Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

常若の組織

2020年05月21日 07時22分17秒 | Weblog
世耕氏、公務員定年延長「仕事があるなら若者採用を」
 「(新型コロナウイルスの感染拡大で)これだけ経済が苦しく雇用環境が厳しくなっているなかで、国家公務員や地方公務員だけ給料も下がらないまま、5年も定年延長されて良いのか。それだけの仕事があるなら、いま雇用を失った若い人や就職氷河期のまま正社員に就業できていない人たちこそ、公務員として採用することも考えなければいけないと思っている。

 これは政治家にしてはユニークな意見で驚く。
 公務員の定年延長の背景に「天下り先の枯渇」という問題があることは指摘されて久しいが、天下りというシステムの真の狙いを踏まえた議論は少ない。
 自身も財務(大蔵)官僚であった野口悠紀雄氏によれば、天下りは、官僚組織が「若さ」を保つためのシステムだという。
 つまり、日本の伝統ともいうべき「常若の精神」の現れなのである(人間五十年をご参照)。
 一部の中央官庁には、同期のうち1,2名を残して他の全員を50歳までに退官させるところもあるほど、「常若の精神」が徹底している。
 こうした文化からすれば、定年延長より世耕氏の案の方が望ましいのだが、そうすると、今度は、退官したものの天下り先がないことを懸念する人たちが抵抗するだろう。
 かくして、世耕案は葬られてしまう可能性が高い。
 
コメント
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