法律時報2018年5月号 憲法の土壌を培養する
木庭顕先生「知的階層の存立のためには自立的な経済的基盤が必要であるという点は動かないと思います。ただし経済的基盤は信用のタームで捉えられます。裕福でもその富を依存していれば失格です。貧しくとも自前でやっていければよいのです。しかし元手は必要です。社会保障は、一人一人自立できるようになされなければなりません。具体的には教育がポイントになります。自分が投資されていて資質を身につけていること、これが肝要です。政治システムの責任です。信用を与えるのですね。」(p73)
「ちなみに私は最近中三高一くらいまで結構素晴らしい感覚を持っていることを確認する機会がありました。対するに、東大法学部の学生は、流石に時々素晴らしい素材が隠れていますが、総じて極端に没知性的です。豊かな家庭に育っても、知的な信用は入っていません。中等教育のところに大きな問題があります。そもそも経済社会が真に知的信用の入った自立的な個人を欲していません。依存体質の人間の方が都合がよいのです。だからあの馬鹿げた就活方式のリクルートがあります。」(p76~77)
ここに出てくる「信用」、とりわけ「知的な信用」という言葉の意味をじっくり考える必要がある。
そういえば、大学時代、小・中・高とゲーム感覚で受験をクリアーしてきたとおぼしき「秀才」たちをたくさん見たが、みな一様に集団志向・依存体質だったのを思い出した。 しかも、こうした人たちが日本の政官財界に多いことは、紛れもない事実である。
私見だが、一部の私立中学・高校の教育システムが、こうした傾向を助長しているように思える。
木庭顕先生「知的階層の存立のためには自立的な経済的基盤が必要であるという点は動かないと思います。ただし経済的基盤は信用のタームで捉えられます。裕福でもその富を依存していれば失格です。貧しくとも自前でやっていければよいのです。しかし元手は必要です。社会保障は、一人一人自立できるようになされなければなりません。具体的には教育がポイントになります。自分が投資されていて資質を身につけていること、これが肝要です。政治システムの責任です。信用を与えるのですね。」(p73)
「ちなみに私は最近中三高一くらいまで結構素晴らしい感覚を持っていることを確認する機会がありました。対するに、東大法学部の学生は、流石に時々素晴らしい素材が隠れていますが、総じて極端に没知性的です。豊かな家庭に育っても、知的な信用は入っていません。中等教育のところに大きな問題があります。そもそも経済社会が真に知的信用の入った自立的な個人を欲していません。依存体質の人間の方が都合がよいのです。だからあの馬鹿げた就活方式のリクルートがあります。」(p76~77)
ここに出てくる「信用」、とりわけ「知的な信用」という言葉の意味をじっくり考える必要がある。
そういえば、大学時代、小・中・高とゲーム感覚で受験をクリアーしてきたとおぼしき「秀才」たちをたくさん見たが、みな一様に集団志向・依存体質だったのを思い出した。 しかも、こうした人たちが日本の政官財界に多いことは、紛れもない事実である。
私見だが、一部の私立中学・高校の教育システムが、こうした傾向を助長しているように思える。