今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

∀ガンダム 3.百年の恋 著・佐藤茂 原作・矢立肇・富野由悠季 2000年2月1日 角川書店

2015-08-31 06:22:28 | ガンダム
月の女王・ディアナと瓜二つな少女キエル・ハイム。ディアナはほんの悪戯心で服を取り替えることを思いつく。二人が共に行動しているところへ、ミリシャが最大・最悪の反攻作戦に転じてきた。その騒ぎの中、二人は離ればなれになってしまった。キエルはディアナとして、ディアナはキエルとして入れ違ったまま・・・・・・。
富野由悠季監督TVアニメ作品のノベライゼーション緊迫の第三弾!
裏表紙より。
『千年女王』ディアナ様をはじめ、様々な人物の悲哀がこれでもかと詰め込まれた巻。



 恋という古代文学に不可欠な生殖衝動の心理的昇華、あるいは脳生理学的な生殖誘因作用は万物に等しく作用するらしいと近ごろ思い至る。
はぁ。


 しかしそれはディアナ・ソレルという役割には無用なものである。
・・・んん?


 生殖とはまさに死の受容である。遺伝子の伝承という生体の究極目的は、ディアナに求められる永遠性と相反する。子孫を残すために成熟し老化し死する生体がすがるべき永遠性。ディアナにはその役割を担ってもらわねばならなかった。
 だからあの時も苦労して月に連れ帰った。
 しかし今回はそのよな俗な苦労は考慮しないでよい。ディアナ体制という名の停滞システムはもはや人類史上淘汰されるべきと思い至ったのであるから。
記録者・AM
なんだかイラッとくるAMの記録から3巻スタート。



一:休戦

 ノックス・クロニクル一面に、白い機械人形が大きく両手を広げて空に向かって叫んでいる写真が掲載されている。

月と地上の平和の掛け橋
ミリシャの機械人形のパイロットはムーンレィス
( ゜д゜)!?
なぜばれたし・・・



 理性を失い暴徒化し、フェンス越しに攻撃しはじめた農夫たちに対して、ローラは次のように半ば叫び告白した。
「私はミリシャのパイロットです。でも本当は月で生まれ育った月の人間で、地上であろうと月であろうと、人の命を大切にしない人と戦うつもりです」
 月と地上の休戦と和平交渉が難航する中、ミリシャにいながら本当の平和を願う月の人間がいるというこの信じ難く奇跡的な事実に、我々はもう一度この戦争について考えねばならないのではないか?
ロラン・・・


 月であろうと地上であろうと、お腹が減り、病気になり、嬉しい時は笑い、悲しい時は涙するのだから。
みんなでテイルズオブリバースをやれば(読めば)いいと思います!
てめーらの命は何色だー!



行き違い

「親方は怪我して、パン屋はめちゃくちゃ。行商で何とか生活しようと思ったのに、あんなことがあってノックスにもいられなくなって、知り合いの粉屋を頼ってビシニティに疎開してみれば・・・・・・。正体がばれたのに呑気な顔してるムーンレィスが一人!」
ロランに対して激おこぷんぷん丸なキース。
ロランにはホワイトドールがあるから余裕がある、かのように見えるだろうしね・・・。



 グエンもキエルも、驚きつつもロランがムーンレィスであることを認めてくれた。
 しかしソシエは・・・・・・。
「嘘つき!」
 そう泣き叫んでロランを激しく平手打ちした。
 近ごろは何とか口をきいてくれるようになったが、ロランはソシエの気まずさを隠すはしゃぎ方やわがままな物言いが心苦しかった。
 憎いムーンレィスなのに、憎めば憎むほど、気になっている自分に気づいた。
ロラン「は」いい奴だとわかっているからこそ、簡単にいかないのなぁ・・・。



「ディアナ・ソレル陛下があなたと二人きりで話がしたいのだそうです」
「わたし・・・・・・とですか?」
キエル、ディアナ様にお呼ばれされるの巻。



ソレイユ

 ディアナ・ソレルに似過ぎている。どうしても緊張し、他人の空似と自分に言い聞かせると、今度はただの女ならばと抱きすくめたい衝動を覚える。
ハリーあんた・・・誰でもいい類の人間なのか!w



 ディアナが少し悲しげな微笑みをキエルに投げかけた。「ミラン! ハイム嬢と湯浴みをする! 粉まきの介添えも不要! ところばらいを!」
陛下、蛮族の前で戦闘服をお脱ぎになっては危険でございます。
よってわたくしがお供させていたd(ry



「わたくしもキエルさんの話を聞きたいと思って、ここにお呼びしたのです」
 ディアナがキエルの濡れた髪をくしけずるように撫でて言った。「・・・・・・地球のこと、あなたの家族のこと。・・・・・・それから、あなたの恋のことを教えてください・・・・・・」
要するに、陛下は女子の恋バナをご所望であらせられたのであります。



不穏

 親衛隊が来る。つまり・・・・・・ディアナ・ソレル本人が視察に訪れるのだ。
キエルからキエルの両親の現状を聞き、今度はディアナ様がハイム家を訪れることに。
ロラン的には憧れのディアナ様に近づくちゃーんす。


「ロランの嘘つき! わたしはただの身代わりってわけ?」
 ソシエがわめいた。「ちょっと武器がどこか教えてよ!」
「立ってるだけでいいんです。ハリー中尉に勝とうなんて考えないでくださいね」
 ロランが言いながらVRメットでソシエの顔を包み込んだ。こうすると誰が操縦しているか外からほとんど見えなくなる。
さらに自分の指示があるまで動かないようにホワイトドールをロック・・・
ひwwwどwwwいwww
どんな時も決断が早いなぁロランは。




二:二人

視察

「キエル? キエルかい? 入学の準備は順調かい?」
 ベッドの中から細い声がした。
「長いこと、家を留守にしまして・・・・・・娘らしいこともできなくて・・・・・・」
 キエルはベッドの上の細い腕を取った。その手が震えているのがわかって、ロランは胸が痛んだ。壊れてしまった母親にどう接していいのか戸惑っているように見えた。
夫ディランを亡くしたショックで病んでしまったハイム夫人。
いっそ一緒に・・・と周りの人間は思うことがあるかもしれない。


 夕日に照らされた屋敷の外れ。
 ハイム夫人にすがりついて泣き崩れたキエルは、立ち直る間も無く今度は父親の墓の前にも突っ伏し、号泣していた。
(´;ω;`)ブワッ

その様子にディアナ様も・・・
「ごめんなさい、ただ帰ってきたかっただけなのに・・・・・・」
「もう過ぎたこと・・・・・・ご自分をこれ以上責めても・・・・・・何も戻ってはこないのです」
「どうしたら・・・・・・どうしたら・・・・・・いいのでしょうか?」
「これ以上、戦争を広げないでください・・・・・・」
 泣きむせぶその二つの声が時間差を持っている違和感に、誰も気づかなかった。
・・・んん?



