今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

ナイチンゲールの沈黙(上) 海堂尊 2008年9月19日 宝島社

2016-06-17 06:19:40 | 桜宮サーガ
第4回『このミス』大賞受賞作、300万部を突破した大ベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の続編が登場。大人気、田口白鳥コンビの活躍再び! 今度の舞台は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患者は、眼の癌――網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口に依頼し、小児愚痴外来が始まった。
裏表紙より。
ご覧のとおり『続編』です。




第一部 天窓の迦陵頻伽

1章
病棟のナイチンゲール

12月14日木曜日 午後4時 本館4F・病院長室



「こう見えても私も、病院行事に協力しているんです」
 高階病院長は田口を見つめる。
「田口先生から、そんなお言葉を頂けるとは・・・・・・これなら安心して、新たなお願いをできるというものです」
そしてまた仕事を増やされる主人公・田口。
口は災いの元!


 大学病院は崩壊寸前だ・・・・・・いや、すでに崩壊しているのかも知れない。
著者が医師だけに、この辺はフィクションじゃないんじゃ・・・・・・(;´д`)


「投票総数ぶっちぎりの第一位は乙姫絶唱。オレンジ新棟二階小児科病棟、浜田小夜さんです。おめでとうございます」
【祝】歌ウマ看護師、忘年会の出し物で大賞獲得
今回は彼女の歌唱力が物語の鍵を握る・・・・・・うん、意味わからんな。



2章
酔いどれ迦陵頻伽

12月14日木曜日 午後9時 桜宮繁華街・蓮っ葉通り ブラック・ドア



「この店ならよく知ってる。シークレット・ライブにはぴったりよ」
忘年会帰りの看護師・如月翔子と浜田小夜は、
客引きに連れられて最近話題の歌手・水落冴子のシークレット・ライブへ。


 舞台の上、冴子が城崎に問いかける。
「あれ、あなたのスペシャル・ゲストでしょ」
 城崎がため息をつく。
「・・・・・・まいったなあ。過去に何があったんだ?」
『歌姫』の歌を聞いた小夜は、叫び声を上げて倒れてしまったのです。
感動しすぎやろ・・・・・・?

小夜は『毒消し』として今この場で歌わされる羽目に。
今聞いたばかりの、冴子の歌『ラプソディ』を歌っていると、
今度は冴子の方が血を吐いて倒れてしまったのでした・・・・・・どういうことなの。



3章
ドア・トゥ・ヘブン(天国への扉)

12月14日木曜日 午後11時 オレンジ新棟1F・救命救急センター



「東城大学医学部、救命救急センター満床です。受け入れ不能」
 無線が無情に響く。翔子がマイクを取り上げる。
「コーディネイターはどなたですか?」
 マイクのむこうの沈黙。
「あんた、誰だ?」
「看護師の如月です」
そして強引に受け入れさせる。この娘は剛腕やでぇ。


「患者を救おうというあなた方の姿勢は尊い。ですが、最後まで面倒を見られないのに引き受けるのは少々無責任です」
たまたま管轄の病室が空いていた当直医の田口。
なかなか厳しいお言葉。

『凍りつく』小夜と反発する翔子に、田口は・・・・・・
「口やかましいことを言ったのは、大学病院のスタッフなら誰でもこう言うからです。手続きを飛ばして正義を貫こうとしても、刃は肝心の所には届かない。いつかしっぺ返しに遭って、叩き潰される。お二人を見ていて、少し心配になったものですから」
あらやだイケメン。
怒るんじゃなくて諭す。ムズカシイものです。


「それなら主治医は当然、当直医の田口先生ですね」
 丹羽主任は追い打ちをかける。田口は言葉に詰まるが、今さら後には引けない。
「当然、です。緊急入院患者は、当直医が受け持つのが病棟のルールですから」
かくして田口はメンドクサイ患者を受け持つことに。



4章
極楽病棟

12月15日金曜日 午前8時30分 本館12F・極楽病棟・ドア・トゥ・ヘブン



 九時三十分。病院棟二階の外来は混み合っている。田口は人の群れを眺める。その一部は、本当に病気を抱えて呻吟し、残りの大半は自分が病気であると信じることで自分を支えていた。
ノンフィクションですねわかります。

『麗しのわが根城』に戻って早々に、例の患者の件で呼び出される田口。
ICUの『将軍』・速水の見立てによると、
「完璧なアル中だな。どうやら調教が必要のようだ」
うわーメンドクサイの引いたな・・・・・・

主治医・田口の判断は・・・・・・!?
「不定愁訴外来からスペシャル・アンプル、ナンバー5を持ってきて下さい」
「何ですか、それ」
「藤原さんに言えばわかります」
田口先生は名医だな(確信)



5章
オレンジの黄昏

12月15日金曜日 午前8時30分 オレンジ新棟2F・小児科病棟



 猫田は千里眼と呼ばれ、周囲から畏れられていた。彼女が支配する世界は清潔だ。
小児科病棟師長は何でも御見通し。


 小児科医が減少したのは、医療行政が小児科を冷遇し続けた結果だ。煎じ詰めれば「小児科はカネにならない」の一語に尽きる。ある病院が小児科を切り捨てると、残った病院に患者が集中する。そして、スタッフが疲弊していく。東城大学病院小児科は、まだ潤沢な人員が確保されていたが、総勢六名という医局員数は、他科と比べるとはるかに少ない。
小児科医が皆ブラック・ジャックになればよろしい。
「ウチの子いつもより熱が~」
「1千万円払えますか?」
9割以上が自分らで面倒診るよ!


東城大学病院小児科が抱える今一番難しい患者は、
眼球摘出が必要な『レティノブラストーマ(網膜芽腫)』の中学生・牧村瑞人。
「ご家族はお父さまだけで、入院時も姿を見せていません。前のこども病院でも非協力的だったようです。繰り返し電話していますが、全然通じないんです」
『でもでもお母さん』も困ったもんだけど、こういうのもなぁ。
「患者の治療」より、「親の対処」がホント大変そうだ。



6章
廊下トンビの襲来

12月15日金曜日 正午 本館1F・不定愁訴外来



「水落さんは地獄の底から甦った不死鳥です。そんな彼女のことを自分の主治医が全然知らないという事実が発覚したら、悲観のあまり症状回復にも差し支えるでしょう。ですから彼女のことを一番よく知る人間が受け持ちになるべきです。ええ、絶対にそうするべきです」
Exactly(そのとおりでございます)
水落冴子の主治医は、田口から兵藤医局長サマにチェンジ!


ついでに『トンビ』からちょっとした情報収集。
「沼田助教授は、田口外来を陰に陽に攻撃しています。何でも、田口先生の不定愁訴外来が心療内科領域を侵犯しているとかいないとか。曳地先生と仲良しで、そもそもはその後釜でエシックス委員長の座を射止めたんです。だから沼田先生の最終目標は、盟友曳地先生の敵討ち、つまり田口先生の引きずり下ろしらしいんです」
沼田助教授サマの活躍は、
田口・白鳥シリーズ第3弾「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読んでね!


数十分後(推定)――
「患者さまの要望に誠意を持って対応するのも、医局長たる者の責務です。水落さんは主治医として田口先生を切望しています。スペシャルな調薬は田口先生にしかできないそうで」
医局長サマの判断は柔軟ダナー




上巻3分の1、まだまだ今回の登場人物の顔見せといったところ。
奴の出番はもう少し待ってね!