井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

バンダの出番だ

2013-03-06 23:44:38 | オーケストラ

最近、ベルリオーズの幻想交響曲を練習していた時のこと。3楽章にて。

「あ、彼女はバンダです」

「そうですか。よろしくお願いします番田(坂田?)さん。」

という会話を・・・しなかった。すれば良かった、と今思う。

幻想交響曲の第3楽章の冒頭は、コーラングレとオーボエの対話で、オーボエは舞台裏で吹くことになっている(それは楽譜に書いてある)。

一方、現在ヴェルディの「アイーダ」の行進曲の楽譜を来年の演奏会に向けて準備をしている。あのトランペットは誰が吹くのが適任か、などと考えながらスコアを読んでいるのだが、俗に言う「アイーダ・トランペット」は「バンダBanda」と楽譜に書いてあった。

「バンダ」ってナンダ?

英語でコードはイタリア語でコーダ、その伝でいくとバンダはバンドだ。一人でもバンドと言うだろうか?

言う訳ない、と言いたいが、業界全体が間違っていれば、それは間違いではなく、正しいのがどちらかというと間違いになる。以前も「ザッツ」の件で、個人的に遅れをとったことがあったっけ。

という次第で、まずウィキペディア。

オーケストラなどで、主となる本来の編成とは別に、多くは離れた位置で「別働隊」として演奏する小規模のアンサンブル。

ほらね、アンサンブルですよ。一人ではアンサンブルとは言わないじゃない。

と思ったのは早計であった。

その後に、実に詳しい説明が載っていた。それは明らかにバンダに関わっていたと思われる人の記述で、学者にはとても書けないものだった。

そこまでは良いのだが、バンダを用いた楽曲の例が羅列されており、何と幻想交響曲も載っていた!

「レオノーレ」序曲もある。あれはトランペット1本ではなかったか? 何本もあったらホフナング音楽祭の「レオノーレ序曲第4番」になっちゃうよ。

説明が業界人なら、曲目リストも多分業界人が書いている、と推察するのが常識的な見方だろう。一人でも「バンダ」と呼ぶのが一般的なのだろうか。

イタリア語の辞書をひく。bandaの第一義は傭兵隊、ゲリラ隊だそうだ。一人でもゲリラ隊か・・・

と、ここで50代以上の人間には、特定の人物が頭に浮かんだかもしれない。

劇団ひとり、ならぬ「一人軍隊」が昔いましたね、横井庄一さんと小野田寛郎さん。

なるほど、日本では一人でも軍隊の歴史がある。ゆえに、日本では一人でもバンダなんだ。

と、納得したことにしておこう。