「どなただったかしら? ・・・・・・すごく優しい方でしたけど・・・・・・」
「・・・・・・お、奥さま・・・・・・」
 自分の娘もわからないなんて。ジェシカは顔を背けて流れる涙を拭った。
 まさかキエルの服にディアナが着て、ディアナの服をキエルが着ているなど・・・・・・。ハイム夫人以外、誰も気づいていなかった。
な、なんだってー!?

服を選ぶのに後姿を確認してみたい・・・という女の子らしいアイデアから始まり、
周りの人間へのちょっとした悪戯心から互いの服の交換に至った2人。
まさかこんな展開になるなんて・・・
でもこの形だったからこそ、ディアナ様の本心がキエルに伝わったと思える。


「ディアナさまは・・・・・・地上が初めてではないのですね?」
 キエルが聞いた。
「そうですね。・・・・・・百年に一度くらいずつ、視察に・・・・・・」
さらっと重要な事実。
『千年女王』て、文字通りの意味なのか・・・!



「・・・・・・どうして、返事をしてくれないのです?」
 ハリーはなぜか胸が苦しくなった。「同じムーンレィスとして、私はあなたの真意を知りたいのです」
そりゃあローラがムーンレィスと聞いたら月側だって驚く。
今返事を貰えないのはソシエが寝てるからだけど。


そんな夜に・・・
奇襲

「お嬢さん、我らは最後まで戦うのだよ。そのためのミリシャなのだから・・・・・・」
偶然ミリシャの部隊を発見して捕まったフランに、ドヤ顔で語るミハエル大佐。
飛行機やトラック部隊、新たに発掘したカプル、さらに「とあるパン屋」のタレこみで発見したフラットを使った『最大最悪の反撃』が行われたのであります・・・。



領界

 ロランは突然のことに何が起こったのか理解できなかった。
「卑劣な!」
 ハリーが叫んだ。
「今までディアナ様が築き上げてきた地球との信頼関係を、よくぞここまで野蛮に踏みにじった・・・・・・」
ミハエル、空気読め!
・・・分かり合える日は来るのか。


その後月側もウォドムを繰り出しての戦闘になったため、
ホワイトドールで「キエル」を連れてその場を離脱したロラン。
現在『ルジャーナ領との領界と思われるこの岩山』に潜伏中。
 領界とは所領の境界に曖昧に広がる領有権の放棄された帯状の緩衝地帯で、荒れ地や谷、湿地帯など農地に向かない土地であることが多い。
だそうで。




今日は時間が\(^o^)/
200ページ無い(ここまでで半分)んだけどなぁ。
ディアナ様の人生には色々考えさせられる・・・
そしてこの後ロランとディアナ様が出会う人々の生き方も。


最後には「ディアナ様」として『建国宣言』をせざる得なくったキエルの演説あり。
 夕空に、キエル・ハイムの切なる願いが満ち満ちた。
 それはキエルだけではなく、ディアナの、そしてロランの願いでもあった。
この状況でよくぞ・・・と震える演説は、買ってよんでね!

∀ガンダム 2.騒乱 著・佐藤茂 原作・矢立肇・富野由悠季 1999年12月1日 角川書店

2015-08-30 10:20:22 | ガンダム
ノックスの街を襲った月の軍隊に呼応するように、マウンテン・サイクルから蘇った白い機械人形。操縦席に座っていたロランを見た、ディアナカウンターのパイロットは、ロランを女性と見間違える。移民を希望する月と、穀物地帯を渡せない地球との和平交渉は平行線をたどる中、月から降臨した女王、ディアナ・ソレルは懇親のため舞踏会を開く。ところが、なぜかロランは女装して参加することになってしまうのだった・・・・・・。
トンデモナイ『騒乱』に、ロランは錯乱してしまったのか?
∀ガンダム2巻、読み進めて参りましょう。



 ディアナは高慢な手つきで一リットルの水の多くをテーブルの上に跳ね散らかした。
『あら、どうして溢れるのです? なんと無礼な容器ですこと!』
 今回の実験と、それに続く帰還計画はこれと同じ過ちであり、深遠なる計画の第一歩でもある。
今回も謎の人物『AM』の記録から。
容器には「すでに水が入っていた」ってことかな。
またはディアナが不器用。いや、それだとディアナがアホの子にげほげほ



一:鉄の戦神

制圧

 瞬く間に赤い煙に包まれたノックスの街を目の当たりにし、グエンは息を呑んだ。
「これでは侵略ではないですか?」
 グエンが抗議の叫びをあげたとたんに、城の間近で激しい爆発音が響いた。
月より襲来した2機のウォドム。
それを操るポゥもベンジャムも、戦力差を全く理解しないで突撃してくる(ベンジャムに言わせれば『狂っている』)ミリシャが逆に恐ろしく、収拾がつかない模様。


『回答期限はすでにすぎている。我々はサンベルトへの帰還を開始する』
「そんな勝手なことを! 勝手に期限を決め、我々の声など聞こうとしなかったのは貴公らではないですか!」
 グエンは燃える街を一瞥した。「月では他人の家を訪れる時、挨拶も無しでドアを蹴破るのですか? 火を放つのですか?」
地球側からしたらイヤミの1つも言いたくなる展開。


街は避難しようとする市民とウォドムを倒そうと動くミリシャの兵で大混乱。
「我らが守ってやるのだ! 一般市民はミリシャに従えばいい!」
 ヤーニはそのまま避難民の波に突っ込めと再度指示した。
 一般人を守ることが存在意義であるはずのミリシャは、事実上初めて経験する戦闘状況の中、〝軍事行動はあらゆる市民生活に優先する″という認識を持ちつつあった。
一端の軍隊に見えたところで、結局街の荒くれ者を集めたに過ぎないレベル。
初めての実戦で、「市民を守ろう」なんて余裕は持ち合わせていなかったのです・・・。



停電

「おい、インクまみれ! ぼけっとしてないで手伝え!」
 ふいに記者がどなり、途方に暮れていたフランはびくりと飛び上がった。
「隠れて写真機いじってただろ? 乾板の差し替えくらいできるだろう」
 フランをインクまみれと呼ぶのはこの古株の記者だけだったが、密かに写真機の扱いを勉強していたことまで知られていたとは思わなかった。
ふーむ・・・見ている人は見ているわけっスなぁ。
『新聞記者フラン・ドールの誕生』である。



「お、お嬢さん駄目です!」
 ベルレーヌのふくよかな体に押しつぶされながらキースは戸惑った。
 悪い気はしないが、厳しい親方にばれたら一大事だ。・・・・・・生地に練り込まれてこんがりと窯で焼かれる。
遠慮すんなって、消し炭にしてやるよ(#^ω^)



さて、地球側にはもう1人<月の民>がいましたね。
ホワイトドールに乗り込んだロランはどうなった!?
停止

「・・・・・・もう、これ動きません・・・・・・」
ライフル1発撃っただけで動きが止まるホワイトドール。
つ、つかえねぇ・・・
いや、その1発で結果的にポゥのウォドムは行動不能になったけどさ。

動かないホワイトドールを山師のシドとその助手ジョゼフに任せ、
ロランとソシエは街に・・・ハイムの屋敷に向かう。
「黒歴史は正しかったのじゃ」
 シドがヘルメットのライトをつけた。
果たして『黒歴史』とは・・・?



