井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ポピュラー音楽は消滅しているかも

2017-12-24 09:21:22 | 音楽
小学校の先生になる人のための大学の授業「音楽科指導法」の教科書に「児童達はポピュラー音楽に強い親近感を抱いている」という記述があった。

そこで、受講している大学生に問うてみた。
「では皆さんは強い親近感を抱いていますか?」
手を挙げさせたら全体の1~2割程度。

そんなものかと一瞬思ったが、いや違う。全くわかっていない顔をしている。

「ポピュラー音楽って何だかわかる人は?」

今度は1割以下。
そうだよねぇ、この言葉を巷で聞かなくなって久しい。

「ポピュラー・ミュージックは言い方が少し長いので1960年代あたりからポップスという言い方に段々変わっていきました。ポップスならわかる人?」

ああ、J-PopsやK-Popsのあれか、と推測してくれるかと思ったけど、相変わらず1割以下。これは大変だ。

「ジャズを源流とする音楽の総称として、かつてポピュラー音楽というくくりがあったのです」
と、説明はしたものの、この呼び方は1980年代あたりで事実上終焉を迎えている。

恐らく教科書の執筆者はポピュラー音楽に親近感を持っていなくて、現実の認識がその時代で止まっているのではなかろうか。

だからといって、他にその手の音楽を総称する呼び方はないのである。
とは言え、世の中の方は総称する必要もなくなったから、必要としているのは音楽教育分野だけなのかもしれない。

しかし、児童達が親近感を持っているのはほぼJ-Pops、そしてヒップホップ系のものであって、ジャズやロックはクラシック音楽と同列であろうから、実際にはポピュラー音楽と総称する必要もない。

なので「児童達はJ-Pops等に強い親近感を抱いている」と書けばわかりやすい教科書だったのに、という結論に落ち着く。

いつの間にか時代は変わっている。30年間をいつの間にかと呼ぶ自分も相当なものだが。

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