ぶらっとJAPAN

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鉄斎展【兵庫県立美術館】

2016-03-29 21:46:22 | アート

建物もユニーク。

 

兵庫県立美術館で開催中の『鉄斎展』に行ってきました。2度めの訪問なのですが、前回は三ノ宮からバスだったので、今回は阪急王子公園駅からトライ。徒歩20分弱ということで、そこそこ距離はあるのですが駅前に出てた地図を写真に撮り、途中で道を尋ねたにも関わらず迷うという相変わらずの方向音痴ぶり^^; わかればどうってことない道なんですけどね・・・。

で、やっと来ましたミュージアムロード。

美術館発見!

さすがのミュージアムロードは変な(失礼)オブジェがいっぱい。

唐辛子なのか鳥なのか???

こういうオブジェの近くに塾があったりするから、神戸はハイカラですね。

さて、鉄斎展です。

ブログにも載せたことがありますが、清荒神の境内にある鉄斎美術館には2度ほど行ったことがあります。でも、実は特別に好きな画家というわけではありません。鉄斎自身も画家よりは学者と見られたかった人で、「画より賛を見て欲しい」と言っていたそうですが、私は中国の故事にも詳しくないですし、漢文も苦手なので、実はほとんど賛は読みません

画は、まあ拝見しますが、なんというか、子供の頃に近所にいた気ムズカシイおじいちゃんの説経を聞かされているみたいな感じで、古臭くて堅苦しい、なんて思いながら観ています。

でもとても気になる。

それで、今回も足を運んでみました。

メインは鉄斎美術館からの出品で、何点か見覚えのあるものがありましたが、これだけの規模で屏風のような大きな作品が何点も展示されているのは珍しいので、見応えはありました。

百聞は一見に如かずなので、とりあえず作品をば。まるで生き物のような岩。

ひょうきんな虎。

鉄斎は気ムズカシイおじさんですが愛嬌があって、ちょっと人を食った感じが画面に現れています。南画特有の、雄大な自然に点景としての人間、といった構図が多く、その自然の豪快さはハンパないです。笑っちゃうくらい人間がちっぽけ。これだけ俯瞰で世界を眺めていれば、おおらかになりますよね。かなり大胆な「イイ」性格だったと思われます。山も岩もとてもリズミカルでエネルギッシュ、今まさに地面から頭をもたげてきたような迫力で、ゴムまりのような弾力があります。適当に描いたように見えるその線は自由で滑らか、特に若い30歳頃の作品には活力がありました。

傑作と呼ばれるものは晩年の作に多いのですが、墨を塗りこめるような饒舌な画面が目につくようになり、描いたというよりも真っ黒な画面から彫り起こしたかのように見えます。鉄斎の画に惚れ込んだ洋画家が模写した作品が展示されていましたが、鉄斎の濃密な描きこみの迫力には全然かないません。あの量感は、高い技術が必要なようです。

最後に愛用の品が展示されていましたが、面白かったのは補聴器。鉄斎は生来の難聴で、晩年になって補聴器をプレゼントされ、重宝したんだとか。昔のもので、ラッパに管がついていてその先に耳に差し込む口金があるだけの、ごく簡素なつくりです。聴診器の拡大版とでもいいましょうか。「逆ビクターの犬」状態で話が聞けたと思われます。

後期には展示替えがあり、貴重な作品も展示されるようです。

ほかにも併設でいろいろな展示をやっていました。広くて全部見るのは大変ですが、面白かったです


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