今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

ナイチンゲールの沈黙(上) 海堂尊 2008年9月19日 宝島社(2回目)

2016-06-22 06:35:14 | 桜宮サーガ
2回目ー。→1回目


○ここまでのあらすじ
小夜チャンは歌ウマ
兵藤センセはトンビ
田口センセは名医




7章
悪の華

12月15日金曜日 午後2時 オレンジ新棟2F・小児科病棟



「多分アイツ、呼んでもこないよ・・・・・・酒でも奢るって言えば別だけど」
「お父さまをアイツだなんて言ってはいけないわ。お母さまはどうされているの?」
 瑞人は唇の端を歪めて笑う。
「お母さまは、俺が小学校に上がる前、別の男と消えたって、酔うと親父がこぼす」
中坊が『すれた青年』になる訳だよ!
ライナス「オトナの身勝手の犠牲になるのはいつも子供たちなんだ!」


「治療内容については、お父さまと一緒に主治医の内山先生から聞いてね」
「そう。でも、聖美先生はいい加減だからな」
 たとえ中学生くらいでも、そういうことはわかるものなんだ、と小夜は感心する。
そういったことへの評価は、
自分に置き換えた「言い訳」をするオトナよりむしろ厳しいと思われる。

のんだくれ親父が一向に来院しないため進められない瑞人の治療。
小夜はダメ親父の説得へ行くことになりました。
なお主治医の聖美はすっぽかす模様。
仕事のトラブルを放置・・・・・・医者云々ではなく社会人として有罪(ギルティ)!




8章
ミニボトル・コレクション

12月15日金曜日 午後4時 本館12F・極楽病棟・ドア・トゥ・ヘブン



「ところで、スペシャル・アンプルはどうしてミニボトルばかりなの? 飛行機に乗っているみたいな気分になるわ」
「当たりです。機内で貰うのを集めているんです」
何をしているんだお前はw


「スカウトなんてナンパさ。とにかく君の歌をもう一度聴かせて欲しいんだ」
冴子のマネージャー(本人曰く『同志』)・城崎、小夜をスカウト。
シークレット・ライブに呼んだのは偶然ではなく、小夜の鼻歌に惹かれてだってさ。
ま、今のところ小夜はそれどころじゃないしな。




9章
屋上の貴公子

12月16日土曜日 午前10時 本館・屋上



「ご招待されたわけだから、食事代は当然そちら持ちでしょうな」
うわーまるで小説に出てくるようなクズだナー。
フィクションだよね・・・・・・?




10章
天窓の黙示録

12月17日日曜日 午前11時 本館12F・極楽病棟・ドア・トゥ・ヘブン



「でもやっぱり、病室でアルコールはいけないと思います」
冴子のスペシャル・アンプルを咎める小夜。
末期患者のモルヒネと同じってのは、ま、屁理屈ではあるよね。


「優等生の答えね。翔子さんと同じ。だけど、あなたは違うでしょ。翔子さんは幸せな娘。彼女の世界は眼に見えるものだけでできている。でも生きるって、そんなにきっぱりしていないものよ。闇を抱える生き方もある」
冴子は自分と同じ世界の人間、『ナイチンゲール』を見抜いていた・・・・・・
小夜が抱える『闇』(≠悪)とは・・・・・・?




11章
がんがんトンネルの魔人

12月18日月曜日 午後2時 本館地下1F・MRI画像診断ユニット



「看護師が医師に横柄な口をきいても、不快に思われるだけです。でもスタッフが患者さんに無神経な口をきけば、影響は測り知れません」
相手が主任だろうが助教授だろうが言うべきは言う。
小夜ちゃんえらい!
神田主任()は廊下に立ってろ!


改めまして、『魔人』島津助教授がMRI検査をやるぞー。
「がんがんトンネル、でありますか?」
「そうだ。宇宙船のコックピットにアツシを送り込む。3テスラ自動操縦マシンだ。すると異星人がアツシに襲いかかってくる。ヤツらはマシンの外側から棍棒でがんがん叩いて、コックピットから追い出そうとする」
これで『ガキは嫌い』だってんだから( ・∀・)ニヤニヤ


勇気あるアツシ隊員は、小夜と共に『がんがんトンネル』へ!
「浜田、アツシを動かすな」
「島津先生、アツシ君が歌って欲しいそうです」
 マイク越しの小夜の声。体動のアーチファクトは消えない。少し考え、島津が言う。
「仕方ない。歌ってやれ。体動より聴覚野のノイズの方がマシだ」
その結果・・・・・・


「これは何だ? 浜田、お前は一体・・・・・・」
(。´・ω・)?

アツシの検査は無事終わり、続いて瑞人の番。
どういう訳か、島津はまた小夜を付き添わせて歌わせる。
「浜田。お前の歌は一体何なんだ?」
 島津は呟く。アツシと瑞人の画像データは全く同じ色調のパターンを呈していた。
(。´・ω・)?????




12章
吊し上げカンファレンス

12月18日月曜日 午後3時 オレンジ新棟2F・小児科病棟



「今、病棟にはレティノの術前患者が二名いるわね。彼らのメンタル面について報告してちょうだい」
アツシはちっと泣き虫、瑞人は親がクズだけどとりあえず本人は冷静・・・・・・


「それは違うわね。メンタル面でこじれているのはむしろ牧村君の方よ。子供なら怖ければ泣く、夜の病院のベッドではママが恋しくなるのが当たり前。素直な甘えや怯えが表に出ない方が、あたしには怖い。牧村君は安定しているんじゃない。自暴自棄になっているだけ」
『千里眼』・猫田の状況判断。

『千里眼』が出した結論は・・・・・・
「二人を愚痴外来にお願いしましょう」
なんだってー?


カンファレンス後、小夜は猫田にMRI検査でのトラブルを報告。
「この問題は単発のトラブルに見えるけど、実は根が深い。一番の問題は神田技師の対応にあるけれど、患者が納得しないまま検査が行われた点は小児科の問題で、主治医の内山先生の力量不足よ。そうやってみんなが、少しずつ小さなミスを積み重ね、大きなミスに育て上げていく・・・・・・」
それな。


さて、この件でも貧乏くじは田口先生ですよ。
「猫田師長って、一体何者なんですか?」
 田口の問いに、藤原看護師は笑って答える。
「ネコ、あの娘はね、東城大学医学部開闢以来の横着者よ」
つまり『千里眼』にロックオンされたおしまいってことだよ、言わせんなm9(^Д^)



こうして田口は、今回起こる「事件」の渦中に巻き込まれていくのであります。
『横着者』猫田の言葉は重いもの多し。
言ってみれば「効率厨」だしね。連中は「知る努力」については怠らないから。