 ミハエル大佐は受話器をぎりぎりと握りしめていた。
「むざむざ降伏しろと言うのですか?」
 有線電話の向こうのグエンに噛みついた。「ミリシャは徐々に優勢になってきているのですぞ!」
( ゜д゜)・・・?


 ミハエルには意地があった。
 征服に屈するくらいなら、イングレッサを焼き払うことも辞さない気持ちがどこかにあった。大切なパイを横取りされるのが嫌なら、ゴミ箱に捨ててしまえばいい。
( ゜д゜ )
駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・。

御曹司がミリシャに幻滅しているところに、シドからホワイトドール発見の報せが。
『落ち着きたまえ大佐。シドがマウンテン・サイクルで黒歴史を実証する宇宙兵器をついに発見したのだ』
 グエンは電話の向こうで言葉を選んだ。『恐ろしい威力の宇宙兵器だ。さっきの光の矢を放ったのだよ。そんな機械・・・・・・ミリシャ以外に扱える者がいようか?』
ただの脳筋集団ミリシャをコントロールする御曹司の苦難はこれからも続く・・・。


ホワイトドールを皮切りになんとか黒歴史の戦力を揃えたい御曹司と、
第一次帰還船の降下を控え、ウォドムにビームを放った敵を警戒した月側のアジ大佐。
「時間稼ぎ」という両者の思惑が一致し、今回の戦闘はどうにか終了。



夜明け

「嘘!」
 ソシエが猫並の素早さでロランの背中から飛び降り、道を駆けだした。
 確かにハイムの屋敷の方向から、朝日にかすかに光る煙がたなびいているのが見えた。
嘘だッ!



「重大な命令違反だ!」
ビームをぶっ放したことを上官のフィル大尉に咎められるポゥ。
『禁固刑でありますか?・・・・・・十年とか」
 ポゥは目眩を感じた。
「十五年、いや十七年だ」
 フィルが厳しく言った。
 ポゥは目頭が熱くなり、うつむき瞬くと熱い涙が月よりも速く頬の上を転がった。
やらかしちゃったからね、仕方ないね・・・。
と、これフィルは『少し脅かすつもりだった』だけらしい。
顔がこえー人がこえー冗談を言うから!



 ぼくらは戦争をするために二年間もがんばってきた訳じゃないのに・・・・・・。
『早くかえってこーい!』・・・
こんな形になるなんてなぁ・・・。



登録

「グエンさまがこの機械人形をどうしても動かしたいとおっしゃってな・・・・・・」
 確かにこれさえあれば、ディアナ・カウンターとの武力差は少し縮む。そうすれば争いにもブレーキをかけられる。話し合いも・・・・・・できるかも知れない。
戦争反対と言ったところで、虫けらと交渉する余地、いや必要なんか無いわけです。



 ミリシャの兵隊が操れば、そのまま戦争の道具にされてしまうかも知れない。かと言って自分が操れば、仲間同士戦わねばならなくなるに違いない。
ロランが出した結論は・・・


 戦いは絶対止めなければならない。そう決心してロランはコクピットに這い登った。
この決断の早さ。
歴代主人公の中でもメンタルの強さは断トツかもしれない。

そんなロランの想いを知るよしもなく、
ディアナ・カウンターはホワイトドールに攻撃を仕掛けるのでありました・・・。




二:弓矢

再戦
ホワイトドール対ウォドム(+ウァッド部隊)、第2ラウンド。

「話し合えば理解し合えます! 戦争はいけません!」
「・・・・・・女の声?」
 コクピットの内部の様子はウォドムのメインカメラアイからは死角で、代わりにサブカメラの極々粗い画像が多層ホロの一つに映った。ポゥの知らない形式のヘッドアップディスプレイで顔が隠れ、銀色の髪が肩まで伸びている以外、服装もはっきりとせず、性別すらわからない。
この時のポゥの勘違いで、後のロランの立ち位置はややこしいことに

この戦闘は、いよいよ月の帰還船が降下するということで、
ディアナ・カウンター側が撤退して終了。



葬送

 埋葬許可証兼住民台帳記載事項変更届と書かれた質の悪い再生紙が一枚。これ一枚でディラン・ハイムという、どこを探してももう代わりは見つからない、たった一人の父親がこの世から消えてしまったのだと多い、ソシエはもう一度泣き崩れた。
・・・・・・なお、ハイム家だけの話ではない模様。



「ロードたちが隠していた古い伝説だよ」
 シドは目を輝かせた。まるで話好きの老人が話し相手に食らいついた、そんな喜々とした輝きだった。「大昔、人は、天と行き来する船や、鉄でできた戦神、その神が放ったという天を焦がす火の矢・・・・・・、まるで昨夜降りてきた月の兵隊たちやこの白ヒゲのような技術を持っていたと言うんだ」
シドじいさんによる黒歴史講座。
月でいう戦争のことなら、『白ヒゲ』ホワイトドールは2000年以上前の遺物ということに。
それ「ら」の発掘は、この騒乱にどんな影響を与えるのか・・・。



「地球の雨は温かい!」
 歓喜と気圧変化でその声は震えていた。「始祖の地! 広大な広がりではないか!」
「ユニバァァァス!」「助けろーーー!!」「私だって苦かった」でお馴染み、
『ディアナ親衛隊隊長』ハリー・オード中尉登場。
この巻の後半は少なからずハリーのターン





 ノックスからミリシャが撤退している中、そのノックスに向かって猛スピードで走るサルーンが怪しまれない訳はなかったのだ。
城にいるキエルを迎えに行く途中、ディアナ・カウンターに捕まったロラン。
この事態を利用して、自分の身元を明かしディアナ・カウンターの様子を探る。


「昨日の夜、強力なリフェーザー砲がビシニティの山に撃たれました」
 その攻撃で、大切な主人が死んだのだ・・・・・・。
 ロランはそう叫びそうになったのを何とか堪えた。せめて牽制になればいい。一方的な武力差にものを言わせて、武力制圧を考えるようなことがなくなればいい。
「それに報復したミリシャの兵器があったという噂は聞きました・・・・・・よくわかりませんが、古い時代の強力な機械人形を・・・・・・実戦配備しているらしいです」
アジ大佐にフィル、ハリーらディアナ・カウンターの指揮官勢相手に堂々とまぁ・・・!
メンタル強すぎだろ。

