井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ゲームを芸術に

2010-08-23 23:13:01 | アニメ・コミック・ゲーム

東京商工リサーチの調査で2009年度の給与所得上位30位等が発表された。リーマン・ショック以来不景気な話ばかりの昨今、この結果はまさに(サラ)リーマン・ショック。

以下、上位3社の社員平均年齢と平均給与。

1. スクウェア・エニックス・ホールディングス 41.2才 1780万円

2. フジ・メディア・ホールディングス 44.3才 1452万円

3. MS&ADインシュアランスグループ・ホールディングス 46.6才 1422万円

以下、三菱ケミカル、TBS、スカパー、住友商事、三菱商事、三井住友FG、東京海上HDと続く。

東京の民放キー局は全て30位以内、NHKはいない。金融機関も案外少ない。もちろん、持ち株会社が多い。これらの会社には若い新入社員はいないから、例えば新入社員いっぱいの普通の銀行と直接比較にはならない。

で、問題は1位がゲーム会社ということ。

話は跳ぶが、現在放送中の「ゲゲゲの女房」を観ていると、3、40年前の漫画界の活気と熱気がわかる。同時に、学校で「漫画なんか読むな!」と度々言われた記憶がよみがえる。でも、このドラマを観ると、実に真摯に漫画に取り組んでいることが伝わってくる。その甲斐あって?今や国立マンガ図書館を作ろうかなどというご時世になっている。大体、今になってわかるのだが、みんな漫画は読んでいたのである。学校の成績とは無関係だったことも、ここで論ずるまでもない。

そして、この漫画に相当するものが、今は「ゲーム」と言わざるを得ないのではないだろうか。

正直言って、子供たちがゲームに熱中している姿には辟易としている。しかしこのご時世、高給取りが嫌いだと言える親がどれだけいるだろうか?

それならば、ゲームが芸術にまで昇華するべく、全てが動いていくことを考えたいものだ。

具体的には、ゲーム音楽はまだまだ貧しい。ドラクエのすぎやまこういち氏のように良心的なものは、なかなか少ない。ポケモンにJ.ウィリアムス並の音楽がついていればハリウッドを凌駕できる。そうすると音楽は独立して発展し、20世紀後半の映画音楽、百年前のバレエ音楽の地位に位置づけられる。白鳥の湖やスターウォーズと同様、万人が音楽だけでも楽しもうよ、ということが期待できるのに、残念である。

実は、福岡のゲーム会社と共に現代音楽祭を今年開く計画があった。だが、ゲーム会社の認識が低く、ゲームを芸術になどという発想そのものに理解を得られなかったようである。これもつくづく残念である。井財野もゲーム音楽を作ってみたいなぁ。


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2 コメント

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 小4の息子がカービィが大好きです。 (colirin64)
2010-10-05 01:28:09
 小4の息子がカービィが大好きです。
 ご存知ですか?任天堂のゲームのキャラクターです。ゲームボーイの時代から、最新の「毛糸のカービィ」(来週発売)まで、世界中で人気のゲームです。8年ほど前にはTVアニメ化されました。
 息子曰く、「何がいいって、音楽がいいんだよなあ。ゲームが面白いのはもちろんだけど、2番が音楽!3番が背景(の色彩やメカデザイン)。」そう言いながら、DSのサウンドページを開き、「明日はこの曲で起こして!」などと言ったりするほどです。音楽環境の貧しさでしょうか。ならば、といろいろ聴かせるのですが、気に入る音楽はなかなかないようです。
 さてそのカービィのサウンド。どなたの手になるものかと、ウィキペディアでみたところ、何も書いてない・・・と思ったら、1番最後に名前だけある。クリックしてみると、会社の方なんですね。4人くらい。
 サウンドの中でも、「グルメレース」「グリーングリーンズ」というタイトルの曲は、その世界では有名で、歌詞を付けて歌われたり、ふざけた動画を付けて投稿されてたりするんですけど、そんなに人気だというのに、CDが出てない!
 アニメの音楽は、宮川彬良さん。こちらはCDありまして、TV番組のBGMに時々使われていますね。

 YouTubeの許可動画に「オーケストラによるゲーム音楽コンサート」というのがあり、興味深いですよ。ウィキには、すぎやまこういち氏主催、宮川彬良アレンジで演奏されたとあります。動画の会場はフランスで、(やっパリ!)アート論や、ゲームにとっての音楽の重要性が語られています。ただ、ここで演奏されてるカービィの曲を聞いたら、井財野さんとしては、「どこが良いの?」と思われるでしょうね。

 
 息子が、「音楽が・・・」と言い出したのは、半年ほど前でしたか、その一言に、「これは井財野氏にご意見を聞かねば。」と思っておりました。そうして2年振りくらいに開いてみたブログに、どんぴしゃなタイトルを見つけたので、思わずコメントを入れてしまいました。

 ジャングル大帝についても書かせていただいてよろしいでしょうか。

 私は、手塚ファンでして、手塚作品はどれも素晴らしいと思っています。しかし、とりわけと言えば、ジャングル大帝。
 なぜか・・・。私は、動物が好きだからだと、長年思ってきました。ところが、実は、ジャングル大帝が好きだから、動物が好きになったのです。原作は、確かに読むのしんどいです。つらい別れや、意外にわがままなレオの幼少期。最後はつらいつらい別れで終わります。本当に、手塚作品の中でも特に感動的な作品だと思います。・・・が、私の好きなレオは、アニメだったのです。
 真っ青な空に真っ白なレオが疾走するオープニング。パアーッ!と鳴り渡るトランペットにダンダンダンダンダン!とパーカッション。ハープのグリッサンドと共に入ってくる女声コーラス。そして一瞬の間を置いて、平野氏の長9度!(っていうんですね!)う・う・・・号泣する!(同じく富田氏の「勝海舟」のオープニングのクレッシェンドでも号泣できます^_^;)つい最近、特番でレオの新作があって、ケータイという今時の小道具なんかも効いてたりするなかなかの佳作だったと思いますが、音楽が・・・。残念ながら、富田氏のものじゃない。音楽がさっぱり、だったのです。これじゃ、名作にはならない。このときの音楽担当が誰だったかは、あえて言いませんが。
 夏に、スカパーだかBSだかで、20ねんくらい前の新レオを見ましたが、これまたアニメ自体の荒さもさることながら、音楽が・・・。作曲はあえて言いません。
 そのすぐ後にオリジナルのジャングル大帝を見て、「音楽だ・・・!」と確信しました。息子の言う、「音楽が良いから、好きなんだ!」は核心を突いた発言だと思いました。

 突然のコメントで、長くてすみません。
 伝えたいことを伝えることができて、満足しました。(^_^;)
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colirin64さん、長文のコメントをありがとうござい... (井財野)
2010-10-05 21:28:17
colirin64さん、長文のコメントをありがとうございました。
カービィ、ですね。気をつけておきます。
音楽の力が弱くなっているのは、一般の映画も、ですよね。
21世紀にも素晴らしい音楽が生まれることを期待するし、
井財野も挑戦は続けるつもりです。
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