Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

凋落の行方

2020年05月25日 07時00分10秒 | Weblog
東大法学部の凋落(弁護士 坂本秀徳のダイアリー)
 「・・・店に置いてあった読売新聞を読んでいると、1面に東大名誉教授の北岡伸一さんという方が「東大法学部の凋 落」と 題して、文章を書いておられました。
  東大法学部といえば、明治以来、司法試験や国家公務員上級試験、政治・経済界等の多方面に亘って有為の人材を輩出して来たものですが、記 事の内容は、その東大法学部が最近は人気がなくなって、文Ⅰから法学部に進む人の人数が減少して定員割れの状態になっている、その理由とし ては、法科大学院制度の失敗によって司法試験の合格率が低下し、東大法学部も質と量ともに当初の期待を下回る状況にあること、最近の政治主 導の状況や数々の事件発生による公務員バッシングの状況、大企業と比べると給料が安く、天下り先も制限されてしかもそれも67歳位までであ ること、などが挙げられていました。
  ・・・その対応等としては、官僚の自律性の尊重や外国人教師の登用等が提案されていましたが、私にはとても根本的な対応策のようには見え ませんでした。


  私が東大法学部の学生だったころの人気の就職先は、第一に法曹(当時は「丙案」が導入されたばかりで、若手が合格しやすくなっていた)、第二に公務員、第三が都銀・マスコミなどというものだった(と思う)。
 官僚人気もそれなりに根強く、「行政機構研究会」なるサークルが霞が関のリクルート組織として活動していたような記憶がある。
 その後、旧大蔵省(現財務省)幹部の過剰接待・金銭疑惑問題をはじめ、相次ぐ官僚不祥事などにより官僚人気が低迷し、相対的に法曹の人気が高まったようである。
 ところが、法科大学院制度の導入後、弁護士過剰など種々の問題が発生して、今度は法曹人気も低下し、定員割れの状況に陥ったらしい。
 東大法学部を「官僚・法曹の養成学校」とみるならば、これは凋落というほかないだろうが、そういう見方(北岡先生はそういう見方をしていないと信じたい)は皮相と思われる。
 この学部は、かつて、宮沢俊義先生や丸山眞男先生などといった諸先生方と学生たちが、例えば、「人間にとって自由とは何か、それを実現するために社会・国家はどうあるべきか」などという問題をラディカルに追求してきたユニークな伝統がある。
 そして、私の知る限り、その伝統は今でも(一部で)受け継がれている。
 だが、残念なのは、知的信用で指摘されたように、大半の学生が、法学部に進学する時点で既に「没知性的」になってしまっていることである。
 結局のところ、中等教育の改革が必要ということなのだろう。

 
 
 
コメント
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