しかしわかったのは、ディアナ・カウンターが地球人を蛮族と見下していることだけ。
結局ロランは『心底幻滅』することになったのであります・・・。



交渉

「朝にシドから連絡があった。ローラが今朝再び月の機械人形を追い払ったという」
 満足げに言って、窓辺に向かった。「これで勢力バランスは変わる」
「ローラとは誰です?」
「私の幸福の銀の女王・・・・・・」
ホワイトドールが戦力として使えること、
そして何よりお気に入りのロランが活躍したことにご満悦な御曹司。
・・・ロラン逃げてー



「・・・・・・君が、忠義を誓う理由がわかった・・・・・・」
 ハリーは深く息を継いだ。「・・・・・・似ている・・・・・・」
キエルとディアナは親衛隊隊長が驚くほどに似ているらしい。



齟齬

「知識の欠如は責めてもしかたないこと」
 ハリーが言った。「しかし貴公らの好きな家のたとえで言えば、謀略によって離れに幽閉されていた兄が帰ってきたようなもの。・・・・・・知っていても、認めたくも無いでしょう」
「ふざけるな! 落ちぶれかけた家を弟に任せ、逃げ出した無責任な兄ではないか!」
月側
→地球を離れざるを得なかっただけだからそろそろ帰りたいお!

地球側
→地球の復興を投げだした連中にくれてやる土地はねーお!

2000年前の歴史の記録なんか、何が正しいか証明するのは困難な訳で・・・
どこまでも平行線の議論。


そして事件が・・・
 がっしりと広いアジの胸から細い棒が生えていた。
「蛮族がっ!」
 フィルが叫んで拳銃を抜いた。
「野蛮なのはどっちだ!」
 白ヒゲの老人が手にした小型の弓銃を振り回しながら立ち上がった。
昨夜の戦闘で身内を失ったイルの長老が、アジ大佐をボウガンで撃ち殺し、
その長老をフィルが拳銃で撃ち殺す。
今回の交渉は最悪の形で幕を閉じたのでありました・・・。




三:女王降臨

交渉後

「ぼくに、ミリシャに・・・・・・入れと言うんですか?」
「シドとともに、髭の機械人形を一日も早く実戦配備できるようにするのだ」
ロランに指示・・・いや命令に近いかな。
そのくらい現状御曹司も余裕が無い。

一方月側も、今は月に帰る手段が無いという現実に戦いを強く意識しておりました・・・。



襲撃

 絶対止めなければと思った。止めるためにホワイトドールが必要なのだと思った。
一応は休戦中にも関わらず、憎しみに任せて暴走するミリシャ。
帰還船から降り始めた<月の民>の非戦闘員に攻撃を仕掛けてしまう。


『クロスコンバットこそディアナ・カウンターの誉れであろう』
 金色のスモーで出撃したハリーが脇から牽制した。スモーはその名“SUMO”の由来が『機動戦闘ユニット』であることからわかるように、クロスコンバットに特化している。
『火器無しで撃退して、ディアナさまの降臨なさる土地を血で汚さぬようにしろ!』
※機動戦闘ユニット=Strike Unit for Manuever Operation、即ちどすこいである。
ハリー、マジイケメン。


ホワイトドールに乗ったロランも現場に到着。
しかしホワイトドールを見たポゥが激昂して一触即発・・・というところでー
「ディアナさまのソレイユ・・・・・・」
月の女王、降臨。



「あれは敵の総大将の船でしょう・・・・・・」
 ミハエルが言いながら拳銃を手にした。「あなたがもたもたしているから・・・・・・。まさかイングレッサを月に売る気ではないでしょうな!」
 砂埃を避けようと窓を閉めたグエンに拳銃を向けた。
「ミハエル大佐!」
 グエンは顔色一つ変えずに銃口に手のひらをかざした。「あのような空飛ぶ城を、イングレッサで建設するためにも、月の技術はぜひに欲しいのだ・・・・・・」
この危機的状況の中、御曹司はただならぬ野望を抱いている模様。


キス

 初めて嗅ぐ匂いが肺に満ちた。
 これが巧妙に仕込まれた毒ガスでも、胸一杯に吸い込んで死んでもよいと一瞬思うほど、微かだが良い香りだった。
流石は『千年女王』、御曹司ごとき相手にならぬ。


 ディアナが微笑んだ。「争いは、お互いの理解が不十分であるためと思います」
ディアナ様は平和的な解決をお望みであらせられる・・・
いやーよかったよかった、ロランも一安心だね!

ディアナ様は舞踏会の開催を御曹司にご提案遊ばされましてござい・・・
「設営はお任せしますゆえ。・・・・・・ぜひあれを操る武士もご一緒に・・・・・・」
「もののふ?」
「白く美しい機械人形を操る、グエン殿下の忠実な戦士のことです」
やったねロラン!
ディアナ様のご指名で舞踏会に参加できるよ!


「わがミリシャでは、女性でも操れる優れた機械人形が主力となりつつあります」
 とっさにグエンは牽制した。「特にローラは、我がミリシャのエースにして、銀色の髪と褐色の肌が美しいレディでもあります」
んんー?
・・・お前は何を言っているんだ



舞踏会

「グエンさまは、〝ローラ″という架空の女性パイロットをプロデュースされたいのよ」
アイマスで我慢しとけって話っスわ・・・。(ドン引き)


そして舞踏会。
「ローラ・ローラで・・・・・・ございます」
 銀の髪が褐色の額から垂れて左の目を隠していたが、右目の青と口紅の青はディアナと同系色。しかしその肌の色。触れてみたい、どんな感触なのだろうか・・・・・・。ディアナのきめ細やかな白い肌とは対極的な、野生動物の艶やかさに違いないとハリーは思った。
お、おう・・・?

ハリーは思った。
おい・・・おい!
あんたディアナ親衛隊隊長でしょうが!

しかしこの舞踏会こそハリーのターン!
 不安に表情が曇ったと勘違いしたハリーが、そっとロランの指先を撫でて優しくささやいた。「明日、戦争が終わっていたらディナーにお誘いしてよろしいですか?」
ぞぞぞ・・・
ロランが『これはやばい』と感じるほど。


ガラスの靴

「ディアナさまの美しさに優る者など・・・・・・どこにも存在いたしません」
 そう言ったハリーは、無意識の内にホールの向こう側に褐色の肌を探してしまった。
ふむ・・・
ハリーはディアナ様のことを異性としては見ていないのかもしれない。

戦闘があったばかりということもあり、舞踏会はよろしくない雰囲気。
「こういう時はまず会話のチャンスが必要では?」
うん、キエル嬢の言う通りだね!


