵、自然への畏敬の念や美への憧れなどが見えると、人間ってすごいなと素直に感心してしまうのです。完全アナログなので、左右対称でないのもいいんですよね。でも、全体のバランスは取れているっていう。
こんなに古代から見ていると、だんだん感覚がマヒしてきて500年くらい前のものだと、まあこの辺は最近だよね、とか思いだします。文化が成熟してくると、映画や小説に登場したりすることも多いので、ある程度なじみがあるというのも関係しているかもしれません。
美しいアストロラーベ。
ヨーロッパの文化は金貨とか、アストロラーベ(方角、計算、時計などに使われた当時最先端の科学機器。現代のスマホの役割をしたと書いてありました)やクロノメーターなど技術の粋を感じさせるものが印象的でしたが、芸術的造形物となると、個人的にはアフリカやペルーのものがとても良かったです。大地に根付いた大らかさとにじみ出るユーモアにとても癒されるんです。あ、でもデューラーの「想像で描いたというサイ」は強烈に印象に残りましたけども。
今回の展示は、道具ごとの説明もキャッチが添えられてわかりやすく、人類の歴史をたどるという全体を通したテーマが明確で、とても良かったです。博物学って歴史と背景がわかった方が面白いし、展示物の凄さが理解できますよね。とはいえ、平日でも結構な人出でしたし、読むのは結構時間がかかるので、可能なら実際にいらっしゃる前に、公式ホームページをご覧になって予習していかれるのがいいかもしれません。全体の流れと、見どころな展示物の写真が多数掲載されているので、単純にホームページを見るだけでも楽しいです。
全体的に、大英博物館へ行くなら絶対これを見るべき! というマストなものがちゃんと来ている感じですが、さすがにロゼッタストーンはレプリカでした。でも、レプリカでもちゃんと展示しているのはエライ(笑)
イギリスで訪れた時はロゼッタストーンの存在を知らず(そもそもロゼッタストーンが何かをわかっていなかった)、部屋にさえ行かなかったですから、レプリカでも見られたのは嬉しかったです。
今回の記念撮影は、ハリーポッターの映画でも有名なチェスの駒。人気らしく、お土産もいっぱい売っていました。
すごくよくできていてアップにも耐えます(笑)
大満足の展覧会。来年1月までやっているので、年末ぐらいにもう一度行きたいと思います。
近くのレストランに置いてあったハガキ。
点線を切り取って立てるとオブジェに早変わり。
これ、日本の柿右衛門なんですが、本物もすごーく良かったです。
まさしく「クールジャパン」
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