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シラカシ

 ブナ科コナラ属の「シラカシ(白樫)」。材が白いので名付けられているが、樹皮が黒っぽいので「クロカシ(黒樫)」の名もあるのが面白い。写真は樹の下に落ちたドングリで長さは1.5センチほど。
 さて直木賞作家/青山文平氏の時代小説の紹介が続くが、今回のお薦めは『白樫の樹の下で』。物語は江戸開府から180年経った天明期。賄賂の噂に塗れた田沼意次に代わって、清廉で知られる白河藩藩主の松平定信が老中になり、幕府の政策が変わろうとした頃。最下級御家人で小普請組の3人の幼馴染が、竹刀剣法花盛りの時代に、木刀を使う古風な道場に通っている。ある日、田沼意知(田沼意次の嫡男)を切った刀を手にしたことから物語が動き始める。平成23年に松本清張賞を受賞した傑作時代ミステリーだが、青山氏は植物にとても造詣が深いと思われ、どの作品の中にもさらりと植物が話題になるのががとても興味深い。
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イヌブナ・1~紅葉

 高尾山“4号路”で見られる「イヌブナ(犬ぶな※)」。ブナ科ブナ属の落葉高木でブナよりも少し標高が低い山の斜面などに生育する。ブナよりも材質が劣っていることから“イヌ”の名をつけられている。ブナの樹皮は灰白色でツルツルしているがイヌブナは暗灰色でブツブツの皮目が目立つ。そのためブナを“シロブナ”と呼ぶのに対して、イヌブナを「クロブナ(黒ぶな)」とも呼ぶ。写真は紅葉の様子で、左に見えるつる性の常緑の葉はキジョランのようだ。
 ※“ぶな”の漢字は木へんに無。
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シオデ・4~枯れ姿

 長池公園“第1デッキ”付近の藪で見られる「シオデ(牛尾菜・四緒手)」。シオデ科(←ユリ科)シオデ属のつる性多年草で、果実がすっかり干乾びていた。シオデは雌雄異株で夏に散形花序を付け、秋に果実が稔る。果実は濃藍色だがこの中に赤い種子がある。
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アオツヅラフジ・2~核

 “よこやまの道”の藪で蔓を伸ばしている「アオツヅラフジ(青葛藤)」。果実の直径は7~8ミリでその中に1個の核がある。写真は周りの果肉を洗い流した核と果実の様子。核の直径は5ミリほどでアンモナイトのような形に見える。アオツヅラフジはツヅラフジ科アオツヅラフジ属のつる性落葉木本。
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ハボタン・2~花壇

 京王堀之内駅前の花壇に植えられている「ハボタン(葉牡丹)」。アブラナ科アブラナ属の多年草で、園芸植物として花よりも鮮やかな葉を観賞する。耐寒性に優れているため冬の花壇を彩るが、花が咲く4月頃には処分されてしまうことが多い。そのためアブラナ科らしい十字花を見る機会は少ない。
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