「ほら・・・・・・行きなさい」
そして生贄にされるロラン
いやいや、あんたが行きなさいよ!


 ハリーがロランの首筋にそっとキスした。「あなたとは戦いたくない」
ロラーーーン!逃げろーーー!!


・・・ロランの尊い犠牲の甲斐あって、雰囲気がよくなった舞踏会。
「今から、月と地球の友好的共存を祈念して、それぞれの星に薔薇の花を・・・・・・」
ロランも草葉の陰で喜んでいることでしょう・・・

ところが!
 その時、突然ばんという音がして、ケーキの台座がぶわりと大きく広がりディアナを後ずらさせ・・・・・・まくれ上がったシーツの下から何かが飛びだしてきた。
「侵略者に血の裁きを!」
 転がり出たミリシャ一般兵が、叫びながら小さなボウガンをディアナに向けた。
ばっ・・・ディアナ様は無事だったとはいえ、KYじゃすまねーぞこれ!



 ディアナの身に何も無かったことへの安堵も有り、もはや興味の対象は暗殺者ではなくそれを追うローラという娘だけだった。
 スラスターをふかしてスモーを飛び立たせてから、手の中のガラスの靴を見つめた。
「・・・・・・似たような・・・・・・古代文学がなかったか?」
うるせーよwww



『・・・・・・ケーキの台座の下から由々しき物が見つかった』
 ミランが小声で言った。『・・・・・・携帯代謝活性器だ・・・・・・』
「メタボライザー・・・・・・それは、ムーンレィスの・・・・・・」
 ハリーはディスプレイに拡大された白い後ろ姿を見つめ、躊躇した。
憎しみを抑えきれない地球側と、一枚岩なのか怪しい月側。
本当に共存していけるのか・・・で2巻終了。

∀ガンダム 1.初動 著・佐藤茂 原作・矢立肇・富野由悠季 1999年11月1日 角川書店

2015-08-29 09:44:01 | ガンダム
<月の民>の調査隊員として地球に降り立った少年、ロラン・セアック。地球人に混じって生活するのが任務だったロランは、ソシエとキエル姉妹と知り合い、彼女たちの父が経営するハイム鉱山で働くようになった。やがて二年が過ぎて、ロランはソシエとともに成人式の祭に参加することに。喜ぶロランだったが、その祭の日に街を襲った事件にロランは大きく巻き込まれていく・・・・・・。富野由悠季監督最新TVアニメ作品の小説化スタート!
裏表紙より。
例の変なデザインで物議を醸した、みんな大好き∀ガンダムの小説版だよ!



 ディアナの要求は相変わらず一方的で過酷で自分勝手で可愛らしく、口を差し挟む余地はなかったので選抜に手心を加えるしかなかった。
 考慮すべきは我々の計画に要らざる者らの再帰還でしかないのだと予見する。
記録者・AM
冒頭は何者かの記録。
すぐわかることだけど、『ディアナ』は<月の民>(ムーンレィス)の女王。
そのディアナについて『自虐的な〝悲しい病″を楽しむ』とか、
明らかに皮肉を込めて『可愛いディアナ』だのえらい否定的。
AM・・・一体何者ッパなんだ・・・。



一:実験

降下

『きみらの体の様子は、逐次こちらでモニターされる』
 二年間もの間、体の中に忍ばされているらしい送信機からデータが送られる。
『献体養成研修の成果を発揮して・・・・・・無事、任務を果たすことを祈る』
『献体』(『要は人体実験』)として月から地球へと送り込まれる少年少女たち。
その中に主人公ロラン・セアックの姿もありました。



コヨーテ

「僕らのデータが、地球に帰還する日を待っているみんなのために使われるんだ」
『六倍の地』、地球に<月の民>が適応できるかの実験な訳っスな。

一緒に降りて来たキース、フランと別れ、ロランは歩き出し・・・
「ぼ、ぼくはお、おいしくないよ・・・・・・」
た直後、コヨーテに襲われる。


「わーっ!」
 ロランが叫んだ。
\(^o^)/
<月の民>に地球の環境は厳しすぎたんや・・・。
∀ガンダム完!


 遠目だったが、その人影が手に何かを構えていること、金色の髪が風に少し揺れているのだけは何となくわかった。
いやー誰だか知らんが助かった。
誉めてつかわす。





 ・・・・・・金魚。
 何千年も前の観賞用の魚・金魚を模した金属製のおもちゃ・・・・・・のレプリカだ。規則を犯してまで持ち込んだ宝物。
なんでそんなんが『宝物』なのかはそのうちわかる、はず。

その宝物と一緒に河遊びに夢中になっていたら溺れる
 声が聞こえたと思う。
『ジェシカ! サムを下流から!』
 何か白くて金色の・・・・・・美しいものも見えたように思える。
C.E.73的に言えばラッキースケベってやつです、はい。



姉妹

「余所者が流れてくることは珍しいことじゃないわ」
 少し冷静な、少し冷たい感じの声。」
「裸でっていうのはないけどね」
 こっちの声は面白がっている。
『流れてくる』の意味w

溺れたロランはハイム家の人々に助けられる。
月の女王ディアナと瓜二つの姉キエルと、元気娘の妹ソシエ。
この日はキエルが成人式の祭に参加する予定でありました。





 この瞬間、キエルは一生に一度の祭・宵越しの祭の女王になった。
 彼女が女王になれるのは、この時だけのはずだった。
 ほんのささいな出来事のほんのささいな組み合わせが、彼女たちの生き方を変えてしまいさえしなければ。
『彼女たち』ですってよ。
一体誰のことなんかしらん。





二:順応

鉱山

「・・・・・・ロラン」
 無骨な指先が工具を差し出した。「もう二年経つか・・・・・・」
あれから2年。
ロランはハイム姉妹の父ディランが管理する鉱山で働いておりました。


 ・・・・・・グエン・サード・ラインフォード。
 年老いた祖父メッサー・ラインフォードに代わって、このイングレッサ領を治めるラインフォード家の御曹司。
この御曹司、何かに備えて『市民軍』(ミリシャ)を組織している模様。

その御曹司がー
「グエンさまがおまえの話を聞きつけてな・・・・・・」
 ディランがロランの肩をばんと叩いた。「勉強して大学にいかせるべきだと言うんだ」
あらー親切なお人なのねー。
御曹司の言葉で、ロランは鉱山労働者からハイム家の運転手見習いにジョブチェンジ。
本当に親切なお兄さんねー。



浮船

「ロランには、今年二年遅れの成人式に参加させようと思います」
 ディランがグエンに誇らしげに言った。
 成人式に参加できるということは・・・・・・。名実共にロランはビシニティの男、地球人として認められることを意味する。複雑な感銘が心に湧き起って、ロランは何も言えなくなった。
これは嬉しいだろうなぁ。
余所者は珍しくないとはいっても、同じ<月の民>なんて近くにはいない訳だし。

