團伊玖磨のオペラ「夕鶴」に出演していた男声歌手3人の話を聞く機会があった。一人は大ベテラン(運づ)、二人は比較的若手(与ひょう、惣ど)。
稽古の時に、コレペティトール(コーチを兼ねたピアノ伴奏者のようなもの)に毎回ダメだしされるのだそうだ。
曰く「台本はこうです、楽譜はこうです、だから今のはそれに合っていません・・・」
ということのようだ。
大ベテランも、年を重ねてようやく楽譜をすみずみまで読むようになったと告白された。
その3人が口々に、そのコレペティトールはすごい凄い、と言うのだが・・・。
私としては少々違和感があった。
何が凄いのかよく聞いてみると、要約すれば「楽譜を正確に読み取っている」ということだ。 こちらとすれば「楽譜読まないで歌っているんですか?」と問いたいところだ。