井財野作品にはオーケストラ用の教育作品がいくつかあり、これもその中の一つ。
弦楽器を始めて数年でも弾けるように配慮されている。
ここに公開するのは、今年の授業の一こま。見るからに初心者という風情の者も少なからずいるが、とりあえず曲になっている、これがオーケストラのおもしろいところだ。
曲は2008年から2009年にかけて作られ、本ブログでも紹介したことはあるが、韓国の旋律二つ(「トラジ」「密陽アリラン」)と日本の旋律二つ(「ふるさと」「越天楽」)が組み合わされている。海をはさんで、日韓双方の旋律が響きあうという趣向である。
特に「トラジ」と「ふるさと」を半ば無理やり組み合わせた「クオドリベット」に注目していただきたい。意外と「合う」ので。
それに作って再認識したのが「越天楽」はやはり大陸(中国・韓国)的な旋律だということ。「密陽(ミリャン)アリラン」との相性が良くて、組み合わせているうちに区別がつかないくらい融合してしまった。
日韓関係もこうなってくれないかなぁ、という淡い期待もはいっての本作品である。