めでたいのぅ、めでたいのぅ・・・
しかし若干面白くない人が1名。
 どんなに勉強しても、大学に入っても・・・・・・。どこかの商人や役人と結婚することが女の生き方だと思われているのかも知れない。キエルはそんな気持ちになった。
 この秋からノックスの大学に進むキエルのことより、運転手の見習いになったロランのことの方が一大事のような、その雰囲気が心にささくれをたたせた。
女性の社会的な立ち位置は一昔前を思わせる世界らしい。


「縁があったな!」
 グエンが感慨深げに言った。
2年前にコヨーテからロランを助けたのは御曹司と判明。
なるほど昔から親切なお兄さんなんだなー。



再会

「ちゃんと暮らしているようじゃないか」
運転手として働き始めたロランは、一緒に月から降りて来た仲間と再会。
キースはパン屋、フランは印刷工場でそれぞれ平穏に暮らしている模様。


「でも・・・・・・地球の歴史に月のこと一つも出てこないから変な感じ」
「だろ?」
 キースが言った。「月だけじゃないんだ。まるで、宇宙や月・・・・・・昔の戦争のこと、忘れてるみたいなんだ」
※ロランたちは月にいたとき「二千年前に戦争があった」という教育を受けている。
「大気圏突入可能なMS」を所有している月に比べ、
地球の技術は複葉機の最新モデルがどうこうというレベル
果たして過去に何があったのか。

・・・いや、こまけぇこたぁいいんだよ!
月に吠える

 みんな!
  地球はとってもいいところだぞ!
   早く帰って来ーい!
ところが「それ」はロランが思ってもみなかった形で現実となるのです・・・。





三:接触

兆し

「パレードは急ぐことになった」
 グエンが小声で告げた。「ついに招かれざる客がくる・・・・・・」
御曹司とミリシャのミハエル大佐は何かが起こることを知ってる模様。


 ロランの父親は、月の下級市民の常で〝育ての親"だった。
 制度上義務としてロランを育て、中学を出ればお払い箱のように献体を勧めた。あわよくば出世して自分の収入に加算額を加え、失敗すればディアナさまから見舞金が出るはずだったからだ。
 だからロランは親というものが事務的な利害関係でしかないと思っていた。何はともあれ養育してもらえる。それは子供として最低限度の生存という名の幸せだと割り切っていた。
ええっ、そんな冷めた感覚の持ち主だったのかローラロラン。
・・・うーん、ロランの「親」が「特別残念な親」だったのか、
そういう部分も『月の下級市民の常』に含まれるのかでだいぶ話が変わってくる。



 しかしソシエの父と会って驚いた。
 ソシエやキエルに対する愛情、厳しさ、おおらかさ。・・・・・・すべてが異質なまでに優しかった。
 そして一介の使用人のロランにすら・・・・・・月では得られなかった保護者の温もりを与えてくれた。
ディランさん、マジイクメン・・・いや、そんな安っぽいのじゃないな。
父親が子育てでできることって、「育休何日取った」とか「家事の分担」とか、
そういうのとは次元の違うことがあるんじゃあないかなーと思う訳です。
最初に交流した地球人がハイム家の人々で、本当にラッキーだったよなぁロラン。



 このパレードはある意味、グエンが自身に賭したものだった。
 その時がくるまでに、在郷の義侠団や自警団、職にあぶれた荒くれ者たちを組織化できるかという掛けだった。
「実に堂々たるものではないか!」
 グエンは自分の勝利を称賛するように呟いた。
グエン@ONZOSHI
パレード大成功^^v#ミリシャ


そして『その時』はすぐそこまで迫っていたのです・・・。



ローラ

 ロランは開いた口がふさがらなくなった。
ジョブチェンジの時は『通信教育講座を紹介』までしてくれていた御曹司、
今度は『大学での上流階級の子息でも難しいイングレッサの行政府』にロランを勧誘。
いやーすっごく親切なお兄さんなんだね!ね!


「グエンさまはどうしてロランをローラと呼ぶんです?」
 園遊会を後にする三人を目で追っていたグエンにキエルが聞いた。
「・・・・・・そうだね」
 グエンは苦笑した。「彼は・・・・・・ローラの方が似合うだろう?」
・・・・・・?
ちょっと何言ってるかわかんないっスねー。
ただ『三人を目で追っていた』が正確な表現ではないことはわかるよ、うん。



パートナー

 ディランは末娘の成人式を感慨深げに見送った。
 このまま使用人以外いない屋敷に戻って、一人静かに酒でも飲もう。この日のために、末娘と同い年のぶどう酒を大切に取ってある。
イイ話ダナー・・・


 ディランはそう思った。・・・・・・これが、その波瀾に富んだ人生の最後の夜となるとも知らずに。
おい、やめろ。
・・・やめてくださいしんでしまいます



ムーンレィス

 パーティの喧騒を抜け出して、グエンはキエルを人けのない階へと案内した。
健全な男女が2人きりだなんて!
たぶんキエル嬢がついてきたのはローラの件があったからだと思います。

2人が辿り着いた部屋にあったのは・・・
「電線を使わないで通信ができる機械・・・・・・無線です」
 グエンがネクタイを外して言った。「ムーンレィスが二年前届けてきたものです」
ナ、ナンダッテー!?


「帰還・・・・・・いや入植したいと言うのです。だから、ミリシャを・・・・・・軍隊を結成しました」
「月から・・・・・・ですか?」
 あまりの違和感に、自分の声すら風の中の幻聴に聞こえた。
「イングレッサだけではないんです。北アメリア大陸のサンベルト地帯をよこせと言ってきているのです」
おおぅ、<月の民>は地球への適応実験と同時に地球人とそんな交渉をしていたのか。
2000年も交流が無かったのに、突然現れて領地よこせは無理だろjk・・・



 空から来る・・・・・・『招かれざる客』の足音に聞き耳を立てた。
言うてる間にもしや・・・


「急がなくっていいぞぉー!」
 ソシエの剥き出しの肌を食い入るように眺めていた手合いが声をかけた。
ヒルを用いた聖痕の儀式に悪戦苦闘するロラン。
ええい、ロランはいい!ソシエを映せ、ソシエの成長ぶりを!



 遠くの街の微かな光の明滅に、誰もが目を細めて黙り込んだ。
かくして平穏は破られる。



戦端

 爆発の残照に照らしだされたその姿は、人形と呼ぶにはあまりに醜い、巨大な機械仕かけの悪夢の産物だった。
ウォドム、襲来。


「なんだこいつらは! 正気なのか?」
 驚いたのは空に散ったヒップヘビーの操縦士らだけではなかった。その巨大な機械人形ウォドムを操るポゥ・エイジも戸惑った。
「なんて不愉快な連中なんだ・・・・・・」
ディアナ・カウンターという軍隊はあったものの、
実際のところ戦闘行為と呼べるものは小さな内乱程度しかなかった月。


 ポゥはムーンレィス初の武力衝突の当事者となったのだ。
第一陣を任されたあたり演習では優秀だったのかもしれないけど・・・。

ポゥのウォドムに攻撃するミリシャの飛行部隊。
 特殊な装甲、超微細機械からなる主外殻《ナノスキン》はほとんどの種類の衝撃に対して、ナノ秒単位で修復再生を繰り返し、傷は深く達することは無い。
HP+1000、装甲+200。

そんな訳で、ミリシャの飛行機なんて『相手にならない』はず、が。
 しかしナノスキンの奥底に守られたポゥの心はそれほど強靭ではなかった。
 理解を越えたものに対する不安・・・・・・。これが恐怖というものかも知れない。
複座(4人乗り)の機体なんだから、せめて2人ずつ乗せておけばよかったんだよ・・・。


「蛮族がぁー!」
 ポゥは自分の衝動を抑えきれなかった。
「ふざけるんじゃない!」
 ポゥは対艦共振粒子砲を起動した。
ウォドムが放った『光の束』は、
飛行機を、麦畑を、
貨車を、森を、
そして・・・(´;ω;`)ブワッ



初動

「ホワイトドール・・・・・・?」
 ばらばらと崩れ落ちる石屑越しに、石像の顔のちょうど目のあたり、確かに赤い光が浮かんでいた。ぼんやりと、そして瞬くように明滅しどんどんその色を濃くしてゆく。
 そしてホワイトドールは赤い瞳をがっと見開いた。
 ロランにはそう思えた。
ウォドムの砲撃に反応したかのように、
祭の場にあった石像『ホワイトドール』の封印が解かれる・・・!


 ホワイトドールが咆哮した。
ホワイトドール、大地に立つ・・・で1巻終了。



今日から∀ガンダム一気読みやるお( ^ω^)

世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者 公式ベーシックガイド ファミ通編集部 2010年4月13日 エンターブレイン

2015-08-28 05:47:33 | 世界樹の迷宮
樹海かう
準備はできた?
ゲームを始めるまえに読んでおくと、冒険が楽しくなるよ!
基本的な情報が満載の本書を持って、樹海の旅に出かけよう!

究極の公式 ここに参上!
帯より。
勢いで「マスターズガイド(250円)」と同時に注文した当時のオレをぶん殴りたい・・・
と、勢いで書きたくなるほどの世界樹Ⅲ攻略本。



ペラい
100ページ未満という本そのものは勿論、攻略情報の質がペラい
例えば「スキルの情報」と言えるのはスキルの最大レベルのみ。
説明はゲーム内で確認できるものだけ。効果量?知らんがな。

攻略本?いいえ、少しページが多い取説です。
ゲーム雑誌・・・というか、コロコロのゲーム情報コーナーレベル。
300円でも非常にガッカリな内容。定価(1200円)は無い。

だから今から世界樹Ⅲの攻略本が欲しい人はマスターズガイド・・・も微妙
そっちも「インターネットでおk」感は否めない。
ネットの情報が詳細過ぎるって見方も無くはないけど・・・
スパロボやテイルズみたいな「攻略以外の情報」は一切無いからさ。



ネットに負けないレベルの詳細データ、または関係者からしか聞き出せない設定・・・
そういうのが無い攻略本は、買う価値が無いかなと思う。
どっちみち定価では買わないけどXp

鋼の錬金術師5⃣ 荒川弘 2003年7月22日 スクウェア・エニックス

2015-08-27 06:25:35 | 鋼の錬金術師
ブラッドレイ ウフフフフ・・・・
表紙通りにウィンリィ大活躍の巻。
そしてようやくあの人も登場!




第17話 にわか景気の谷

ウィンリィ「ラッシュバレー!!」
 「「にわか景気の谷」の名の通りイシュヴァールの内乱があった時に義肢技術を発達させて急速に大きくなった街よ」
やってきました『機械鎧技師の聖地』ラッシュバレー。



技師A「君!ここらじゃ見ない形の機械鎧だね」
技師B「おお本当だ見てごらんこの通り」
ふーん、機械鎧も地方で型みたいなもんがあるんです?



ウィンリィ「さっすが聖地とよばれる街ね!」
 「みんな研究熱心だわ!」
エド「だからってなんでオレが公衆の面前でパンツ一丁にされなきゃなんねーんだよ!!!」
左足が機械鎧だから・・・つまり人体錬成したのが悪い。
後世への戒めとして記録しておくべき。
人体錬成すると街中で脱がされます



エド「無い・・・」
 「国家錬金術師の証・・・・・・・・・・・・」
 「銀時計が無い・・・・・・!!」
割と抜けている主人公。


3人は街で有名なスリ・パニーニャを追う。
エド「そう簡単にオレ達から逃げられると思って・・・」
m9(^Д^)プギャーwwwwww



ウィンリィ「うわーー」
 「すっごい運動能力」
 「サルみたいよあの女の子」
アル サル対サル・・・
おいwww
お前の兄貴だよ!



ウィンリィ「その機械鎧」
 「もっとよく見せてくれるまではなさない♡」

ウィンリィが両脚機械鎧の方のサルを捕まえ、「サル対決」終了し次回。




第18話 誠意の価値

エド「なんでオレがこんな山奥まで付き合わされなきゃならねーんだー!!」
パニーニャの両脚を作った機械鎧技師を訪ねて山奥へ。
全部人体錬成のせい



パニーニャ「今日はお客さんを連れて来たよ」
リドル「へえ機械鎧の注文かな・・・・・・」
 「・・・ってうわでっか!!ちっさ!!」
m9(^Д^)プギャーwwwwww

技師のリドルと妻サテラ、そしてリドルの父親ドミニク。
パニーニャの両脚を作ったのは父親のドミニクの方。


パニーニャ「また両足で立てた時は嬉しかったなぁ・・・」
 「お日様があたたかくてやけに近く感じたよ」
イイ話ダナー・・・



パニーニャ「それにしても・・・」
 「手術してくれた医者が後からドミニクさんの機械鎧の市場流通価格を教えてくれたんだけどおったまげたねー」
5万10万の話じゃあなさそうスなぁ。
そうだね、スリでもしなきゃとても払いきれないね・・・


ウィンリィ「本当にドミニクさんに感謝してるんならスリなんてやめなさい!」
パニーニャ「え~~・・・でも スリ稼業でもやらなきゃ払いきれないし・・・」
ウィンリィ「ドミニクさんが誠意でくれた両足よ」
 「あんたも誠意で応えなきゃダメ!」
ちょーっと待って、今ウィンリィがいいこと言った!
誠意には誠意で応える」・・・逆もまた・・・わかるな?


さて、スリはやめるということで最後の獲物となった銀時計をはいけーん・・・
パニーニャ「あいつかたくなに「開けるな」って言うだけで中に何が入ってるのやら・・・」
ウィンリィ「開けるな」」?
パニーニャ「見られたらはずかしい物が入ってるとみたね!」
ウィンリィ、リドル「ほほう!
お前らwww
リドルもさらっと混ざってんじゃねーよ!w


ウィンリィ「・・・・・・っと開いた!」
 「エドのお宝はいけーーー・・・・・・・・・・・・・・・ん」

パニーニャ「〝忘れるな″11年10月3日・・・・・・・・・」
 「何これこんだけ?」
 「なんの事かさっぱり・・・」
はてね・・・?


ここで事件発生!
ウィンリィ「リドルさん大変!!」
 「奥さんが!!」
リドル「!!?」
なんぞなんぞ!


サテラ「生まれる・・・・・・」
リドル「予定日までまだ日があるぞ!?」
旦那が「他人の秘密を覗こう」だなんて不誠実なことやってから!

しかし外は大雨。早く医者を連れt
ドミニク「橋が・・・・・・」
落雷で\(^o^)/


エド「こういう時こそオレの出番だろ!」
橋を造っちゃおうと言うんだね!
いえーいさすが国家錬金術師サマだぜーい


アル「・・・・・・自重で落ちちゃうんだ」
ダメでした\(^o^)/


エド「・・・なにが国家錬金術師だ」
 「なにが人間兵器だ・・・」
 「また肝心な時に・・・」
 「オレは無力だ・・・!!」
力が無くはないけど役には立たない
悔しいのう・・・悔しいのう・・・。

ドミニクが遠回りで医者を呼びに行くも、すでにサテラは破水。
医者は間に合わんねこれ・・・
ウィンリィ「みんなで協力して」
 「赤ちゃんを取り上げます」
 「肚」
 「括ってください!」
やれんのか!?で次回。




第19話 あんた達のかわりに

アル「こういう時はアレだね」
 「「神サマに祈る」」
エド「~~情け無ぇ・・・」
野郎はそんなもんらしいです、はい。


エド、アル「たーーーー!!
4ページどころじゃとても済まないらしいです、はい。


それにしてもウィンリィgj!
ウィンリィ「銀時計の中身ね」
 「見ちゃった」
エド「自分への戒めと覚悟を」
 「こうやって形にして持ってなきゃいけないなんて」
 「我ながら女々しいよ」
改めてエドワードの覚悟に触れたウィンリィ。


ウィンリィ「あたし」
 「もっと腕をみがいて少しでもいい機械鎧を付けてあげたい」
ドミニクへの弟子入りは叶わなかったものの、
ドミニクの紹介でラッシュバレーにて修業することになりましたとさ。
豆爆砕しろ


さて、ウィンリィと別れたエルリック兄弟は目的地ダブリスへ到着。
ゴゴゴゴゴゴ
????「あ?」
エド、アル「ど・・・」
 「どうもお久しぶり・・・・・・・・・・・・・・・です」
ええーこの厳ついおっさんが師匠・・・?で次回。




第20話 師匠の恐怖

????「よく来た」
 「大きくなったな」
エド ちぢむ・・・・・・・・・!!
????「こっちは?」
アル「アルフォンスですごぶさたしてます」
????「そうか」
 「すごく大きくなったな」
違った
このおっさんは師匠の旦那のシグ。

それでは師匠のイズミはー?
シグ「そこそこ元気だがまぁ病弱にはかわり無いな」
 「おいイズミエルリックのチビ共が来たぞ」
あらー病弱なのー


エド「もぎゃあああああああああ」
・・・誰が病弱だって?


イズミ「賢者の石?」
エド「師匠なら何か知ってるかなーと・・・・・・」
イズミ「私は石には興味が無いからなぁ」
『興味が無い』・・・
えっ、そんなもんなの?
つーと目的の1つは空振りか。


イズミ「そうか生命が生まれるのを見たんだ」
 「いい経験をしたねあの子達は」
「子ども絡み」で何かあるっぽいなぁ・・・。


鍛えた錬成技術を師匠に見てもらおうの巻。
アルフォンスは『早くて正確になった』らしい。
キレイな円は書くの難しいよねー。
エド「次 オレ!」
パン!!
イズミ「!!」
イズミ「おまえ錬成陣無しでできるの?」
エド「え?はい一応・・・」
アル「?」
・・・いつもやってるよねーエドワード。


イズミ「おまえひょっとして」
 「あれを見たのか?
イズミ「さすがはその年で国家資格を取る程の天才・・・・・・って事か」
エド「天才なんかじゃありません」
 「オレはあれを見たから・・・」
アル「?」
 「?」
エド「師匠は・・・・・・・・・!」
果たして『あれ』とは何なのか・・・。



イズミ「何があった」
 「全て話せ」
次回から兄弟が人体錬成に至るまでの回想編。




第21話 二人だけのひみつ


家に帰らない父親の書物で『なんとなく』錬金術を覚えたエルリック兄弟。
エド 単純な事だった
 「母さんが誉めてくれる」
 たった それだけの事が嬉しくてオレ達は錬金術にのめり込んだ
母子3人は幸せに暮らしていたのであります。

ところが・・・
エド、アル「おかあさん!!」
母、トリシャは流行り病で帰らぬ人に。


エド「・・・・・・おかあさんを元にもどせないかなぁ」
アル「でも人間を作るのはやっちゃいけない事だって書いてあったよ」
エド「うん」
 「だから」
 「二人だけのひみつ」
誰に非難できようか・・・いいや誰にもできまい。

兄弟は人体錬成の研究を進めるも、独学ではやはり限界が・・・。

そんなときに出会ったのが『通りすがりの主婦』イズミでありました。
洪水騒ぎを錬金術で解決したのを見て、兄弟はイズミに弟子入り志願。

とりあえず『仮修業』として兄弟を預かったイズミ。
兄弟を無人島に連れて行き、ナイフを1本渡してからのー
イズミ「この島で一か月」
 「あんた達二人だけで生きのびなさい」
なお『錬金術使うの禁止』な模様。
いやー10歳そこそこの子供にスパルタだなー・・・

イズミ「「一は全全は一」」
 「一か月で答えがみつからなければリゼンブールに送り帰すからね」
 「じゃっ!」
スパルタだなー


とりあえず今日は寝ようそうしよう・・・
エド、アル「わぁーー!!?
????「ここ」
 「俺の島」
 「よそ者」
 「殺す!」
無人島って言ったじゃないですかー!・・・で5巻終了。




5日前に頼んだ通販がまだ発送にならない件について。
小説いっぱい頼んだんだから頼んますよー。
俺、それが届いたらガンダム祭りするんだ・・・。